管理人との3時間半に渡る非建設的な話し合いの結果、管理人の手伝いをさせられるハメとなった一同。とりあえずクジで役割分担を決める事になり―――
太一:「お、ラッキ〜v」
デジアド02メンツ〔太一・ヤマト・タケル(太一→ヤマト←タケル)〕―――餅つき
英二:「にゃv こーいうの俺得意v」
テニプリメンツ〔リョーマ・不二・英二・裕太(菊リョ・ユタ不二)〕―――おせち料理
北斗:「これって・・・・・・僕たちがやっていいの?」
電童メンツ〔北斗・銀河・スバル・エリス(スバル→北斗)〕―――年賀状
豪:「――ってことは、まさか・・・・・・」
烈:「豪・・・お前運が良いっていつも自慢してなかったか・・・?」
豪:「仕方ねーだろ!? ラストじゃ運もへったくれもねーじゃねーか!!」
レツゴ高校生メンツ〔烈・豪・ミハエル(さりげに豪烈)〕―――大掃除
はてさて一体どうなるやら・・・
みんな大晦日も大忙し☆
a.m.8:50 年賀状チーム
北斗:「ほら銀河! 早く起きて!!」
銀河:「ん〜、もうちょい・・・」
北斗:「ダメだって! 今日は年賀状書くんだろ!!? スバルだってもう起きて準備してるんだから!!」
エリス:「そうそう。あ〜いかわらず銀河は北斗に迷惑かけてばっかね〜。
スバルなんてせっかくアルクトスから来てくれたのにきっちり手伝ってくれてるし、あんたもちょっとは見習いなさいよ」
銀河:「うっせーな!! 起きりゃいいんだろ起きりゃ!!」
スバル:「おはよう銀河・・・・・・って、なんだか凄く機嫌が悪そうに見えるが・・・」
北斗:「気にしないで・・・(ため息)。
まあそれよりも、さっそく始めよ!」
エリス:「え〜っと、来年は羊年だから・・・」
スバル:「(オズオズと手を上げ)質問、なんだが・・・・・・」
銀河:「どーしたんだよスバル、改まっちまって?」
スバル:「先程から疑問だったんだが・・・。
『年賀状』と言うのは何なんだ?」
3人:「「「・・・・・・・・・・・・」」」
a.m.9:20 大掃除チーム
(風呂場にて)
豪:「・・・ったく、なんだって俺達がこんな事やんなきゃなんねーんだよ・・・・・・!」
烈:「お前のクジ運が悪かったからだろ(きっぱり)?」
豪:「だからあれは――!!!」
烈:「はいはい無駄口叩いてないでさっさとやれ。カビ●ラー撒くぞ」
豪:「ってちょっと待て!! それ『吸ったら危険』ってヤツだろ!!?」
烈:「珍しく物知りだな。危険な目に遭いたくなかったらさっさと終わらせて出ろ」
そう半眼で言う烈の口元にはしっかりとマスクが装着されており・・・・・・。
豪:「きたねー! 兄貴1人で身守りやがって!!!」
烈:「うるさいなあ。だったらお前もつけろよ・・・・・・」
豪:「てか普通それ撒いた状態で掃除ってしなくねえ・・・?」
烈:「管理人のズボラのせいで時間がないからな。撒いてる間に他の所やれば時間節約になるだろ?」
豪:「はあ・・・・・・」
―――待ち時間に他の場所を掃除すればいいという事を豪が思いつけないままマスク装着で掃除をし―――。
豪:「列兄貴?」
黙々と壁をスポンジで磨いていく烈を見上げ、豪が呟く。
烈:「・・・何だ?」
豪:「何、やってんだよ? 風呂のヘリなんかに乗って」
烈:「ああ、天井の方になかなか落ちない汚れがあって・・・」
窓の桟に手をかけ、風呂のヘリに開いた両足を乗せ喉を逸らして上を見上げる烈。大掃除という事で服装も半袖ハーフパンツとかなり露出度の高いもので・・・・・・。
烈:「―――うわっ!!」
突如腰を抱かれ烈の体勢が崩れる。
烈:「って豪!! お前何やってんだよ!!?」
豪:「ん? だってせっかくのチャンス―――じゃなくて、兄貴そんなトコ立ってると危ないぜ(にっこり)?」
烈:「お前がそうしてるほうがよっぽど危ないだろ(半眼)?」
豪:「まあまあそう言わずにvv」
烈:「本気でどこ触ってんだ! バカよせ! 体勢が崩れ――」
がらっ!
