ねえ、君達はこのタトゥの意味を考えた事あるかい?



Holy darkness











 ウォーゲーム
3rdバトル最終戦、アルヴィスvsロランにて。
 ロランのマグマスネイクがアルヴィスを襲う。アルヴィス絶体絶命の状況下、
 「ファントム様、どこへ行かれますか?」
 「ずっとここにいても退屈だからね。たまには直接見て来ようか」
 イスから立ち上がったファントムは、それだけ告げ城から移動していった。







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 「アルヴィスーーー!!」
 「降参しろアルヴィス!!」
 (誰が、こんなヤツに降参するか!!)
 味方の声を無視し、アルヴィスはズタボロの状態でそれでも決して降参はしなかった。
 ここで負けたくはない。同じタトゥを、それを望んで刻み付けられた相手に、決して負けたくはなかった。
 だが―――
 「降参しませんか。いずれにせよ、あなたはここで終わりです。
  さようならアルヴィス君」
 呟きと共に、ロランの魔力がさらに上昇する。合わせ、マグマスネイクの攻撃力も上がった。
 「ぐ、はっ・・・!!」
 
13トーテムロッドが弾き飛ばされる。直撃を喰らい、アルヴィスは地面に叩きつけられた。
 止めを刺すつもりか、スネイクが上空へと舞い上がる。
 (これを喰らえば、確実に死ぬ・・・!!)
 初めて浮かぶ後悔の念。降参していた方が良かったかもしれない。チームが勝っているから次には出られる。ここで死人が出れば、単純に戦闘力だけでなくメル全体の士気が下がる。
 痙攣する口を開こうとし・・・
 《やあアルヴィスくん。苦戦してるみたいだね》
 「ファントム・・・!!」
 耳元に流れ込んでくる声。見上げる月の映像が揺らぎ、ファントムの顔が現れた。
 (城か・・・? いや、あの景色は・・・・・・)
 ここだ
 何とか首を動かし視線で辺りを探る。ポズンよりもっと後ろにある岩山に、ファントムは優雅に腰をかけていた。もちろんここからは叫び合わなければ声は届かない距離。
 (いつの間に・・・)
 クロスガードとしてつけていた、イヤリング型の通信アーム。声が流れてくるのはそこだった。昨日寝ている間にでも付け替えられたか。
 《どうだい? 力を貸そうか?》
 「どういう事だ?」
 《君もわかっているだろう? この状況の打開策。
  ―――僕なら、協力してあげられるけど?》
 悪魔の囁きに、アルヴィスは細めていた目を見開いた。
 1つだけある。勝てるかどうかはわからないが、絶対に負けない策が。そして、確かにそれにはファントムの協力はとてもありがたいものだ。
 迫ってくるマグマスネイクを睨みながら、問う。
 「なぜお前が俺に協力する?」
 《ここで君に死なれちゃつまらないからさ》
 「・・・・・・」
 とても、納得の出来る答えだった。ファントムは嘘はついていない。
 《時間はないよ。さあどうするアルヴィスくん。
  このままロランに勝たせるかい? 彼は次の戦いにも出るよ? 今度は誰が相手になるだろうね。
  ・・・・・・ギンタかな?》
 「何・・・!?」
 《だってさっきまでのロランの話を聞いていただろう? ロランは僕が彼以外に構うのを嫌がる。君らのチーム―――メルで僕が気にかけているのは君と・・・》
 「ギンタか・・・!!」
 ますます負けられない。ロランの力はこの程度ではないだろう。例えばギンタがガーゴイルを出せば、このスネイクにも勝てるかもしれない。だがそれを使っている間、ギンタは無防備になる。ロランのあの余裕なら、同時に2つのアームを使うのも十分可能なはずだ。
 スネイクをおとりにギンタに攻撃を仕掛けたならば・・・・・・
 《どうやら、決心はついたようだね》
 「1つだけ言っておく。





  俺はお前の味方にはならない」





 《だろうね。まあいいさ。気長に待つよ。
  時間はたっぷりあるからね。お互い
 最後に聞こえたのは苦笑だった。最後に――――――最期に。
 体中に衝撃が疾る。同時に、マグマスネイクが襲い掛かってきた。
 「アルヴィスうううううううううう!!!!!!!!」







