メルヘヴン、心の底から誤った鑑賞法
〜こんな展開だったらイヤだ〜





 



 『東京』にて。
 最後まで行方不明だったアルヴィスは、少女ことみを可愛がる優しいお兄ちゃんとなっていた。





 「俺が守るべきものは、ことみだけだーーー!!!」
 ことみを守るため、自分たちを迎えにきた死神ことギンタに
13トーテムポールを発動させるアルヴィス(注:アルヴィス視点)。
 それらをかいくぐり、ギンタのハンマーアームがアルヴィスの記憶を奪うピアスを破壊した!
 耳元を掠めるハンマーに押され、アルヴィスの体が後ろに倒れ込む。それを追い、ギンタは仰向けとなったアルヴィスの上に着地した。
 役得で四つん這いに跨り、アルヴィスを真下に見下ろし静かに吠える。
 「こんちゃんを守れなくて悔しい思いすんのが、自分だけだと思うんじゃねえ・・・・・・!!」
 それは、ギンタの切実な思い。辛すぎる過去。
 幼いあの頃、かくれんぼで隠れた先で発作を起こしていたことみを、ギンタは見つけてあげる事が出来なかった。
 涙を流し、思いをぶちまけ・・・・・・





 「・・・・・・・・・・・・アルヴィス?」





 ・・・・・・全く何も返って来ない反応に、ちょっと淋しくなり目を開く。
 見下ろすアルヴィスは、





 きゅぅぅぅぅぅぅぅ〜・・・・・・☆





 気絶していた。





 「アルヴィス!? おいアルヴィス!?」
 どうやら倒れた時頭を打ったらしい。呼んでも揺すっても全く目覚める気配がない。
 ギンタの顔が、サ―――・・・と青褪める。
 「冗談、だろ・・・・・・?」
 メルヘヴンで敵ならまだしも、『東京』で仲間を殺した。しかも過失であることみの時とは違って明らかに自分が悪い。
 「おい起きろよアルヴィス!! 俺こんなんで人殺しになりたくねえよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!」





・     ・     ・     ・     ・






 そんな、ギンタの願い―――よりは騒ぎを聞いてかけつけたみんなの応急処置のおかげで、何とかアルヴィスは無事生還を果たす事が出来た。
 記憶を奪われている間の事は全く覚えていないアルヴィス。覚えているのは、
 ―――ギンタに暴力を振るわれ生死の境を彷徨った事。





 「な〜アルヴィス〜。悪かったってばよー・・・」
 「お前は2度と俺に寄るな!」
 「そ〜んな〜!! アルヴィス〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!」



―――Fin

 









 ―――・・・で、オフィシャルはファンアル・ナナアル・ギンアルどれを推奨しているんでしょうかねえ? まさかベルまで肯定(しかし反対)派に回るとは・・・・・・!! 恐るべしメルヘヴン。
 という事で、今回はむしろ逆にそういったものを抜きにしたネタで勝負しました。しっかし・・・・・・こういうのはコソコソ妄想する事により快感を覚える派には、あっけらかんと言われてしまうとどうしても引いてしまうものが・・・・・・。

2006.6.22