『ねえねえおチビ! 生き物って凄いんだよ!?』
『イキナリ何?』
『生き物ってね、自分の命と引き換えに1つ奇蹟が起こせるんだって!』
『・・・・・・はあ?』
『だから奇蹟だって! ぜったい叶いそうもない事でも神様が叶えてくれるんだって!』
『ふーん・・・・・・』
『―――ってありゃ? おチビあんま反応しないね』
『願いなんて自分で叶えるもんでしょ? 「神様」なんて頼らず』
『相っ変わらず冷たい〜〜〜!!!』
『わかってんならのしかかんの止めてよ! 重い!!』
1ヵ月もたってなかったと思う。そんな話を英二としてから―――英二がそれを証明するまで。
奇蹟 〜I love you forever.Do you?〜
いきなりの事だった。部活中におチビが倒れた。
暑かったし、練習キツかったから、熱射病か何かかと思ってた。
運ばれた病院で緊急入院になって、
俺は初めておチビの『病気』を知った。
おチビは小さい頃から病気があって、
今までは薬で誤魔化してたけど、ついに脳の方まで広がったらしい。
何とか命は繋ぎとめたけど、
脳の一部が損傷して下半身が動かなくなった。
それで―――
「おチビ!!」
「―――誰?」
目覚めたおチビの中に―――俺はいなかった。
ずっと一緒だと思ってた。
『人の気持ちは不安定だ』なんていうけど、そんな事が『わかる』ほど大人じゃなくて。
だから、ガキなりに『今』が永遠に続くと信じてた。
―――もう、涙も流れない・・・・・・・・・・・・。
・ ・ ・ ・ ・
「―――越前の記憶についてわかった事が2つある」
数日後。部室に集まったレギュラーらを前に乾がノートを広げていつも通り淡々と話し始めた。
「2つ?」
何も言う元気のない英二に代わって不二が首を傾げる。その隣で英二は虚ろな眼差しを宙に彷徨わせ続けていた。
「ああ。1つは越前の記憶障害は脳の損傷によるものではない、ということだ」
「―――!
じゃあもしかして―――」
何に気付いたか口に手を当て驚く不二。浮かんだ希望をを肯定するように乾が頷いた。
「つまりは精神的なものだ」
「やったじゃない! 英二!!」
「え・・・・・・・・・・・・?」
わけがわからずようやく顔を上げた英二の肩を掴み、不二が珍しく興奮していた。
目を見開いて笑みを浮かべる不二に、さすがに引く。
「ど、どったの、不二・・・?」
「英二! 越前君の記憶、元に戻るかもしれない!!」
「え・・・?」
「つまり越前は『忘れた』だけだ。記憶を『無くした』わけじゃない。元に戻る可能性は充分考えられる」
横から掛けられた手塚の解説を聞き、英二の目に生気が戻った。
「―――それホント!!?」
がたん! と音を立ててイスから立ち上がる。
「でしょ!? 乾!!」
メイツ2人が―――いや、表面に表す程度は違うが誰もが期待に満ちた目で見つめる中、乾はノートに目を落とした。目を落とす―――振りをして、全員から視線を逸らす。
「それを考える前に、もう1つの方を言っておこう。越前の記憶障害―――平たく言えば記憶喪失だが、それは『全てを忘れた』のではない」
『え・・・・・・?』
「忘れ方に差が大きい。人にしろ物事にしろ、完全に『忘れた』ものもあれば全く持って『忘れていない』ものもある」
「どういう、コト・・・っスか?」
「最初は完全な記憶喪失かと思われていたが、越前の言動に矛盾点が見られたためご家族の方が中心となってここ数日で様子見をした。その結果―――」
彼には珍しく一呼吸おく。
「その結果としてわかった事。越前が『忘れた』点は1つ―――テニスに関して、だ。
テニスとは何の関係もない母親や従姉の方は覚えていた。クラスメイトや学校での知り合いも同じく。
部活の友人、あの1年達や2・3年も多少のあやふやはあったが特に問題はなかった。
越前が忘れている事はテニスをしていたという事実、そしてそれに関係するもの全て。つまり―――父親の南次郎さん、今まで対戦した他校の者、そして俺たちレギュラーらだ」
「そんな事、あるんスか・・・・・・?」
粘つく空気を押しのけるように、海堂が尋ねた。だが頭の中では誰もが思ったことだ。
そんな半端な『記憶喪失』があるのか?
