メルヘヴン、心の底から誤った鑑賞法
〜こんな展開だったらイヤだ〜
「バッボ。お主の人格は現在、本来の半分となっておる。
どれ、残り半分の記憶、わしが封印を解いてやろう」
「む・・・!?」
カルデアの長老、大ジジ様に抱え上げられ、バッボが目を見開き痙攣した。
《なん・・・じゃ? 頭に、何か流れ込んで・・・・・・。
そうじゃ・・・。思い出した・・・・・・。
ワシはこやつを・・・・・・・・・・・・》
“バッボ”の意識はそこで消え飛んだ。
「おいバッボ!! 大丈夫か!?」
バッボ突然の変貌に誰もが驚き、声を上げ近寄ってきた。まずはギンタ。そして・・・
「バッボ・・・?
――――――うわっ!?」
恐る恐る手を伸ばしたアルヴィスの体を、バッボのチェーンが絡め取った。
「ぐぅっ・・・!!」
「おいバッボ!! 何してやがる!!」
「止めなさいバッポ!! アンタはそんな事を望んでるんじゃないんでしょ!?」
必死に止めようとする一同。だがそんな些細な抵抗など気にならないのか、バッボはアルヴィスを拘束したまま別の機能を発動させ始めた。今のバッボにはないはずの機能―――ディメンション効果を。
「アルヴィス!!」
「バッボーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
・ ・ ・ ・ ・
「・・・・・・・・・・・・で」
転移した。もちろん元の持ち主、ファントムの元へと。
「お帰り、バッボ。
そしてようこそ、アルヴィスくん」
「む・・・? はてワシは何をしておったのか・・・・・・」
レスターヴァ城にあるいつものイスでくつろぐファントムへ、アルヴィスは縛られたまま拳を振るわせた。
震える声で呟く。
「封印される前、最後の一瞬で刷り込んだ事がコレだ、と?
お前他に考える事はないのか?」
「うんv」
これが、レスターヴァ城、ひいてはチェス存在最期の日の出来事。
―――Fin
―――第37〜8話カルデア編を観る度思うのですが、バッボの記憶というか人格封印って、解いていいんですか・・・? ファントムの私物に戻りますよ・・・?
などという疑問を持っての話でした。しっかしこれ、多分1ページ漫画くらいにした方がテンポはいいのでしょうね。構成までは浮かびましたが、残念ながら描ける自信がなかったのでSSSにしてみました。
2006.1.8