ご近所わんにゃん物語





         
         



1.『奇走』本能?



飼い犬=烈   飼い主=ジュン   肉屋の息子=豪   実験者=エリス   専門家=乾
その他エキストラ=北斗・ジュピター





「ウチの犬はすっごく頭がいいから大丈夫よ! なにせそこらの馬鹿よりずっといいし」
「そうなの? じゃあこの子借りてくわね」
そう言うと、エリスはジュンから手綱を受け取った。腰を落とし、その先に繋がれた犬の頭を撫でる。
「というわけでよろしくね、烈くん」





それは北斗のちょっとした疑問に始まった。
「犬って・・・・・・いつも飼い主に引かれて散歩するけど、動物なんだから帰巣本能ってあるんだよね?」
いつも通りジュピターの散歩をしながらぽつりともらした一言。その会話はそれで終わったのだが、それ以降エリスはどうしてもその疑問が離れなくて仕方なかった。
行動派な天才少女エリス。思い立ったらすぐにやるのが彼女のモットー!
というわけで。





「じゃあ烈、好きなところ散歩してね」
家の前で烈の手綱を緩め、エリスはその後の行動をじっと見守る事にした。もし犬に帰巣本能があるのなら、きっといつも通りの散歩コースを辿って帰って来るはずだ!
(そうよ今度こそ!)
と、鼻息を荒くする通り、この実験、実はさっそくジュピターでやって(もちろん北斗の了解は得て)、思いっきり失敗した後だったりする。
その原因が、北斗がこちらに引っ越してからまだあまり経っていない為ジュピターも道を憶えていないからではないかと考え、友人のジュンに頼んで飼い犬を借りたのだ。彼女なら飼い犬共々ここに幼い頃から住んでいる。
が。
「あら? 烈?」
そんな彼女の期待を裏切り、犬―――烈は特に何も行動を起こさず、おとなしく座ったままこちらを見上げてくるだけだった。
「困ったわねえ。私が引っ張ったんじゃ実験にならないし・・・・・・」
う〜ん、と唸るエリス。だが、彼女の心配は無用のものだった。
数秒彼女を見上げ、
烈がとたとたと歩き出した。
「―――って、あら?」
そのいきなりな様子を疑問に思いながらも、何の疑いもなさげに、周りを見回す事無く歩いていく烈に肩を竦め、とりあえずエリスはその後をついていく事にした。



「あー! 烈ってば違う・・・・・・!!!」
その様子を影からこっそり見守りながら、ジュンは頭を抱えてうずくまった。
烈が今歩いているコースはいつものものとは完全に逆。よほど止めに行こうかと思ったが、もしかしたら途中で気付いて元に戻るかもしれないという期待に、ジュンは今すぐ駆け出したい足をなんとか踏みとどまらせた。



散歩コースを順調に逆走しながら、烈とエリスは商店街にある1軒の肉屋に差し掛かった。
そこで進んでいた烈の足がぴたりと止まった。
その場に座って、カウンター越しに、中をじっと見る。
「え? あの、もしかして・・・・・・」
と、
「お? 烈じゃねーか」
カウンターから少年が現れた。エリスと同じか、ちょっと下のその少年は烈を見、エリスを見、そして周りを見てからカウンターにかがみこんだ。
骨付き肉を取り出し、それをビニール袋に入れると店から出てきて烈の首に掛ける。
「いつもご苦労さん」
にっこり笑ってくしゃくしゃ烈の頭をなで―――そして少年はエリスに右手を差し出した。
「お代」
「・・・・・・」
笑顔で言う青髪の少年。
暫し流れる無言の時。
「・・・・・・・・・・・・いくら?」
「毎度〜v」



「豪のヤツ〜!!!」
そんな様子を柱の影から見つつ、ジュンは1人拳を戦慄かせた。当り前だが毎日散歩でこんな事をやるわけはない。
「エリスもエリスよ! 何簡単に引っかかってんのよ!!」
とは言うが、公平を期すためにエリスは散歩コースを一切聞いていない。この堂々とした烈の、何の迷いもない行動から、それが間違っているなどと彼女に解るわけがない。
そんなジュンを置いて、骨付き肉を首から下げた烈はエリスを伴って再び歩き出した。