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 「やれやれ。これで勝負はつきましたか」
 巻き上がる土煙を眺めながら、ロランは小さく微笑んだ。喜びの笑み。これで、ファントムに近付く1人は消した。
 「次は〜・・・・・・
  ・・・・・・・・・・・・おや?」
 視線を動かそうとたロラン。土煙に影を捉え、そこへと戻した。
 自分の影が映っているのだろうか―――いや違う。
 「これは驚きですねえ。直に喰らって、まだ立てるとは。
  でも、頑張れば頑張るほど苦しい思いをするんですよ?
  確実に止めを刺しましょうか」
 アームを発動させる。
 「ストーンキューブ、マグマスネイク。
  ―――貫きなさい、彼を」
 ロランの手の中に現れるストーンキューブ。騎士が持つような円錐状の石剣に変形したそれに、スネイクが絡みついた。
 「今度こそ、終わりですよアルヴィス君!!」
 剣を手に、土煙に突っ込んでいく。影はまだ動かない。立っているだけで精一杯か。
 影の胸へと、ロランは剣を突き刺した。先端が何かに当たり、ぞぶりとめり込む感触が伝わる。
 (入った・・・!!)
 これで確実に死んだ。心臓を貫かれて生きている人間など―――
 (いや・・・)
 ロランの背を、吐き気にも似た戦慄が込み上げた。何かがおかしい。警鐘が鳴らされる。
 胸を貫かれ、なお影は立っている。どころか―――
 がしり
 「何!?」
 影が伸ばした手が、剣を掴んだ。
 土煙が晴れていく。徐々に影が露わになって・・・
 「アルヴィス!?」
 「何で・・・!?」
 周りから、悲鳴じみた声が上がった。それはそうだろう。胸を貫かれ、剣にも体にも血を流しそれでも平然と立っているのだから。
 口端から血を零しながら、アルヴィスがにやりと笑った。
 「残念だったなロラン。俺を倒すには、少し遅かった」
 「まさか・・・!!」
 アルヴィスの全身を見る。度重なる攻撃で服はもうボロボロなのに、どこにもタトゥはなかった
 胸を貫かれて死なない。死ねない。





 ――――――生ける屍ならば。





 「くっ・・・!!」
 剣から手を放し、同時にストーンキューブを爆発させる。近距離にいる自分も危険だが、マグマスネイクを巻き込み爆発は通常の数倍となった。
 それでもアルヴィスは倒れない。正真正銘、人間ではなくなった・・・・・・。
 「そんな・・・・・・!!」
 なぜアルヴィスのタトゥは完成された? 腕から覗いた分を見る限り、進行は自分とほぼ同じだった。
 魔力を上げ、進行を進めようとする自分。止めようとするアルヴィス。逆ならともかく、アルヴィスの方が先に完成するなど・・・・・・
 「―――っ!!」
 爆風に吹っ飛ばされる。急所を庇い、後ろに転がり、
 ―――たまたま見た先に、答えはあった。
 「ファン・・・トム・・・・・・」
 いつからそこにいたのか、岩山に腰を下ろし優雅に試合を観ているファントム。嬉しそうに細めた目が観ていたのは――――――自分ではなくアルヴィス。
 「あ・・・・・・」
 絶望に襲われる。















自分はこれで、いらない存在となった・・・・・・・・・・・・。
















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 戦闘中だという事も忘れ、隙だらけとなったロラン。もちろんアルヴィスがそれを見逃す筈もなく。
 「ダークネスアーム発動」
 「しまっ・・・!!」
 こっそり発動したアームに、ロランの全身が絡めとられた。
 束縛の術。普段の状態なら、精神力で拮抗出来ただろう。完全に隙を突かれた。解こうにも、動揺が集中力を乱す。どのアームも発動できない。
 アルヴィスが接近してくる。この一撃で、自分は殺されるだろう。
 意外と落ち着いて、己の死を受け入れる事が出来た。
 ウォーゲーム、ひいては戦争とはそういうものだと頭でわかっていたからかもしれない。自分のチームも、既に2人死んでいる。
 元々生きることにさしたる執着もなかったからかもしれない。生きる意味と理由を教えてくれたのがファントムだが、彼にももう必要とはされない。
 (これで、僕の生も終わりですかね・・・。
  最期に1つだけ、言えればよかったんですけど・・・・・・。





  あなたと共にいる間、楽しかったですよ・・・ファントム・・・・・・・・・・・・)



































