メルヘヴン、心の底から誤った鑑賞法
〜こんな展開だったらイヤだ〜
露天風呂にて。タオル1枚のアランとガイラが何やら騒いでいる。
極めて冷めた横目で見やりながら、
ロコは溜息をついた。
「全く、五月蝿い連中が来ましたね。リラックスタイムが台無しです」
「じゃあアチシたちも楽しむにゃー!」
「ふえ・・・?」
いつの間にか隣に来ていたシャトン。にこにこ笑ってそんな提案をして、
・・・・・・ロクな事をしないのはお約束だ。
「それー!! こちょこちょにゃ〜vv」
ばしゃばしゃお湯を跳ね散らかし、シャトンがロコの体中をくすぐり出した。
「止めて下さい。怒りますよ」
「止めないにゃ〜!」
ロコの警告を無視しますますシャトンが調子に乗る。
「う・・・」
さらに奥に手を突っ込み様々なところに触れ、赤くなったロコを見て楽しみ。
―――そんな事をやっていれば、返ってくるものもまたお約束。
「ダークネスアーム“呪いのハンマー”
・・・・・・だけ」
「ちょちょちょちょ〜っと待つにゃロコ!! 話せばわかるにゃ!!」
慌ててシャトンが手を引く。だが既に遅し。
「全くわかりません。さようならシャトン」
ガン!!
逃げるシャトンの後ろ頭をハンマーが襲う。腕全体を振り投げられたハンマーは、狙い違わずシャトンの頭に当たり彼女を湯の中に沈めた。このハンマーはあくまでスパイクを打ち込み呪いを発動させるためのものであり決してウェポンアームではないのだが、そういえば最近、本来の使い方を全くしていないような気がする。
シャトンがぶくぶくと沈み・・・
・・・一応かろうじて溺死する前に起き上がった。こちらはこちらで慣れて来たらしい。
「あのさ〜ロコ」
「はい。何でしょうシャトン」
「あちしたち、いちおー恋人なんだよにぇえ?」
「そう言うのはシャトンだけですが」
再びシャトンが軽く沈む。
軽かったので素早く生還し、
シャトンは疑問を告げた。ここ最近ずっと訊きたかった質問を。
「んじゃあ・・・
――――――なんであちし、いっつもこんなに殴られてんの?」
ロコは頷きもしなかった。
ただ指差す。
「私はあの人たちを見習っているだけです」
指差す先に、
それはいた。
「逢いたかったよアルヴィスく〜んvv さ〜いっしょにお風呂入ろうね〜〜〜〜・・・・・・vv」
「13トーテムポール」
どごどごどごっ!!
「くはっ!!」
「ああファントムか。どうしたんだ? 遺書がどうのこうのと。まだ用意してなかったのか?」
「いや・・・、そんな話欠片もした覚えないっていうかむしろその後の内容の方が重要だったのになんでそっちは軽くスルーしてそんなピンポイントな台詞だけ聞いてるのか不思議でたまらないんだけど・・・・・・」
「ああ不思議だったな。以上」
「うっうっうっ・・・。僕ただの出損・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・」
「と、いった感じです」
ロコの解説が終了した。と同時、そちらに首だけ向け呆気に取られていたシャトンが彼女の肩を掴みがくがく振り回した。
「ダメにゃダメにゃダメにゃロコ!! アレは悪い見本にゃ!! ロコは真似しちゃダメにゃ!!」
「―――いいやそんな事ないよな〜ロコ?」
「ひぅっ―――!!」
突如第三の声が掛けられた。掛けたのは―――満面の笑みを湛えたアルヴィス。
離れていったシャトンを見送りもせず、湯を掻き分け近寄ってきたアルヴィスは笑顔のままうんうん頷いてみせた。
「意思表示はしっかりしないとな。甘やかすと付け上がるだけだしな」
「全くです」
「というワケで、お互い頑張ろうなロコ」
「はいです、アルヴィス」
・ ・ ・ ・ ・
こうしてここに、1つの友情が芽生えた。
そしてこちらも・・・・・・
「酷いにゃ酷いにゃロコ〜〜〜!!! あちしってものがありながらアルヴィスなんかと〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「なんかとは何さなんかとは!! アルヴィスくんはカッコかわいく気高く優しく美しいんだよ!?」
「それだったらロコだってーーー!!」
・・・・・・友情は築けていなかったらしい。まあ築けたところで勝ち目は全くなさそうだが。
―――Fin
―――シャトン、一体ロコのどこ触ってました・・・? お湯に突っ込む手の角度と長さ考えると、胸とかの生易しいレベル超越してると思うのですが・・・・・・。
そんな感じの18禁にも心惹かれましたが、まあ(出来)ないものねだりはせずこんな路線に行ってみました。かつてアルヴィスに脅されてロコが従う構図はいろいろ書きましたが、この2CPだと2人に友情が芽生えられる事が判明。そのまま相手2人とあとついでにその他全ての人を言いなりにさせると戦争が終結しそうです。この2人なら本当にやれそうなのがやけに怖いです。
・・・という事でメルヘヴン久々の更新かつさらに久々のファンアル。今回のアルによるファントム全否定発言オンパレードショックがまだ抜けませんが、となればもう中途半端な甘さは諦めいっそこの位はっちゃけちゃえ!
といったノリでファントムが動いてます。ああ早くショック克服用の話書かないとな〜・・・と心の中で決意を固めつつ、以上そんなリハビリも含む話でした。
なお余談。「それだったらロコだって―――」・・・の次の台詞が出てきませんでした(爆)。そういえばシャトンにとってロコってどの辺りが魅力的なんでしょうね・・・?
2006.9.18〜19