メルヘヴン、心の底から誤った鑑賞法
〜こんな展開だったらイヤだ〜
注:これはギンタの夢の中です。
ついに最後の戦い―――ファントムとの対戦となった。
強大な力を持つファントムに苦戦するギンタ。そこへ、仲間が現れた。ジャックが、そして・・・・・・アルヴィスが。
発動させた13トーテムポールの影から現れたアルヴィス。ファントムと向き直り、己の誓いを立てる。
「敗北は、しない!」
アームをロッドバージョンに変え、ファントムへと直接攻撃をかけた。
避けるファントム。だがその顔に全く焦りは浮かばず・・・
カツン・・・
「・・・っ!」
軽い身のこなしで、ファントムはアルヴィスの突き出したロッドの上に飛び乗った。
アルヴィスの動きが止まる。驚きの表情を浮かべる彼に薄く笑い、ファントムは右手でその顎を上げた。
触れ合うほど近くで見つめ合う。あの時と同じ瞳。穢れを知らない、澄んだ瞳を。
「強くなったね」
囁き、さらに顔を近付けた。鼻が当たらぬようずらし、開かれた唇へと触れ―――ようとして。
「っ―――!!」
かろうじてアルヴィスがかわした。ロッドを振り払い、よろけるように後ろに下がる。
ファントムもまた跳び退り、
―――攻撃に転じる。
迫り来るファントム。動揺するアルヴィスに反撃の目処は立たず、ただ後ろに下がって逃げる事しか出来なかった。
壁に当たり、それもそこで止まる。
「でも、まだかな」
再び超近距離で対峙。囁きながら抜き手を固めるファントムに、アルヴィスはもう武器を構える事も出来ずに――――――
「アルヴィスーーーーーー!!!!」
・ ・ ・ ・ ・
己の叫び声で目が覚めたギンタ。朝食の場で、さっそくそれを大声で話した。
「―――っつー夢見ちまったんだ!!
ヘンにリアルだったし、正夢になるかもしれねえ。気をつけろよアルヴィス」
『・・・・・・・・・・・・』
聞かされた一同が沈黙する。見やるは、頬の筋肉とフォークごと拳を震わせるアルヴィス。
みんなに見られ、アルヴィスはやはり震える声で返した。
「お・ま・え・は・・・・・・」
叫ぶ。
「なんで夢とはいえ俺がファントムに迫られてうろたえるなんて事態を考える!? そんな事あるワケないだろ!?」
「あ〜やっぱプライド傷ついたんだ〜・・・」
「しかもファントムの妄想ならいつもの事としても・・・」
「ギンタにまでそんな風に見られたんじゃあ・・・」
「そらアルちゃんショックやろな〜・・・・・・」
「なまじ夢な分タチが悪いのう。ギンタは無意識でもそう思っていたようじゃな」
「五月蝿いぞギャラリー」
『すみませんでした』
夢を現実にしたいのか(大前提が多少異なる気もするが)、アームを握り締めアルヴィスがギンタに向き直った。
一度は叫んだものの、脅威の忍耐力で冷静さを取り戻し悠然と微笑む。
「・・・で、そんな夢を見お前は何をやりたいんだ?」
「ファントムにンな事やらせんのはぜってー許せねえ!! だったらその前に俺がやる!!」
ギンタはとても素直だった。拳を固めそんな主張をする彼に、アルヴィスはただ微笑むだけだった。
「そうか。
じゃあ―――」
微笑み、魔力を練り上げる。
「命がけで迫ってこいよギンタv」
「へ・・・・・・?」
・ ・ ・ ・ ・
うぎゃあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・・・・
ギャラリーが避難した部屋では、悲鳴が聞こえ、そして消えた。
―――Fin
―――まだ他の人ならともかく(ともかく?)、健全だろう中一男子が、男が男に迫られる夢を見るってどういう事ですか? スノウのデコちゅうよりずっと力が篭っていたように感じるのですが・・・。
そして54話予告と合わせ、基本黒属性のアルが、ダンナを始めとした一同とベルを除き唯一白っぽくなるのがファントムだったのですね。今まで黒さ全開にしていましたが、これを機に黒ファン×白アルに〜・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・なれるワケはありません。
2006.4.17