 そして・・・





 ガン!!
 「痛ああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
 夏の風物詩スイカ割の如く、アルヴィスは発動させた
13トーテムロッドをロランの脳天に力いっぱい振り下ろした。
 頭を押さえ、ロランが蹲る。あまりの痛みに集中力が異常に高まったらしい。無理やり束縛を解いたようだ。
 蹲るロランに、さらにアルヴィスが追い討ちをかける。蹴り転がし、ガンガン鈍器を振り下ろしヤクザキックをお見舞いし・・・
 「ちょ、ちょっと待ってくださいよ〜!! なんですかその微妙にやる気のない攻撃!!」
 「つまり頭部や腹部等、危険部位にも振り下ろして欲しいと?」
 「そーじゃなくって!! 殺すんならもうちょっと一息にスマートに行きませんいや確かにこれでも死ぬと思うんですけどやっぱ痛いのヤですし!!」
 「なるほどなあ。痛いのは嫌か・・・」
 ようやくアルヴィスの攻撃が止まった。ズタボロでえへvと笑うロランの襟を掴み上げ、
 「俺はさっきからお前にガンガンバンバン攻撃喰らってたんだけどな。その痛みはこんなモンじゃなかったな」
 「ま、まさか・・・・・・!!」
 ロランの顔がザッ!と青褪めた。
 どうやらこちらの言いたい事は察してくれたらしい。アルヴィスは鷹揚に頷き手を放した。
 問う。
 「『君に選択肢を与えよう。痛みを伴わない敗北か、それとも伴う敗北か。好きな方を選べ』」
 「いや既に痛みすっごく伴ってるんですけど〜・・・」
 「ちなみに俺の主義は『3倍返し』だ」
 「降参します今すぐ!!」







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 こうして、勝負はアルヴィスの土壇場での逆転勝利となった。
 重い足を引き攣り、『仲間』の元へと向かうアルヴィス。俯いた顔は、上げられなかった。
 アランを除き初めて知らされた呪いに、
 死んだはずなのに死んでいない彼―――生ける屍と化してしまった彼に、
 一同もまた、どうやって迎えればいいのかわからなかった。
 5m程度まで近付いたところで、
 アルヴィスが足を止めた。
 唯一残った胸のタトゥ・・・生ける屍の証であるそれに拳を当て、
 目を上げる。
 「今まで黙っていて悪かった。俺は確かにファントムに呪いをかけられ、今アイツと同じ『人間ではないもの』になった。
  でも俺はファントムと同じにはならない! アイツの仲間にはならない!
  お願いだ!! 一緒に戦わせてくれ!!」
 「アルヴィス・・・・・・」
 地に付かんばかりの勢いで下げられた頭が、血反吐を吐きそうなほど悲痛な叫びが、固く固く結んだ目と口が。
 全てが、彼の思いを表していた。
 自分たちは、何を見ていたのだろう。何を恐れていたのだろう。
 この世界の平和を、一番に―――とはさすがに言い切れないが―――考えていたのはアルヴィスではないか。
 だからこそ、門番ピエロを使いダンナの後釜となってくれる人間を呼び出した。
 だからこそ、チェスの兵隊ではなくメルとしてウォーゲームに参加した。
 だからこそ・・・・・・自らの呪いを完成させてでも相手を倒そうとした。
 「な〜に今更ンな事言ってんだよアルヴィス!! オメーはもう俺たちの立派な仲間だろ!?」
 「どちらかっていうと、ギンタの方が足引っ張ってるっス・・・」
 「何を〜〜!? オメーに言われたくねーよジャック!!」
 「アルヴィスさん、怪我大丈夫ですか? 直しましょうか?」
 「いいや、大した事ないから大丈夫だよ。君も疲れているだろうスノウ?」
 「でも・・・」
 「ありがとう、その気持ちで充分だよ」
 「そっかあ! 生ける屍って事は、お前怪我しても大丈夫なのか!! いいな〜!!」
 「何がだよ・・・」
 「んじゃ決まった!! 次からは―――!!」
 「一番面倒なところばかり俺に押し付けるなよ?」
 「ゔ・・・・・・」
 さすが天然ツッコミ人アルヴィス。的確な指摘により、己の危機を事前に回避する事に成功した。
 指を天に向けたまま固まるギンタは放っておいて、
 ぽんぽん
 「アランさん・・・」
 頭を撫でる大きな手。見上げると、アランが力強く笑っていた。
 「よかったなアルヴィス。いい仲間見つけてよ」
 「見つけたのは、俺じゃなくてギンタですけどね」
 彼自身が希望だから。だからこんなにいい仲間が集まるのだろう。
 スノウとジャックに責められるギンタを、
 アルヴィスは笑みを浮かべ見守った。