「―――なるほど、これが烈のとった行動か」
その後、エリスから受け取ったビデオを一通り見て、乾は呟いた。その声には珍しく驚きが篭っている。
「で、この烈の行為ってどう思います?」
尋ねるエリス。その横では飼い主のジュンと、彼女と散々(言い)争ってどことなくぼろぼろになった豪が乾の言葉を待った。
「驚いたな。俺は今まで様々な犬を見てきたが・・・このような行動をとった犬は初めてだ」
「や、やっぱ烈って実はバカなの・・・・・・!?」
乾の言葉にジュンが驚愕の声を上げた。ずっと頭がいいと信じていたのだ。もちろん頭の良し悪しが全てではないとは思うが・・・・・・。
(だとしたら烈が何かやる度誉めまくってたアタシの立場って・・・・・・!?)
ジュンは飼い主馬鹿(とでもいうか)ではない。盲目的に烈の頭の良さを信じていたのではなく、時折見せる動物離れしたその行為の数々からそう思っていたのだが。
再び頭を抱えるジュンに、乾は眼鏡を直しつつ言った。これは彼が興味を抱いている証拠。
「いや、逆だ。ここまで頭のいい犬は見た事がない。
先ほど君が言ったとおり、この犬・烈はそこらの人間より遥かに優秀だ」
『え・・・・・・?』
その言葉に首を傾げるジュン、そしてエリス。彼女もまたジュンと同じ結論に至っていたのだが・・・・・・。
乾はビデオを最初まで巻き戻し、烈とエリスが家を出た時点で一時停止した。
「烈は家を出る際、1度止まって君を見上げているな? 恐らくこれは、いつもの飼い主ではないと気付いた上で、どのような行為を取るのか待ったんだ。飼い主同様散歩をさせるのか、それともその他か。
そしてその他らしいと気付いた。まあそこまで考えたかはわからないが、とりあえず『この人間は自分が動かない限り何もしないらしい』と気付いた。だから行動した。いつもとは違うように
「ええ!?」
「じゃあ烈はわざとやったって事?」
「恐らくな。でなければ『逆走』する理由が思いつかない」
エリスを向きやり、
「このビデオから見るに、君は烈が逆走しても止めようとはしなかったのだろう?」
「ええ」
「つまり単純に考えるに君はコースを知らない。だが本当に何も知らない者に散歩をさせるか? 答えはノーだ。このような特殊ケースを除き。そのような事をすれば危なくてたまらない。
つまり君は実はコースを知っているか、あるいは知る者がそばにいるか、そう烈が判断してもおかしくはあるまい。
だからからかった。そんなところだろう」
『からかったぁ!?』
驚きを露にする3人。それはそうだろう。犬が人間をからかう。前代未聞、とまでは行かないかも知れないが、そうそうあることでもあるまい。
「いつも綱に縛られている犬にとって、自由に出来る環境というのは酷く魅力的な状況だ。普通ならいつも行かないわき道などに入る。それがストレス解消になるからな。
だが烈はそのような行為を一切取らなかった。何故だ? よほど日々ストレスのない自由な環境で育っているか、さもなければその散歩そのものがストレス解消になっているか、だ。
逆走、と一言に簡単に言うが、いつも通っている道でもそれを逆に辿るというのは意外と難しい行為だ。見える光景が逆になると混乱する。これを経験した者は多いだろう。
それを簡単にした。烈自身の頭のよさもあるだろうが、すっかり逆からでも辿れるほどその道に慣れてしまった、つまり―――
毎日の散歩コース、完全に固定化されていたんじゃないのかい?」
「え、ええ・・・。ほとんど」
「ならストレス0とは言いがたいね。毎日同じで飽きるのは人でも犬でも変わりない。
そして『からかい』説を強める要因がもう1つ。肉屋での行為だ」
「あー! そう! 豪! アンタ何肉勝手にあげてんのよ!! しかも金まで取って!!」
「面白そうだったからにきまってんだろ!? 柱の影でいかにも怪しい変装したお前が頭抱えてりゃなんかやってんだなって思うだろが!!」
「え? やっぱりあれってウソだったの?」
「当り前でしょ!? エサなら家できっちりあげてるわよ!!」
「それで満足出来ねーからウチ見てたんじゃねーのか!?」
「何をーーー!!?」
「やんのか!!?」
「―――まあ待て2人とも。その話からするにこれは普段決してやらない行為だと?」
「当り前でしょ!?」
「だがビデオを見た限りでは烈は自分で見上げていたようだが?」
「ほーら見ろ! やっぱオメーん家のエサじゃ満足出来ねーから―――」
「お黙り!」
「やはり賢いな、烈は。いつももらっているエサに満足しているか否かはわからないが、この様子はどう見てももらえると確信している。2人の関係とそれぞれの心理を読んだ実に巧妙な作戦だ」
「だから私も買ったんだけど・・・」
「3人か。烈がもし人間なら、間違いなく優秀な扇動者[アジデーター]となっていたであろう。
しかし面白い。犬にここまで出来るとは。いいデータだ。まだまだ研究を続ける必要があるな」
言い争う2人。ノート片手に「ふふふふふ・・・」と含み笑いを浮かべる乾。それらを見つめながら、
(まあとりあえず犬に帰巣本能はあるのよね。家にちゃんと帰って来たわけだし)
と1人納得するエリス。とりあえず疑問は解明された。よかったよかった。