「これは俺の推測だが、一応ご家族や医者などには納得してもらった。
原因はやはり下半身不随ではないだろうか。下半身が―――足が動かなければテニスは出来ない。車椅子でももしかしたら出来るかもしれないが、今まで通りのプレイは絶対に無理だ。
越前にとってテニスはただの部活の1つ、運動の1つではない。だからそんな状況に耐えられなかった。自己防衛の1つの方法として『逃避』というものがあるが、越前はテニスをしていたという事実ごと全てを忘れてしまうことでこれを図ったのではないだろうか?」
「逃避?」
「よく恐ろしい目に遭った者がそれに関して何も憶えていないということがあるだろ? あれは思い出すことで精神に影響を与えないようにするためだ。
だが越前の場合足が動かないという『事実』を変えることはできない。だからこそテニスをしていたという『認識』を変えたのではないだろうか?
そして、さらにこれを助長する問題がある」
「―――人間関係、か・・・・・・」
「どういうことっスか・・・?」
「幸か不幸か越前はテニスを介した人間関係が多い。平たく言えば友人のほとんどがテニス繋がりだということだ。俺たちのようにな。そして越前はそれ以外での人間関係をあまり持っていない」
『・・・・・・・・・・・・』
手塚の指摘に全員が黙り込んだ。リョーマの人付き合いの悪さは全員が承知している。そんな彼が唯一まともに接するのがテニスの相手となれる存在だ。それ以外―――1年トリオを例に出すまでもないだろう。彼からの干渉は笑えるほど少ない。
「つまり・・・思い出させるとっかかりがない、っていう事?」
「そうだな。かろうじて南次郎さんのことはおぼろげながら覚えてはいるようだが、あくまで父親としてだ。テニスの事に関しては全く覚えていない。
それに―――」
「思い出させないほうがいいんじゃないか・・・そういうことかい?」
乾の言葉を遮って、英二の逆隣に座っていた大石が重い口を開いた。
「そう。『逃避』は自己防衛のためのメカニズムだ。無理やり思い出させれば越前に悪影響を与える」
「どゆ事?」
「テニスを思い出せば自分が2度と出来ないことも思い出す。ならいっそ思い出させないほうがいいんじゃないかな・・・・・・」
言いながら、大石の声はだんだん小さくなっていった。最適かどうかはわからないが、これも処置法の1つだ。だがこれは・・・・・・同時に英二のことを一生思い出させないことも意味する。
それを理解したのだろう。生気の戻りかけていた英二の目がまた虚ろに戻る。
「英二・・・ごめん・・・・・・」
隣で不二もまた視線を落とした。半端な期待をさせ、そしてまた突き落とした。与えたショックは決して小さいものではないだろう。もしかしたら2度と上がれなくなるような・・・・・・。
「ううん・・・不二が悪いわけじゃないし、アリガトにゃv」
そんな不二を気遣ってか、にっこり笑い明るく言う英二。だがたとえ彼がどんなに隠そうとしても、いつもとの違いは明らかだった。
「英二・・・・・・」
「―――先輩、質問なんスけど」
重苦しい沈黙の中、桃がおずおずと手を挙げた。
「越前って『忘れた』だけっスよね。それ以外頭に異常はないんでしょ?
