メルヘヴン、心の底から誤った鑑賞法
〜こんな展開だったらイヤだ〜





 



 続・スノウが攫われた。もちろん一番焦ったのは共に戦っていたメルチームである。
 第五試合などそっちのけで助けに行こうとしたギンタの背後から、イアンの攻撃が迫る!
 「うあっ!!」
 吹っ飛ばされたギンタとバッポ。倒れる彼らに、審判から更なる追い打ちがかけられた。
 「このままレスターヴァ城に向かわれた場合は、
6thバトルは棄権試合となり、メルチームの負けとなります。
  それでもよろしいのですか?」
 ポズンに尋ねられ、
 「っ・・・!!」
 ギンタは歯軋りをし止まった。ここで自分達が負ければ、せっかく今は止まっているチェスの進撃が再開してしまう。
 苦渋の選択を迫られるギンタ・・・・・・だったが。





 「つまり俺たち―――ギンタ以外が行く分にはなんの問題もねえんだな?」





 ぽんとアランが拳を叩いた。それを合図に、アルヴィス・ドロシーも動き出す。哀しい事に、この場に制止役を務められる者はいなかった。
 「そういえばそうですね。
  ―――ならさっさと連れて行け審判」
 「え・・・? あのちょっと・・・」
 「じゃあギンたん。試合頑張ってねvv
  アタシたちはスノウ助けに行ってくるね〜vv」
 「よろしいんですかそれチームとして!?」
 「チームにおいて必要なのは、各々の役割を全うする事だ。
  俺たちはスノウを救出する。お前は試合を頑張れギンタ」
 「応援は出来ないけど、ギンたんの勝ち信じてるよv 頑張ってvv」
 「というかそれは、
  ・・・面倒なところをギンタに任せ、その間自分たちはオイシイところを掻っ攫うという宣言では・・・」
 「何か言ったか?」
 「いいえ何も」
 いつの間にか目の前まで着ていたアルヴィスに
13トーテムロッドを突きつけられ、賢いポズンは己の意見を取り下げた。
 他の2人もそちらに移動してくる。
 「では―――
  アンダータ! 彼らをレスターヴァ城へ!!」
 「ちょっと待ってくれよ!!
  俺は〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!???」





・     ・     ・     ・     ・






 こうして、チェスは滅ぼされ事態は解決した。レスターヴァ城に乗り込んだアラン・アルヴィス・ドロシーの手によって。
 メルヘヴンを救った英雄として祭り上げられる3人。
 ―――の後ろでは、異世界からわざわざ呼ばれいろいろやらされた挙句全く何の活躍も出来なかった少年が、空へと吠えていた。





 「俺って何だったんだよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!??????」



―――Fin

 









 ―――ポズンのあの説明、つまり
ギンタ以外は行って良しと聞こえたのですが・・・・・・行かないんですねえ。

2006.5.14