さて己の家に帰って来た烈。すぐ出かけていった飼い主らをよそ目に、自分の住処にて下げられていたビニールを外しかりこりと中身を噛み始めた。
『けっこー得出来たね。またこういう事あるといいんだけどね』





完。

         



2.泥棒対策、これ1匹で
OK

番犬=手塚   泥棒=タケル





カシャ。
門からした僅かな物音に反応し、手塚はのそりと身を起こすと、その大きな体からは想像もつかないなめらかな動きで門へと歩いていった。
門の外側には見た事のない少年がいた。全身黒づくめの格好で、ニット帽の隙間から綺麗な金髪が零れ落ちている。
少年・タケルは現れた手塚に驚く事もなく、にっこりと笑みを向けた。それはそうだろう。事前の調べでこの家に大型犬がいることは分っていた。だからこそわざと音を立て、おびき寄せたのだから。
「初めまして。こんな夜遅くでごめんね。お詫びにこれをあげるよ」
と、門の下から予め持ってきていた肉を入れる。
(賢い、なんて言われてても所詮は犬。食べ物には勝てないでしょ?
ああ、安心して。表面にばら撒いたの、ただの睡眠薬だから。そこまで残虐趣味はないんだ、僕)
警戒されないように、しゃがみ込んで犬と目線の高さを合わせたまま、タケルは自分の放り込んだだ肉に視線をずらす。自然と手塚の視線もまた、肉へ行き・・・。
「さあ、お食べ」
が、
肉へ注がれていた手塚の視線、それは数秒もすると再びタケルの元へ戻ってきていた。
「何・・・?」
呟くが、手塚は一切答えない。
「だから何さ」
「・・・・・・」
「あのねえ、僕忙しいんだからさっさと食べてよ」
「・・・・・・・・・・・・」
苛つきつつ、ため息をつくタケル。だがやはり手塚はじっと自分を見たままで。
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
じ〜っと、見つめる手塚の目に負けて―――
タケルは荷物を掴むと走り去っていった。
「どうせ霜降りとかじゃなきゃ満足できないとか言うつもりだろ!? 悪かったなそんなお金なくて!! あったら泥棒なんてやってるわけないだろ!?」
金持ちなんか嫌いだ〜! と捨て台詞を残していなくなるタケル。その後姿を見送り・・・・・・



『俺はこの肉がどこ産か訊きたかっただけなのだが・・・・・・』
そう呟いて、手塚は置かれた肉をゆっくりと食べ始めた。





完。

         


3.賢い自分の使い方?