ミハエル:「烈く〜ん、豪く〜ん、こっち(洗面所)終わったよ〜」
烈:「あ、ミハエル君・・・」
豪:「うげ! ミハエル!!」
どんがらがっしゃん!!!
ミハエル:「(小首を傾げ)―――もしかしてタイミング悪かった?」
烈:「ううん、全然v」
ミハエル:「そう?」
烈:「じゃあこっちももう終わるから、そしたら次だね」
ミハエル:「うん! けど大掃除って面白いね」
烈:「そうかな?」
ミハエル:「なんかいつもは全然気にしないところも徹底的にやるぞ〜! ってそんな感じが」
烈:「なるほどね。じゃあ僕も今日は『いつもは気にしないところ』の掃除でもやろうかな・・・・・・」
怪しげに微笑む烈の視線の先には、足を滑らせ風呂桶の中で頭を打って気を失う豪の姿があった・・・。
a.m9:30 おせち料理メンツ
裕太:「え〜っと材料は・・・・・・(と冷蔵庫を開け―――)
―――!!!」
不二:「どうしたの、裕太?」
裕太:「哀里のヤロ・・・・・・!!」
空っぽの冷蔵庫正面に張られた紙を毟り取り頬を引きつらせる裕太。
英二:「にゃににゃに? どったの?」
リョーマ:「早く始めません?」
裕太:「材料・・・・・・ない」
3人:「「「はい・・・?」」」
≪材料は各自好きなものを買いましょう。なおその際の費用は自己負担でお願いします―――管理人≫
(というわけで買い物に出て来た4人)
裕太:「管理人のヤロー! 人に作らせた上金まで払わせんのかよ!!」
不二:「まあまあ裕太。落ち着いてvv」
裕太:「―――って言いながらなんで腕絡ませてくんだよ・・・」
リョーマ:「アンタもね・・・・・・」
ため息をつく2人の左側で、腕を絡ませる不二と英二が。笑顔全開で答えてくる。
不二:「だって、せっかくのチャンスなんだよ?」
英二:「そーそー。哀里もいいことしてくれんじゃんvv」
2人:「「何の・・・・・・(嫌な予感)?」」
不二:「何のって・・・」
英二:「そりゃもちろん・・・」
2人:「「裕太と/おチビと 外でイチャイチャするチャンスvvv」」
裕太:「な・・・!!?」
リョーマ:「じゃあまさか・・・・・・!!!」
不二:「さ〜じゃあそんな2人のリクエストに応えてこのまま行こうね〜vvv」
英二:「よ〜し行くぞおチビvv!!!」
リョーマ:「そんな事一言も―――」
裕太:「人の話聞けー!!」
喚き帰ろうとする2人を連れ(というか引きずり)商店街へと突入していく36コンビ。商店街では暫し哀れな2人の悲鳴が聞こえていたとかいなかったとか・・・・・・。
a.m10:10 餅つきメンツ
(庭にて、もくもくと焚き火の煙が上がる中・・・・・・)
タケル:「ヒマ、だね・・・」
太一:「ああ、ヒマだな・・・・・・」
焚き火の前にいすを並べ、キャンプファイアーの如く燃え上がる火を見つめる2人。その中心では簡易釜戸に乗せられた蒸し器があり・・・・・・。
太一:「ってか何人分作る気だ、コレ?」
タケル:「うん・・・。この蒸し器の大きさって、普通じゃないよね・・・・・・」
ヤマト:「―――ってお前ら手伝えよ!!」
ここでヤマト登場。汗だくで袖をまくる手にはダンボールが積まれている。
太一:「うげ! もーンなに溜まっちまったのかよ・・・」
ヤマト:「掃除やってんだからゴミが出るのは当り前だろ!? さっさと運び出して燃やせ!!」
注!)本当にそれを庭でやると捕まりますのでご注意ください。
タケル:「お兄ちゃんごめんね、気付かなくって・・・・・・」
ヤマト:「イヤ、タケルはいいんだぞ、休んでて。ほら疲れただろ?(と優しくタケルをイスの方へ誘導する)」
太一:「何なんだよその扱いの差は!!?」
ヤマト:「タケルなんだから当然だろ!!?」
お兄ちゃん根性炸裂で即答するヤマト。その言葉に太一は地団太を踏み―――そしてタケルは兄から見えない位置でそんな太一ににやりと笑いかけた。
太一:「(ブチ!)タケルのヤロ〜〜〜!!!」
ごん! がん!