じゃあ『思い出させる』じゃなくて『作り直す』っていうのはアリなんスか?」
桃の言葉にはっとする一同。
「なるほど。その手があったか・・・・・・」
「へ・・・?」
「英二! もう一度越前君とやり直そう!」
「はにゃ・・・?」
「大丈夫! 英二ならいける!」
「それってつまり・・・・・・」
「英二先輩初めてのやつと打ち解けるの得意ですもんね。すぐに越前とも仲良くできますよ!!」
「テニスは出来ないかもしれませんが、それ以外でも英二先輩なら話題には困らないでしょう」
「それに今なら部活の先輩としてお見舞いに行くって口実もあるしね」
「―――!」
みんなの声援を受け目を徐々に見開いていく英二の背を、最後に手塚が押した。
「言って来い菊丸。お前は壁にぶつかったからといってすぐに諦めるような奴ではないはずだ」
「―――にゃ!!」
おチビとまた一緒にいられるの?
また一緒に遊んで、
また一緒に笑って。
そんな事―――本当に、またできるの・・・・・・?
・ ・ ・ ・ ・
みんなが予想したとおり、英二はその後すぐにリョーマと仲良くなった。
人付き合いの良さなら誰にも負けない自信がある。初対面の人ともすぐ仲良くなれる。そんな英二は、リョーマの心もまたあっさり掴み取ることに成功した。
入院中というのがこんなところで幸いし、暇なリョーマには英二の話は嬉しいものだったのだ。
だが・・・・・・・・・・・・
「―――そんでね、不二がまたいじわるでさ〜。『1ゲーム対決で僕に勝てたら宿題見せてあげるv』なんてさ〜。無理だっての。しかもそんなときに限って遠慮なくトリプルカウンターとか使うし!」
「ふ〜ん・・・」
「・・・ってありゃ? 話つまんなかった?」
手振り身振りを付けて面白おかしく話す英二。だがそれに応えるリョーマの声は浮かないものだった。
「そうじゃない、けど・・・・・・」
「けど?」
「菊丸、先輩って―――」
「英二でいいってv」
「英二・・・せん―――」
「だから『英二』v」
「けど先輩なんでしょ? 一応」
「一応って・・・・・・そりゃ先輩っぽく見られたことあんまにゃいけど〜・・・・・・」
「あ、すんません」
「・・・・・・・・・・・・」
「?」
「ん、んにゃ! にゃんでもにゃい!」
こんな時、ふと感じる『以前』のリョーマとの差。先輩後輩一切構わず『英二』と呼び、2人きりのときは私語で話し、そして謝る事などめったにせずよりボロクソに言い放つ。
テニスがなければ自分との関係は完全に0なのだと、改めて見せ付けられるようで。
それでも英二は笑って首を傾げて見せた。全ての表情を、滑稽な顔に隠すピエロのように。
「んで?」
「あ、英二ってテニス部の先輩、なんスよねえ?」
「そだけど?」
「じゃあ、俺もテニス部にいたんスよね」
「う・・・うん」
(ちょっと・・・マズイかにゃ・・・・・・)
記憶は無理に引き戻すことはないと、それで全員の意見は固まった。記憶喪失云々を知る前に割とみんなで見舞いに行ったため、彼がテニス部にいたことは既に知られている。だがそれについて今まで尋ねてこなかったためうやむやのまま今日までいたのだが・・・。
リョーマとの話題というと必然的にテニス絡み―――たとえ直接のものではなくとも、それに関連したもの、特に人間をネタにしたものが多くなる。
「俺って、テニスやってたんスか・・・・・・?」
(来た・・・・・・)
誰もが最も恐れていた質問。ここでの答えが後の彼に少なからず影響を与える。
言うべきか。言わないべきか。
出来るならば、言ってしまいたい。
リョーマが青学のレギュラーである事を。
テニスが凄く上手い事を。
そして―――
そんな中で、自分と付き合っていたという事を。
(言ったらどうなるんだろうね)
思い出してくれるのだろうか。彼は自分の事を。
現実に苦しみながら、それでも以前と同じ目を自分に向けてくれるのだろうか?