飼い猫=英二・リョーマ   飼いウサギ=不二   空き巣=銀河
その他エキストラ=桃





泥棒・空き巣等事件の多発する昨今。上と同じ状況が、ここでもまた起こっていた。
「いいか? コレやるから静かにしてろよ?」
手にコレ―――肉を持ちそう言う銀河に、英二・リョーマ・不二は『静かに』頷いた。
「んじゃ、そらよ」
放り投げられた肉。それに我先にと飛び掛り、奪い合う3匹(ウサギは草食性のはずだが・・・)。そんな3匹をのんびり眺め、計画の成功を確信した銀河は肩を震わせ笑った。
「や〜っぱ動物ってのは単純だよな。何が『あそこの猫とウサギは気をつけろ』だ。らっくしょ〜らっくしょ〜v」
空き巣仲間の桃に以前忠告されたことを鼻で嘲う。『絶対無理』と言われ、闘争本能を見せてきてみれば何の事はない、こんな『可愛い』小動物ではないか。
「さ〜って、じゃあ俺は侵入して、と・・・・・・」
と、意気揚々と門を開けた銀河。その脚をウサギが噛んだ。
「痛って・・・!」
鋭い前歯に上げかけた悲鳴を喉で殺す。ここで騒いでは計画がおじゃんだ。
が、
「な・・・・・・!?」
痛みを堪えて目を開く。その視界に、飛び掛ってくる猫2匹が入った。
「うぎゃああああああ!!!!!」
光る爪、とがった牙に襲われ、たまらず叫んで逃げる銀河。
「肉やったじゃねーか! なんで暴れんだよ〜〜〜!!!」



それを見送り、やはり鼻で嘲う3匹。
『だから従ったじゃない。僕達は間違った事はしてないよ』
『そーそー。ちゃんと静かにやったしね。勝手に騒いだのアイツじゃん』
『まだまだだね』
『確かに』



こうして、この家の伝説はまた1つ増えていく・・・。





完。

         


4.『覇権』争い?

飼い犬=豪・太一   飼い主=烈・ヤマト





『ここは俺の縄張りだぞ!? 勝手に入ってくんじゃねえ!!』
『いつお前の縄張りになったんだよ!? 俺のほうが先にいたんだぞ!?』
『ざけんな!! 強い方が縄張りってのは支配すんだろうが!!』
『だったらやっぱ俺じゃねーか!!』
『あ゙あ゙!? てめーだれに向かって言ってんだ!!』
『お前に決まってんだろ!? もーボケちたってのか!?』
『いー度胸じゃねーか!! なら今すぐ格の違いってもん見せてやるよ!!』
『望むところだ! あとで吠え面かくなよ!?』
『その言葉、てめーにそっくり返してやるぜ!!』
『決闘だ!!』
と、なにやら背後に稲妻を立てて対峙する2匹。それを察知したかのように、今まで晴れ渡っていた空は厚い雲が覆いつくし、冷たい風が物悲しく吹き荒れた。
緊迫感
MAX。これが切れたとき、互いの生死を賭けた争いが始まる!
きっかけはなんだったか、
『行くぜ!!』
2匹が同時に吠え、互いの喉元を食いちぎらんと顎を大きく開き―――



ごん!
がん!



「てめー何他所様の犬に牙剥いてやがる!」
「そういう事すんなっていつも言ってるだろ!?」
飼い主2人に綱を思い切り引っ張られ、息が止まったところで殴られ蹴られ、あっさりと『勝負』のカタはついた。
飼い犬の『覇権』―――
そんなもの、飼い主が握っているに決まっている。





完。

         


5.犬猿の仲? 1

犬=豪   猿=藤吉   飼い主=烈





『犬猿の仲』、という言葉がある。それから察するに、犬と猿は仲が悪いらしい。
さてでは実際はどうだろうか?



『あ゙〜! 豪君! わての楽しみにしてたバナナどうしたでげすか〜!?』
『バナナ? あー悪りい悪りい。食っちまった』
『食ったって・・・・・・あれはわわてが大事に大事に取っておいたバナナで―――!!!』
『大事に? んなにとっといたら腐るだろうが?』
『そんな問題はどうでもいいでげす! 謝るつもりはないんでげすか!?』
『だから言っただろ『悪りい』って』
『それのどこが謝ってるんでげすか!?』
『俺の謝り方にケチつけようってのか!?』
『ほらそうやってすぐ逆切れして! それで謝ってるなんてよく言えたでげすな!?』
『お前がいちいち突っかかってきてるからだろ!?』
『だからそれは豪君が―――!!』
『やんのか藤吉―――!!』
と、一触即発の雰囲気を見せる2匹。確かに仲が悪く見える。
と、



ばん!



