メルヘヴン、心の底から誤った鑑賞法
〜こんな展開だったらイヤだ〜





 



 「バッボ。お主の人格は現在、本来の半分となっておる。
  どれ、残り半分の記憶、わしが封印を解いてやろう」
 「む・・・!?」
 カルデアの長老、大ジジ様に抱え上げられ、バッボが目を見開き痙攣した。
 《なん・・・じゃ? 頭に、何か流れ込んで・・・・・・。
  そうじゃ・・・。思い出した・・・・・・。
  ワシはこやつを・・・・・・・・・・・・》
 “バッボ”の意識はそこで消え飛んだ。





 「おいバッボ!! 大丈夫か!?」
 バッボ突然の変貌に誰もが驚き、声を上げ近寄ってきた。まずはギンタ。そして・・・
 「バッボ・・・?
  ――――――うわっ!?」
 恐る恐る手を伸ばしたアルヴィスの体を、バッボのチェーンが絡め取った。
 「ぐぅっ・・・!!」
 「おいバッボ!! 何してやがる!!」
 「止めなさいバッポ!! アンタはそんな事を望んでるんじゃないんでしょ!?」
 必死に止めようとする一同。だがそんな些細な抵抗など気にならないのか、バッボはアルヴィスを拘束したまま別の機能を発動させ始めた。今のバッボにはないはずの機能―――ディメンション効果を。
 「アルヴィス!!」
 「バッボーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」





・     ・     ・     ・     ・






 「・・・・・・・・・・・・で」
 転移した。もちろん元の持ち主、ファントムの元へと。
 「お帰り、バッボ。
  そしてようこそ、アルヴィスくん」
 「む・・・? はてワシは何をしておったのか・・・・・・」
 レスターヴァ城にあるいつものイスでくつろぐファントムへ、アルヴィスは縛られたまま拳を振るわせた。
 震える声で呟く。
 「封印される前、最後の一瞬で刷り込んだ事がコレだ、と?
  お前他に考える事はないのか?」
 「うんv」





 これが、レスターヴァ城、ひいてはチェス存在最期の日の出来事。



―――Fin

 









 ―――第
378話カルデア編を観る度思うのですが、バッボの記憶というか人格封印って、解いていいんですか・・・? ファントムの私物に戻りますよ・・・?
 などという疑問を持っての話でした。しっかしこれ、多分1ページ漫画くらいにした方がテンポはいいのでしょうね。構成までは浮かびましたが、残念ながら描ける自信がなかったので
SSSにしてみました。

2006.1.8