ヤマト:「タケルの悪口言うんじゃねえ!!」
タケル:「ありがとうお兄ちゃん(抱きつき)!!」
ヤマト:「タケル・・・・・・(感動)」
―――おいおいいいのかこれで・・・?
a.m.10:30 年賀状メンツ
北斗:「え〜っと、年賀状って言うのは新年の挨拶としてお互いが送るもので、相手の―――」
銀河:「ンなムズカしい理屈抜きにしよーぜ。つまり年賀状って言うのは手紙のことだ。年の始めにその年のえ干支を書いて送るんだよ」
スバル:「干支、とは?」
エリス:「日本では12年を人まとまりにしてね、それぞれ動物を当てはめてるの。まあ想像上のものも中にはあったりするんだけど―――来年は『羊』の年なのよ。
だから羊の描かれたハガキを送るの。『明けましておめでとうございます』って挨拶と一緒にね」
スバル:「なるほど。面白い週間だな」
銀河:「んじゃ、スバルの疑問も解けたところで始めよ―ぜ!」
エリス:「一番後に来たくせに何えばってんのよ!?」
銀河:「何〜〜〜!!?」
と、ギャイギャイ騒ぐ2人の影で、スバルが北斗の袖を引っ張った。
スバル:「(くいくい)・・・北斗、一つ聞きたいんだが・・・」
北斗:「何?」
スバル:「『羊』というのは?」
北斗:「・・・・・・・・・・・・。
そういえばアルクトスって、生態環境地球と違ったんだっけ?」
スバル:「すまない。何も知らなくって・・・・・・(と頭を下げる)」
北斗:「え!? いやいいよそんな頭下げなくったって!!
わからないことなんて僕にだって色々あるし、これから一緒に覚えようよ! ね?(にっこり)」
スバル:「北斗・・・・・・・・・・・・」
手を取り微笑む北斗にスバルの顔が赤くなり・・・・・・
スバル:「北斗―――」
北斗:「で、羊っていうのはね・・・・・・(あっさりかわす。鈍感[ムジャキ]万歳)」
かりかりと下書き用紙に何かを書き込む北斗。
銀河:「―――北斗! お前そりゃ何なんだよ!?」
北斗:「ぎ、銀河////!?」
エリス:「え? 何々? もう年賀状の準備始めてんの? さっすが北斗ってば真面目なん―――って・・・・・・ソレ・・・・・・・・・・・・」
北斗:「な、何でもないよ//////!!」
目を点にする2人から守るように北斗が用紙を胸にくっつける。
北斗:「仕方ないだろ!? 絵は得意じゃないんだから!!」
銀河:「だからってもうちょっとこう、マシなもんできるだろ、普通?」
北斗:「言ったな〜!? だったら銀河描いてみろよ!!」
銀河:「お〜っし任せとけ! 北斗なんかよりず〜っと上手い羊描いてやるからな!?」
北斗:「望むところだ!!」
そして2人が用紙に向かって一心不乱に何かを書き込んでいくのを横目で見ながら―――
エリス:「で、今度は何やってたワケ?」
スバル:「いや・・・羊、というものがなんなのかわからなくて・・・・・・(ぼそぼそ)」
エリス:「ふ〜ん。で?」
スバル:「『で?』」
エリス:「わかった、羊?」
スバル:「・・・・・・い、いや・・・・・・」
エリス:「でしょうね。あれじゃ私だってわかんないわ(ため息)」
スバル:「やはりそうなのか?」
エリス:「あんな生物本当にいたら世界中の生物学者が血眼になって探すわよ。
いい? 羊って言うのは全身に白い毛があって頭の両側から角が生えてて――」
と、余った用紙にこちらもシャーペンで書き込んでいくエリス。
エリス:「―――まあこんな感じ」
スバル:「なるほど・・・」
それを見て、スバルが正しい羊の知識を植え付けたところで争っていた2人が絵を描き終えた。
北斗:「どう!?」
銀河:「俺のほうが上手いよな!?」
エリス&スバル:「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
頭を抱えてため息をつくエリス。真面目にやっているらしい2人に今植え付けられた知識がぐらりと揺らぐスバル。
エリス:「わかったわ。絵は私が描く」
銀河:「ええ〜!!? 俺達の努力は!?」
北斗:「そうだよちゃんと判定してよ!!」
エリス:「どっちもボツ!! 何処の世界にそんな『羊』がいるのよ!?」
北斗:「ええ!? けど羊っていったら全身に白い毛があって―――!!」
銀河:「頭の両側から角が生えてて―――!!」
エリス:「指差さなきゃわからない―――っていうか指差されてもわからないわよ!!!