「・・・・・・捨てられたいのはどっちかな?」
『すみません』
窓を開け、にっこり微笑む飼い主・烈に一様におとなしくなる。
結論。
犬と猿、より強い存在を前に、2匹に仲は最高に良くなるらしい。





完。

         


6.犬猿の仲? 2

犬=不二   猿=観月   飼い主=裕太





さて犬猿の仲、とりあえず前回2匹の仲は本当に悪いらしい事が判明した(そうか・・・?)。
では犬と猿、強いのはどちらだろう?



『あはははははは! 君が猿! 似合ってるよ、観月』
『うるさいですね! そう言う貴方だって犬でしょうが!!』
『けど猿だよ猿! 犬ならまだ普通っぽいけどねえ』
『決めたのは僕じゃありません! 文句なら配役決めた人に言ってください!!』
『文句? 何を言うのさ? こんなによく似合ってるのに?』
『貴方は私にケンカを売ってるんですか!?』
『今更気付いたの? 意外と君ニブイね』
『〜〜〜〜〜!!!
いい度胸です! そのケンカ、買いましょう!!』
『やだなあ何1人で熱くなってるのさ』
『貴方が熱くさせてるんでしょうが!!!』
不二の挑発に全身に青筋を立てる観月。(一方的ながら)こちらも一触即発の状態になった。
と。



ばん!



「何ケンカしてんだ2匹とも!」
『裕太・・・・・・』
『裕太君・・・・・・』
窓を開け注意する裕太に、2人の注意がそちらへ向き―――
「と・・・・・・?」
『な―――!!』
先に行動したのは不二だった。甘えるように裕太の足元にすりより、
『裕太〜。観月が僕の事苛めるんだ』
「な、何〜〜〜!!?」
くぅ〜ん。くぅ〜んと鳴くその言葉[おと]からどうやって理解したのか、裕太がきつい眼差しを観月に向けた。
「観月さん! 今までいろいろお世話になったからウチにおいて置きましたけど! これ以上兄貴苛めるんだったら出ていってもらいますよ!?」
『そ、そんな・・・・・・!』
『あはははは。おめでとう観月v』
『何嘘八百吹き込んで裕太君騙してるんですか!!』
『嘘八百? 僕特にウソついた記憶はないけどなあ・・・?』
『貴方って人は〜〜〜!!!』
「観月さん!!」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すみませんでした』
屈辱にまみれつつ、それでもこの家にはいたいか頭を下げる観月。燃える眼差しをさらりとかわし、不二は更に見せ付けるかの如く裕太に甘えた。
『裕太〜』
「よしよし。怖かっただろ兄貴。観月さんも謝ってるし、な? 許してやれよ」
優しく頭を撫でる裕太の体に抱きつき、顔を舐める。
「こ、こら止めろって! くすぐったいだろ・・・!?」
笑顔で注意してくる裕太に甘えながら、不二はその心の中で小さく呟いた。
(よかったよ。裕太が騙されやすい人に育ってくれてv)
結論。
犬と猿以前にものに寄りきりらしい。





完。

         


〜あとがき〜



なんだったんだこの話・・・と自分でも突っ込んでしまいます。何となく思いついたものまとめてみました。
1.
2003年3月7日放送の『ぽちたま』より、実際こんな実験があったので採用しました。なので烈兄貴が犬です。彼猫のイメージの方が私の中では強いんですけど。猫。それも黒猫。あ、ちなみにこんなヤな犬はいませんでしたよ(当り前)。
&3.放送はいつだったか忘れましたが、『ふぉーちゅんどっくす(タイトル間違ってるかも。ちょっと観ただけなもので)』にあった話。食べてる間に泥棒が入っちゃって云々、なんですが―――まあこの4人ならこんなものかと。しかしタケル。妙に性格壊れてたような・・・・・・。
4〜6.これらに元ネタは特にありませんですが(なぜ壇太一口調?)、なんとなくいろんな人登場させようと考えてたらなぜかこんな事に。しっかし裕太、いかにして観月猿に世話に・・・・・・?
ふ〜。なんかめちゃめちゃやっつけ仕事っぽいですねえ。ではやっつけ仕事ぽいまま終わりにします。
ラストに、この周り
&背景。レンガのマンションっぽく・・・・・・見えるといいなあ。

2003.3.7