メルヘヴン、心の底から誤った鑑賞法
〜こんな展開だったらイヤだ〜





 



 「フフフフフフフフフフフフ―――っ!」
 恐らくメルヘヴン1含み笑いの似合う女キャンディス。実は彼女は割と特徴的な笑い方をする。吸って笑うのではなく―――笑って吸う。それも結構激しく。
 なのでこのようにぶつ切りの笑い方をするのだが、
 おかげで時折妙な誤解を受ける。





 「フフフフフフフフフフフフ―――っ!」
 
5thバトル第3試合、キャンディスvsジャック。今回もまた、キャンディスの笑いで対戦は始まった。
 「フフフフフフフフフフフフ―――っ!」
 尚も笑う。ジャックを見つめ口端を吊り上げ。
 「フフフフフフフフフフフフ―――っ!」
 ―――ぴたりと止まった。
 辺りが静寂に包まれる。
 そして・・・
 「行くよ」―――と言おうとして。
 「どうしたお前大丈夫か!?」
 「痰でも詰まったんスか!?」
 「ああこない砂嵐起こるトコで思いっきり息吸うから!!」
 「スノウ! 今すぐ回復だ!!」
 「はい!!」
 「・・・・・・・・・・・・?
  アンタたち、何そんなに焦ってんの?」
 自分にこれから倒されるからだろうか。それにしてはジャックではなく自分が心配されているようだが・・・。
 疑問符を浮かべるキャンディスを指差し、
 メル一同を代表しリーダーギンタが言った。





 「オメー今息詰まって笑い止めたんじゃないのか?」
 ・・・・・・・・・・・・と。





 「違うわよ!! 何でそうなんのよ!!」
 「いやだっていきなり止まったし!」
 「しかも『っ!』って! すっげー怖かったッスよ!!」
 「いつ吐くのかいつ吐くのか待っとったんやけど!!」
 「全然吐きそうにないから、これ以上放っておくと危険かと判断した」
 「大丈夫ですか? 遠慮しないで言ってくださいね?
  敵同士ですが怪我人病人を前にそんな事言ってられませんよね? ちゃんと治しますからね?」
 「大丈夫に決まってんでしょ!! 普通に喋ってるわよ今こうして!!」





 こうして、対戦は妙なスタートをきった。



―――Fin

 









 ―――キャン姐さん・・・。なんであんなに面白い・・・じゃなかった危なさそうな笑い方するんだろう・・・? 最初ぴたっと止まった時、本当に何か詰まったのかと思いました。

2006.2.1