あんたたちのせいでスバルが余計に混乱しちゃってるじゃないの!!!」
北斗:「え? スバルが・・・?」
銀河:「お前、大丈夫か!?」
しゃがみ込んで頭をかかえ、「ひつじ・・・ひつじ・・・・・・」とうなされるスバルに掛けより心配する北斗と銀河。折しもそれはカチューシャによって洗脳されていた頃の北斗のようで・・・・・・。
(バカばっか・・・?)
これが3人の『美しき友情』を見ていたエリスの正直な感想だった・・・・・・。
a.m.11:25 大掃除メンツ
(今度は屋根上にて)
豪:「うあ!? 寒!!」
烈:「当り前だろ、冬なんだから・・・」
ミハエル:「けど今日は本当に寒いね。日本の冬って暖冬って聞いてたけどこんな感じなの?」
烈:「う〜ん、それからすると今年は寒いんじゃないかな? 東京で12月に雪が降ってしかも積ったのなんて十何年ぶりだっていうし・・・」
豪:「そ〜だよその寒い冬に!!」
烈:「・・・・・・今度は何なんだよ?」
豪:「っていうか今の兄貴の返事が一番寒かったような・・・。
だからその寒い冬になんで外に出て水に手突っ込んだりしなきゃなんねーんだよ!?」
ミハエル:「?」
烈:「なんでだ?」
豪:「はい・・・?」
烈:「だから―――なんでお前水に手を入れるなんていういかにも寒い事してんだよ?」
豪:「はあ? 窓掃除なんだから当り前だろそんな事?
―――ってそーいやなんで兄貴もミハエルも手濡れてね―んだよ?」
ミハエル:「濡らしてないからでしょ?」
烈:「窓に水かけた後水切りで水切って、新聞紙で磨けば綺麗になるし直接水にも触れずに済む・・・・・・って、お前もしかして知らなかったのか?」
豪:「は・・・?」
ミハエル:「この間烈君と見てた番組でやってたよ♪」
豪:「な・・・・・・」
烈:「ああそれでか。お前わざわざ雑巾で頑張って拭いてるから、てっきりやりたくてやってんのかと思ってたんだけど」
豪:「・・・・・・・・・・・・」
烈:「ついでにいうとそのおかげでお前だけ作業遅れてるんだけどな。ちゃんと割り振った分は終わらせろよ」
ミハエル:「じゃ僕たち終わったから先中入ってるね。頑張ってね、豪君」
ばたん。
豪:「・・・・・・って、ウソだろー!!?」
1人取り残される豪。その後数十分に渡って屋根から「知ってたんなら言えよ〜〜〜!!!」という悲鳴が聞こえていたという・・・。
p.m.0:10 おせち料理メンツ
(買い物を終え・・・)
英二:「よ〜し、んじゃさっそく作ろ〜!」
不二:「お〜vv」
『買い物』によりさらにテンションのアップした2人。そして・・・
裕太:「生きて帰ってこれた・・・・・・」
リョーマ:「なんで買い物だけでこんな疲れるわけ・・・・・・?」
不二:「あれ? どうしたの2人とも?」
裕太:「いや別に・・・・・・」
英二:「そ? にゃら作るから2人とも準備してね♪」
リョーマ:「作る・・・って、買って来たものただ並べるだけじゃないんスか?」
不二:「やだなあ越前君。確かにこのまま並べられるものもあるけどちゃんと作るよ」
英二:「おチビ、買う物見てたっしょ?」
リョーマ:「それどころじゃ・・・・・・(ぼそり)」
英二:「?