 「ロラン・・・?」
 伸ばしかけたパノの手を、
Mr.フックが止めた。
 「何だい?」
 「見るぞよパノ。ファントム様ぞよ」
 「ファントム様!?」





 「やあロラン。惜しかったね」
 「ファントム・・・・・・」
 岩山から下りてきたファントムに迎え入れられ、ロランは泣きたかったり怒りたかったりするのを歯を噛み締めて堪えた。
 目線を上げる。いつもと同じへらへら笑いを浮かべ、
 「あはは。負けちゃいました」
 アルヴィスにはなぜか殺されなかったが、きっとこれから自分はファントムに殺されるだろう。実際命を取られずとも、遠ざけられれば同じ事。ファントムは、役に立てなかった自分をもう傍には置いてくれないだろう・・・・・・。
 それでも、ただ笑顔でいたのはいい印象を残しておいてほしかったから。ファントムに手を差し伸べられたあの時からずっとそうだ。敬愛を、尊敬を、感謝を。伝える術がわからなかったから、だからずっと笑顔でついていった。
 一緒にいられて嬉しいのだと、そう彼に伝えたかった。
 ゾンビタトゥを、自ら望んで刻み付けさせたのも同じ事。大勢の者に囲まれ、なのに孤独な彼に少しでも近付きたかった。
 「僕がいるじゃないですか」―――そう言えるようになりたかった。
 笑うロランを決して見ることなく、
 ファントムはのんびりとこんな事を呟いた。
 「さっきアルヴィスくんに訊いたよ。『何でロランを殺さなかったのか』、って」
 「そう・・・ですねえ」
 咎める事もない淡々とした口調。本当に疑問だったようだ。
 ―――本当に、殺される事を当たり前として受け止めていたようだ。
 (あ、ダメ・・・みたいですねえ)
 さすがに笑顔でいるのも苦しくなってきた。どうせ見られて―――視界に入れられすらしないのだからと、俯き髪で目を隠す。
 やはりそれにも気付かないのか、ファントムの言葉が続いた。
 「そしたらアルヴィスくん言ってたよ。
  『俺はお前の仲間にはならない。だからだ』って」
 「え・・・・・・?」
 意味がわからない。仲間になっても邪魔に思われるだろうが、敵なら余計殺すのが普通だろうに。
 顔を上げる。ファントムはやはりこちらを見てはいなかった。
 遠い目で、『仲間』と戯れるアルヴィスを見ている。とても穏やかな笑みを浮かべ。
 「彼は僕に言ったよ。
  ―――『そいつがいなかったら、お前が寂しがるだろう?』・・・とね」
 「へ・・・・・・?」
 「見抜かれてしまったなあ。僕がここに来た理由。
  君にもアルヴィスくんにも、どちらにも死んでほしくなかった。タトゥがあるから、『仲間』だから―――だけじゃない。君達なら本当の『友達』になれるんじゃないか。そう思ってる、そう願ってるんだ」
 「それって〜・・・・・・」
 ファントムの目線が戻ってきた。初めて会った時以来、ようやく。
 穏やかな、優しげな笑みで。
 伸ばした手で、頭をくしゃりと撫でられた。





 「生きていてくれてありがとう、ロラン」





 「ファン・・・トム・・・・・・・・・・・・」
 見開くロランの目から、
 涙が零れ落ちた。
 苦笑を浮かべ、ファントムが頭を抱き寄せる。
 「初めて見たね、君が泣く姿は。
  これから、もっといろんな顔を見せておくれよ、ロラン・・・・・・」
 「ファントム〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!」
 まるで子どものように、しがみつき泣きじゃくるロランを、
 ファントムは笑いながら受け入れた。















 肩越しにそんな2人を見て、
 アルヴィスは苦笑いを浮かべた。
 ロランは強敵だ。今回は自爆に近い形で勝つ事が出来たが、2度と同じ手は通用しない。しかもタトゥを持っている以上、生ける屍となれば厄介極まりないものとなる。
 (なんで殺さなかったか、か・・・・・・)
 自分の方が訊きたい。ファントムは敵だろう? 自分に呪いをかけた憎むべき相手だ。寂しがろうが不幸になろうが関係ない―――どころかそうなったら心から喜んでやる。
 ロランだって同じだ。自分から望んでチェスに入りタトゥだって刻んだのだ。たとえウォーゲームにはもう参加しなくなろうが、戦力減らしのためしっかりここで抹殺しておくべきではなかったか?
 いろいろと考え、
 結局同じ笑みしか浮かばない自分にこそ苦笑いする。
 頬を掻き、
 「結局、俺もギンタにばかり甘いとは言ってられないな」
 「何やってんだ〜アルヴィス!! 帰んぞ!!
  今日は宴会だ〜〜〜〜〜!!!!!!!」
 『お〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!』







