メルヘヴン、心の底から誤った鑑賞法
〜こんな展開だったらイヤだ〜





 



 「忘れたのかロラン。人間は限りある命の中で、新しい命を育む事が出来るって事を。
  それは永遠に屍として徘徊する事よりも、素晴らしい事なんだ」
 そんな事を言うアルヴィスに目を見開くロラン。
 そして・・・・・・





 ブフッ―――!!
 「どうしたのよファントム!! いきなり鼻血なんて出しちゃって!?」
 こちらレスターヴァ城では、ファントムが大変な事になっていた。
 驚き引くキャンディス。いくらファントム
Loverでも、突発的に鼻血を噴出しながらイスから転げ落ちる彼には引くしかないようだ。
 自力で何とかイスまで戻り、
 「ね、ねえキャンディス・・・。今の聞いた?」
 「聞いた・・・けど?」
 端的に言えばアルヴィスによるファントム扱き下ろし大会。ロランもまともに聞いてしまっている時点で、彼女の中でロランのランク(もちろんファントムを巡るライバルとしての)はがんごん下がった。
 だが・・・・・・
 ・・・・・・それでどこに感動ポイントがあったのだろう。それもファントムにとっての。
 キャンディスが疑問に思う通り、ファントムはなぜか赤い顔で照れていた。それも嫌な部類ではなく、本当に嬉しそうに。
 首を傾げる彼女に、
 ファントムは言った。





 「アルヴィスくん!! そうか君は僕との間に子どもを作りたかったんだね!?」
 「はあ・・・・・・?」





 わ〜いvv も〜そう言ってくれればいつでも準備万端なのにvv
 ・・・と浮かれまくるファントムを見、キャンディスはただただ目を点にするしかなかった。
 呆然としている間に試合が進む。



 《止めるんだロラン! 目を覚ませ!
  ファントムは歪んでいる! なぜそれに気付かない!?》



 (まあ確かに、歪んでるかもね・・・・・・)
 これが、キャンディスが初めてアルヴィスに同意した瞬間である。



―――Fin

 









 ―――今回の放送でのザ・ベストオブファンアルはやはりこの台詞でしょう! 育みたかったんですか、新しい命・・・。だから妊娠不可能になる生ける屍になるのは嫌なんですかアルヴィス・・・。始終ファントムに対し罵詈雑言を吐きまくる中、この台詞だけが異様に私の中では光り輝きました。
 という事で。
 生ける屍って子ども産めないんですか? 体の中の成長(=老化)が止まるから胎児も生きられないんですかね。そうか。だからキャンディスはタトゥーを刻まれなかったのか・・・。
 ・・・・・・などという勝手な理論を元に、次は話を作ろうと思います。今回これ以上語りませんがファントム救済話を・・・・・・。

2006.8.17