だとしたら、言ってみたい。
言って―――もう一度自分を見て欲しい。
だが―――
「うん。やってたよ」
そう答える英二に不自然さは全くなかった。
「けどまだおチビ1年だからさ。球拾いとか素振りとかそんなんばっか。でもって遅刻とかしょっちゅうしてたし、悪い子だったぞ〜おチビは!」
そう言ってリョーマの額にでこピンを食らわす。
「何かヤな言い方っスね〜・・・」
額を押さえて睨みつけるリョーマに英二は明るく笑った。
事前に乾に言われていた事を思い出す。リョーマにとってのテニスの価値を下げる事。『ただの部活の1つ』なら真剣に思い出す必要もない。
事実を隠し、他の1年同様に扱う。不自然に見えないよう何度もこの言葉を練習した。
それでも・・・・・・
「ふ〜ん。そーなんスか・・・・・・」
その言葉を信じ、あっさりテニスへの興味を無くすリョーマを見て、
英二はまた胸の奥に突き刺さる痛みをごまかし笑った。
「そ〜そ〜。そ〜いえばさ〜・・・」
おチビが『懐かしい』。
おチビはここにいるのに。
それでもこの気持ちは拭えなくて。
今の『おチビ』と以前の『おチビ』がイコールで結べない。
どっちが本当のおチビかわからない。
ねえ、本当のおチビはどれ?
今?
以前?
それとも―――俺は見た事ない?
自分の中で、何かが軋んでいく。
現実と夢想の錯綜。
認識の消失。
自分を取り巻く世界そのものが、そして何よりも自分自身が不透明になっていく中、
想う事はただ1つ。
<『おチビ』に、逢いたい・・・・・・>
・ ・ ・ ・ ・
リョーマは順調に回復していき、車椅子だが外にも出られるようになった。
「おチビ〜! 外行こ外!」
「外・・・って、ドコに?」
「ひ・み・つ、だよ〜ん。俺いいトコ知ってるんだよねv」
「はあ・・・・・・」
昨日、みんなに会った。
みんな俺がまたおチビと『仲良く』やってるのを知ってて、
また、以前みたいに戻るんだって喜んでくれた。
けどね、
戻らないんだよ、一度なくしたものは。
もしかしたら戻せるのかもしれない。けど俺はそこまで強くはないんだ。
『ばいばい』
聡いみんななら、意味、わかったよね・・・・・・?
ごめんにゃ。全国行けなくって。
リョーマを連れて来たのは病院の裏にある崖。
ここまでは上り坂で道もあまり整備されていないため人はそうそう訪れないが、ここからの見晴らしは病院の窓からの切り取られた景色よりも遥かに壮大だ。
「すごい・・・・・・」
目の前いっぱいに広がる海。空の碧と海の蒼。境界線が混ざって見える。
滑らないよう車椅子のタイヤを固定してから、英二は転落防止用の柵に腰をもたれ掛けさせ、リョーマと向き合った。
優しくリョーマを見つめ、語る。
「おチビ、覚えてる? ・・・って覚えてるわけないか。
前ね、俺とおチビでこんな話したんだよ。
『生き物は自分の命と引き換えに1つ奇蹟が起こせる』って、そんな話」
「何を・・・・・・?」
訝しむリョーマ。だがそれを無視して英二はとつとつと話し続けた。
「こんな俺の願い聞いてくれる神様なんているのかわかんないけどさ。
それでも・・・・・・
もしも本当に奇蹟が起こせるなら、俺はおチビの足が動くようになってまたテニスが出来るようになることを願うよ」
それだけ言って、柵を後ろ手に掴み体を跳ね上げさせる。
「ちょっ! 危ない!!」
柵の上に立つ英二にリョーマが制止を掛けた。が、英二はその上で笑うだけだった。『いつも通り』の―――本当に楽しそうな笑顔で。
「ばいばい! おチビ!!」
「―――!!!」
手を振って、体重を後ろにかける。後ろには崖。落ちればまず助からない。
それでも・・・・・・落ちていく英二はただリョーマを最後までその瞳に焼き付けるだけだった。
「英二!!」
駆け寄ろうとして、両手で体起こしたところで倒れるリョーマを。もがきながらも手だけで体をずりずりと引きずるリョーマを。すられた体から、引っかき剥がれた爪から出た血で石に跡をつけながら、それすらも気付かずに叫び続けるリョーマを。
―――全てが変わる前のように、自分の事を呼び捨てで呼んでくれるリョーマを。
愛しげに眺め、そして英二は幸せそうに目を閉じた・・・・・・・・・・・・。
ごめんね。弱い俺で。
本当ならおチビが生きてる事喜んで、それでまたやり直さなきゃいけないのに。
俺わがままだから、耐えられなかったよ。
けど、
『おチビの足が動くようになってまたテニスが出来るようになること』、本当に願ってるよ。
だからおチビはみんなと全国行ってね。
それで―――
俺なんかよりもっと強いヤツ見つけて、
幸せに、なってね。
・ ・ ・ ・ ・
「いよいよ最後だ。みんな、全力で行こう」
『おう!』
全国大会の決勝、最後のミーティングで手塚の言った極めて短いアドバイスに全員が頷いた。彼も―――その中の1人。
「越前君。頑張ろうねv」
「越前、油断はするなよ。―――まあお前ならば大丈夫だとは思うが」
「越前! 情けねー格好はさらすなよ!」
「それはお前だろ・・・・・・」
「んだとコラ〜!!」
「しゅ〜・・・・・・」
「2人とも止めないか!