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 そして―――
 「何でこんな事になっているんだ?」
 宴会の席にて。半眼でボヤくアルヴィスの周りでは・・・・・・
 「さ〜さ〜アルヴィス君。飲み物もうないでしょ? 注ぎますね〜?」
 「君は何をやっているんだいロラン? 僕のアルヴィスくんにあまり馴れ馴れしく近付かないでくれ」
 「あはは。でもやっぱ受けた御恩はちゃんと返しませんと。でもって隙あらば息の根を―――」
 「止めるな」
 「あーーー!! 何やってんだよオメーら敵だろ!! 俺らの宴会に加わってんじゃねえ!!」
 「フフ。口ではそんな事を言って、本音はアルヴィスくんを取られるのが悔しいんだろうギンタ?」
 「ぐ・・・!!」
 「さもしい根性ですねえ」
 「お前に言われたくはないだろうなギンタも」
 「まあまあそんな事は気にせず。ささ」
 「ってさらっと流してんじゃねえ!!」
 「そーよアル!! アルに近付いていいのはアタシだけなんだからね!!」
 「また出たねちみっこ。今日はどう調理してほしいんだい?」
 「ああだったらファントム! 僕に任せてくださいよ。
  さっそくこのプチストーンキューブで」
 「ちみっことかプチとかさっきっから黙って聞いてれば!! 妖精なんだからちっちゃくていいでしょ!?」
 「どうやらこのちみっこはダイナミックに攻めて欲しいらしいよ」
 「じゃあマグマスネイクで一気に行きましょうか?」
 「きゃあああああ!!! 助けてアル〜〜〜〜〜〜!!!」
 「オメーちびだからとか特権使ってさりげにアルヴィスに頬擦りしてんじゃねえよ!!
  だったらこっちもダイナミックに葬るぜ! 行くぞバッポバージョン3!!」
 『うわわわわわわ!!!』
 「落ち着くっスギンタ!!」
 「今宴会中でしょ!?」
 「じゃあ余興の1つって事で!!」
 「そもそもあんさん、一体誰倒すつもりなん?」
 「誰!? 誰・・・・・・誰。だれ・・・。
  えっと〜・・・・・・」
 宴会の席なのに、なぜかウォーゲーム以上の大惨事と化しそうな状況に、
 アルヴィスはため息をつき、アームを発動させた。
 「ダークネスアーム“カゴの鳥”」
 キン―――
 小さな鳥カゴの中に、一挙4羽のトリ―――頭の元凶らが収納される。
 「やれやれ。一時凌ぎとはいえこれで平和になったわね」
 安堵の吐息を洩らすドロシー。だが、





 ――――――真の騒ぎはこの後に起こった。





 音もなく立ち上がるアルヴィス。カゴの前に立ち、両手を―――両手に構えた
13トーテムポールなんとそのままの形を高々と掲げ、
 「せーのっ!!」
 『うわわわわわわわわわわわわ!!!!!!!!!!!』
 「ちょっとアルヴィスタイムタイム!!」
 「いくらなんでもそらヤバいで君!!」
 「ギンタが死んじゃう!!」
 『ファントム様ああああああああ!!!!!!!!』
 「正気に戻れアルヴィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ス!!!!!!!!!!!」



―――Fin












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 さってアニメはいよいよアル
vsロラン。いい男対決と目をつけていたらそれ以上ですかvv もー見ててうはうはモンでしたよvv
 そんな心底腐り切った考えはいいとして、展開はさっそくアルがピンチっぽく、この戦いは負けるだろうなあと思いつつ(そうしないとロランの出番なくなりますしね)なぜかどんなシチュエーションでもアルが勝つという不思議な事になってます。
 ロラン登場時は「をを!? またしてもアル
Loveっぽい人が!?」と思ったら何かライバル視してそう!? なのでロラン→ファントム→アルヴィスで行こうと思ったら・・・・・・なんで結局ロラン→アルヴィス状態になってるんでしょうね? ますますはた迷惑な人が増えた・・・Byアル。
 なお余談として、
Mr.フックの言葉遣いがわからん!! あれだけ特徴溢れていたのに、何が原因だかはっきりしてますが九州弁と混じる!! 『〜とね』とか使いかけた!!

2005.10.16