メルヘヴン、心の底から誤った鑑賞法
〜こんな展開だったらイヤだ〜





 



 
5thバトル第2試合。ハメルンvsアルヴィスにて。
 ハメルンの奏でるアーム―――ソウルフルートが乾いた大地に響き渡る。
 そして・・・
 「くっ・・・!」
 一声呻き、アルヴィスがよろめきかけた。
 「どうしたアルヴィス!?」
 メル一同が驚きの声を上げる。何もされていなかった。不可視の攻撃か?
 心配げな一同に見守られ、かろうじて体勢を立て直す。だがその顔は、普段のクールさからは程遠い焦りを帯びたものとなっていた。
 「魔力が・・・吸い取られて・・・・・・。
  ん・・・・・・」
 まるで流出を防ぐように、辛そうな表情で両腕で己の体を掻き抱くアルヴィス。
 もちろんそんな事で防げるはずもない。
 フルートを吹きながら、ハメルンは口を笑みの形にした。





 「厳しい状況じゃのう。何とか打開策を考えなければ―――」
 「バ、バッボ・・・・・・」
 「む。なんじゃギンタ?」
 顔を向けるバッボへと、
 ギンタは言った。ソウルフルートを指差し。
 「次のバージョン、アレにしよーぜ!?」
 どごっ!!





 鼻血を垂らして何かを喚いていた馬鹿ガキを、戦闘中にも関わらず戻ってきたアルヴィスが殴りつけた。
 毎度恒例振り下ろした
13トーテムロッドを引っ込め、ため息をつく。
 「全く。お前は仲間のピンチに一体何を考えているんだ?」
 「自分のピンチより突っ込み優先させたあんさんに言われたないやろなあ・・・・・・」
 「というかアルヴィス・・・」
 「アンタ、魔力吸い取られてたのどうしたんッスか・・・・・・?」
 「・・・・・・・・・・・・あれ?」
 自分の体を見下ろす。もう何ともない。
 首を回しハメルンを見る。今だに吹いている。
 ぽんと手を叩き、
 「そうか。音が媒体なんだから、距離をおいて聞こえない位置まで下がればよかったのか。
  ありがとうなギンタ。お前のおかげで助かった」
 『・・・・・・・・・・・・』





 そしてアルヴィスはハメルンに勝った。



―――Fin

 









 ―――予告でアルヴィスの魔力が奪われるという話が出た時から、ずっとこんな事ばかり考えていました(爆)。割と普通でよかった。代わりにやはりどきどきするのはスィーリングスカル使用時ですか?
 そして今回鼻血を噴いたギンタ。ファントムでやると全く違和感がないのに(さらに爆)、分類上お子様といったギンタがやると恐ろしく違和感が・・・・・・。

2006.2.1