え、越前。ま、まあとりあえず無茶はするなよ」
「え〜っと、越前。みんなも応援してるから、思いっきりいって来てね」
「タカさんみたいにね」
「って不二〜・・・」
などと言いながら頭をくしゃくしゃ撫でていく先輩らに不満そうな顔をして、リョーマは手に持ちっぱなしだった帽子で乱れた髪を隠した。
あの日起こった『奇蹟』。気が付くと自分は病院のベッドにいて、そして―――足も病気も、記憶も治っていた。
『俺はおチビの足が動くようになってまたテニスが出来るようになることを願うよ』
あの言葉は嘘じゃなかった。きっと英二が奇蹟を起こしたのだろう。
「―――越前」
俯き、ラケットを見ていたリョーマにさらに声がかかった。
「何スか、手塚部長?」
「いまさら言うまでもないと思うが、全国制覇は菊丸の夢でもある。
―――今度はお前が叶えて来い」
あの日あった事、それは誰にも言っていない。だから医者含め、誰もがこの出来事を『神の奇蹟』と呼んだ。
だが手塚は、いや、ここにいる者は全員わかっているのだろう。この『奇蹟』を誰が起こしたか。
「うい〜っす」
いつものように気のない返事をし、リョーマはぐるりと辺りを見回した。整列のためコートへ向かっていく部員たち。その中に特徴ある赤髪は見えない。
再び視線をラケットへ落とす。今まで使っていたBRIDGESTONEのものではなく、DUNLOPのもの。
英二の愛用品のそれを見つめ、にやりと笑った。
「生憎と俺は『神様』なんて信じてないんだよね。
―――『願いなんて自分で叶えるもんでしょ? 「神様」なんて頼らずに』、さ」
かつて英二に返した言葉。彼なら間違いなく覚えているだろう。
「全国制覇、必ずしてみせるよ。英二・・・・・・・・・・・・」
そして、決勝戦の幕が上がる・・・・・・。
―――Fin
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
と、いうわけでリク小説第一弾―――にして唯一の本命作品です。こ・・・こんなものでいかかでしょうか翠様。なんだか菊ちゃん死んじゃってますが、それもかなり自己中な理由で。
最初は普通に『奇蹟』を起こすためだけにしようと思ったんですが、それだとちょっと理由として薄いような・・・。などとひねくれた考えの成果なのですが、これ『記憶喪失』というよりむしろ『意識喪失』の方がいいような・・・。
〜自分を見てくれないリョーマに耐えられず、虚ろな目の彼の前で自殺。その瞬間目覚め、叫ぶリョーマに微笑む〜
というのもいいかなあ、などと思ったりして。
ではつたない作品でしたが、少しでも喜んでいただけたら幸いです。そんなこんなでこれからも宜しくお願いします。
2003.1.20〜26
注―――病気持ちの割にはめちゃめちゃリョーマ元気じゃん。ってかそもそも何の病気だよ・・・などというツッコミ不可。