メルヘヴン、心の底から誤った鑑賞法
〜こんな展開だったらイヤだ〜
「ファントム・・・。
わたし、やられちゃったよ・・・。ごめんなさい・・・・・・」
5thバトル終了後、十三星座反省会にて。
落ち込むキャンディスに、ファントムはにっこりと笑った。
「いいよ。気にしないで、キャンディス」
「え・・・・・・?」
呆然と、顔を上げる。それはつまり・・・・・・
「制裁して・・・くれないの・・・・・・?」
「ん?」
咎めるように、キャンディスが口を尖らせ上目遣いで問うてくる。
「つまり?」
質問の意図を察し兼ね、笑みのまま困るファントム。
キャンディスは、口元で指を絡めもじもじと言った。
「わたし・・・、ファントムに怒られたいな・・・・・・vv」
『・・・・・・・・・・・・』
なぜだろう。部屋中にビュウウウウ・・・と寒い空気が走ったのは。
しかしながら、ファントムは脅威の精神力にて笑みを崩さなかった。笑みのまま、告げる。
「制裁受けたい?」
「うんvv」
「じゃあダメ」
「え?」
「何もしないのが、君への制裁だよ、キャンディス」
「そんな・・・・・・!!」
崩れ落ちる、敗北者キャンディス。
他の者が、ファントムの手腕に心の中で拍手を送る中、はたとキャンディスが立ち直り、
「そんなファントムも、ス・テ・キvvv」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
肉体のみならず、精神面からMな彼女に罰を与えるのは難しい。
―――Fin
―――多分キャンディス、ファントムにされる事なら何であろうが喜ぶと思ふ。
2006.2.26