ま、とりあえずメジャーなものは作らなきゃね」
不二:「そうそう。伊達巻とか栗きんとんとかねvv」
英二:「不ぅ〜二v それって裕太の好物ばっかじゃんv」
不二:「え? もちろん当り前でしょvv」
英二:「他のも作んなきゃダメだぞvv おチビは和食派なんだからなvvv」
不二:「わかってるってvvvv」
どこまでも続きそうなバカップル(の片割れ)2人の会話は、聞かされるリョーマや裕太よりも書いている管理人に精神的ダメージを及ぼすためうむやにして先へ進みましょう。
伊達巻&田作り担当―――裕太。
裕太:「んで、コレを手早くオーブンに入れて、後はどっちもできるのを待つ、と・・・・・・」
栗きんとん担当―――不二
不二:「え〜っと、水と砂糖、栗のシロップと水飴を入れて火にかけて、クチナシで色をつけて―――」
裕太:「ってちょっと待て兄貴!! 今何入れようとした!?」
不二:「え? だから色つけを―――」
裕太:「そこでなんで紫キャベツが出る!?」
不二:「黄色ばっかって言うのもなんだし、黄色と紫でグラデ―ションつけるなんてどうかな?」
裕太:「いいわけねーだろ!?」
不二:「え〜。でもおいもにだって黄色と紫色があるんだよ?」
裕太:「だからっていきなり栗きんとんがンな変な色だったらみんな引くだろ−が!!」
不二:「う〜ん・・・・・・・・・・・・」
英二&リョーマ:「「(ナイス裕太・・・)」」
お煮しめ(煮物)&お雑煮担当―――英二・リョーマ
リョーマ:「・・・・・・」
英二:「・・・・・・(冷や汗)」
リョーマ:「・・・・・・・・・・・・!!」
英二:「・・・・・・・・・・・・おチビ」
リョーマ:「何? いま集中してんだから話し掛けないで」
というリョーマの手には、包丁と・・・・・・人参の残骸が握られており・・・。
英二:「にゃにやるか、わかってるよねえ・・・(かなり失礼な質問)?」
リョーマ:「当り前だろ!? 人参の飾り切り! だからしてんじゃん!!」
英二:「飾り・・・・・・」
もう一度リョーマの手元を見る。確かに彼に頼んだのは人参の飾り切りだ。輪切りにして梅の形に整える。やり方は教えたしお手本として1個まな板の上に置いておいた。が、
英二:「にゃ〜んか形違わない・・・?」
リョーマ:「だから今整えてんじゃん!!」
整えるもなにも、既に形が作れるほどの大きさですらないそれを英二は更に見つめ―――
英二:「裕太・・・・・・」
裕太:「何ですか?」
英二:「チェンジ」
そう言い不二とリョーマを指した指を胸の前でクロスさせる。
裕太:「わかりました」
即座に意味を理解したらしく、裕太がしゃもじで鍋をかき回してる不二の肩を叩き、親指でこちらを指し示す。
裕太:「兄貴」
不二:「何?」
裕太:「担当交代」
不二:「え?」
裕太:「越前のヤツ包丁使うのあんま得意じゃないんだってよ。兄貴ならそういうの得意だろ(こっそり)?」
不二:「ああなるほど。うん。わかったよv」
不二を誘導する傍らで英二に親指でサインを送ってくる裕太に1つ頷き、英二もまた人参と格闘するリョーマの隙をつき肩を叩いた。
英二:「おチビちゃん」
リョーマ:「何?」
英二:「担当交代」
リョーマ:「は?」
英二:「不二にあのままいさせると何やられるかわかんないからね(こっそり)」
リョーマ:こくりこくりぶんぶんぶん!!
英二:「まあ後はかき混ぜて水分飛ばすだけだから、焦がさないようにね。あ、あと出来たら味見していいよん♪」
リョーマ:「ういーっス」
p.m.1:20 餅つきメンツ
ぺったん。ぽて。
ぺったん。ぽて。
太一(つき担当):「ふへ〜。そろそろいいか?」
ヤマト(コネ担当):「まだに決まってんだろ? なんだよ太一、もう疲れたのか(鼻で嘲う)?」
太一:「(むか・・・)うっせー! まだ平気に決まってんだろ!?」
ヤマト:「止めとけ止めとけ。無理してぎっくり腰とかになったんじゃ面倒だからな」
タケル:「あはははははは。太一さんにはぴったりだねv」
太一:「まだやれるって言ってんだろ!?」
ヤマト:「(ため息)タケル、悪いけど太一と交代してくれないか?」
タケル:「もちろんだよお兄ちゃんvv」
太一:「勝手に変えんなよな!?」
ヤマト:「(更に深いため息)なら太一、お前は俺と変われ」
太一:「ぐ・・・・・・」
タケル:「よろしくね、太一さんvv」
ぺったん。ぽて。
ぺったん。ぽて。
タケル(つき担当):「ああ!? バランスが崩れた!!(棒読み)」
太一(コネ担当):「うお!?」
どかん!!
本能で危険を察し、横へ飛び退く太一。その頭のあった位置に、タケルの『振り下ろし損ねた』杵が轟音を立てて落下した。
タケル:「(ちっ・・・)ごめんねえ太一さん。僕力仕事は余り慣れてないからつい・・・・・・(棒読み&笑顔)」
太一:「ちょっと待てなんなんだその笑顔!! てめー今のぜってーワザとだろ!!?」
タケル:「やだなあ太一さんってばv 僕がそんな事やると思う? 第一動機がないじゃない」
太一:「動機も殺意もありまくりじゃねーか!! 『ちっ』とか舌打ちしてたのしっかり聞こえてたぞ!!」
タケル:「(変な所で耳も勘もいいなあ・・・・・・)」
太一がタケルに掴み掛かろうとしたところで、毎度恒例この人乱入。
ヤマト:「てめー太一!! なにタケルにイチャモンつけてんだよ!?」
太一:「イチャモン!? しっかりお前の弟の計画だっただろが!?」
タケル:「太一さんヒドイ!! 僕がそんな事するワケないじゃないか!?(と兄に泣きつく)」
ヤマト:「タケル・・・。お前のことは俺がちゃ〜んとわかってるからな」
太一:「わかってねーじゃねーか、全然・・・(ぼそり)」
ヤマト:「ああ!? なんか言ったか!?」
太一:「いーかげんその曇りまくった眼鏡外して現実を見ろって言ったんだよ!!」
ヤマト:「いー度胸じゃねーか!! 俺とお前どっちが正しいかこの場で決着つけてやる! 来い!!」
太一:「望むところだ!!」
タケル:「(あーあ、餅放りっぱなしだよ・・・・・・。ま、いっか)頑張れー! お兄ちゃ〜んvv」
掴み合いのケンカをする2人を見守るタケル。果たしてこんなんで餅はできるのか!?
p.m.6:30 そして・・・・・・
管理人:「は〜い皆ご苦労様v」
大きな鍋を持ってリビングへ現れる管理人。
銀河:「あ〜腹減った〜」
エリス:「何よ。あんた一番何もしてないじゃない」
銀河:「何を〜・・・!?」
―――と最初に現れたのは年賀状メンツ。デザイン=エリス、文章=北斗、印刷(プリ●トゴッコ)=銀河、宛名書き=スバルと割り振った結果、その後は順調に進んだらしい。
太一:「よっしゃ年越しそば〜♪」
ヤマト:「太一! あんま騒ぐな! みっともないだろ!?」
次いで現れた餅つきメンツ。太一とヤマトに朝は見なかった傷が見られるが、結局つき=ヤマト、コネ=太一とタケルで交代、で落ち着いたそうだ。
ミハエル:「へ〜、年越しそばか〜」
烈:「ミハエル君は、食べるの初めて?」
ミハエル:「うん! すっごく楽しみv」
さらに大掃除メンツが現れる。1名足りないようだがそれについては特に誰も突っ込まずに・・・・・・。
英二:「ふにゃ〜。終わった〜・・・vv」
裕太:「なんとか・・・完成した・・・・・・」
何故かやたらと疲れた様子で現れたおせち料理メンツ。その後ろではいつも通りの不二とリョーマがいそいそと席についている。技術的には完璧だが感性に問題のある不二には技術のみを必要とすることをやらせ、技術のさっぱりないリョーマにはレシピを見れば誰でも出来ることをひたすらにやらせ続けた。さらにお互いの相方が不信行為を行わないか見張っていたのだが・・・・・・これはその結果である。
管理人:「じゃあ皆終わったみたいだし、年越しそば食べよ〜♪」
一同:『わ〜!!』
スバル:「北斗、年越しそば、とは?」
北斗:「ああ、これも1つの風習だよ。12月31日の夜におそばを食べるんだ」
エリス:「ちょっと違うけど、今年も1年ご苦労様、ってね」
銀河:「何でも言いから食べよ―ぜ。俺もー腹減って死にそ〜」
太一:「あー! ヤマトの隣は俺だろうが!! 何勝手に取ってんだよ!?」
タケル:「いつそんなのが決まったのさ。自由に決まってんでしょ?」
ヤマト:「うるせえなあ。逆側空いてんだろうが! そっち座れ!」
豪:「やっと・・・終わった・・・・・・」
烈:「おー豪、遅かったな」
ミハエル:「もうおそば伸びちゃうよ?」
烈:「ま、年越しそばは伸びきってるのが正しいからね」
ミハエル:「そうなの?」
烈:「細く長くは人生に例えて、でもってぶちぶち切れるのは『今年の苦労は今年切り捨てましょう』ってね」
豪:「俺は兄貴がいる限り切れそうにねえよ・・・」
烈:「じゃあ今すぐ切るか」
豪:「ハハハ! 嘘ですごめんなさい!!
は〜・・・・・・」
英二:「はいおチビ。熱いから気をつけろよvv」
リョーマ:「ういーっす」
不二:「はい裕太。熱いから気をつけてねvv」
裕太:「子ども扱いすんじゃねー!!」
と、いうわけで
一同:『いただきま〜す!』
ぱくっ。
『う゛・・・・・・!!』
ばたり。ばたばたばた!!
管理人:「(首を傾げ)う〜ん。一応頑張ったんだけどなあ。やっぱ本見なきゃダメかあ・・・」
不二(唯一何もなかった人):「あれ? 本見なかったの?」
管理人:「最初は見てたんだけど。忙しくなったらだんだん本見る暇もなくなってきちゃって・・・」
烈(根性で何とか起き上がってきた人):「哀里・・・・・・確か君、家庭科とか調理関係は5とかAとかもらってなかったっけ?」
管理人:「ああ、技術でさっぱりなのをテストと平常点でカバーしてたから(あっさりと言い切る)」
太一(やはり上と同様):「くっそ〜・・・。こういう攻撃だったのかよ・・・油断してたぜ・・・・・・」
管理人:「そんなつもりもなかったんだけどなあ・・・・・・」
こうして、管理人とキャラクターとの間により深い溝を作りつつ、今年も暮れていったのだった・・・・・・。
―――了―――
管理人:「ふ〜。大晦日限定企画にしてクリスマス企画で失敗したおかげで初電童! あ〜書くの難しかった。特にスバルの口調。
ここに来られるお客様は某テニスFanが多いですが(リンクをそこしか貼ってない為当り前)こういったスクランブル話、私は好きだったりするのでこれからもやると思います。
とはいってもその場合拝借するのはキャラのみで世界観とかは結構無視されてますので、多分知らない方でもある程度は読めるかなあ、と。
では今年一年、サイト開通からまだ1ヶ月ちょいしか経ってませんが、みなさまご来場ありがとうございました。
来年もこの調子で―――というかこれ以上に壊れて、もとい、え〜っとなんていうか・・・・・・
ま、まあそんな感じで突っ走っていきますのでどうぞ宜しくお願いします」