Crackers Concert

            〜バカ野郎どものバカ騒ぎ〜



パーソナルデータ


 ・某都立高校(レツゴ高校生メンツが行く場所と同じ)2年
B組在籍(烈兄貴・せな・佐久許とクラスメイト)。
 ・吹奏楽部所属。
 ・目覚ましには携帯で好きな曲をかけている。ただし着メロと同じ(正確には着メロのロングバージョン)なため非常に紛らわしい。
 ・現在マンションにて一人暮し。オートロックで同じマンションに知り合いはいない。
 ・本日(
日)誕生日につき歳となる。

誕生日幸せ計画?

日付け

主な行為 着信メール 変なイベント
a.m. 000   睡眠中  000  千石
 020  タケル
 320  不来
 440  不二
000
 全員で打ち合わせをしているのか、レム睡眠からノンレム睡眠に変わる約20分おきにメールが来る。電源を切りたいが生憎携帯が目覚まし代わりも務めているため我慢する。
     500   起床  500   500
 朝から高血圧な―――もとい朝から元気な太一&高石田兄弟自宅に不法侵入。ヤマト(ら)が朝食を作ってくれるらしい。
     630   登校  625  リョーマ 630
 さまざまな困難を乗り越え登校。部活前のリョーマ&メイツに出遭う。
730
 ようやく振り切り安心したところでレツゴ『
M.Es』メンツに遭遇。足止めを喰らい部活に完全遅刻。
     830   授業開始  900  ミハエル  
p.m. 030   昼食   030
 昼休み。レツゴ高校生生徒会メンバーが生徒会権限を振り回し校内放送を占拠。名指しで呼ばれた挙句好きな曲という名目で跡部様メドレーを流される。飲んでいたジュースを盛大に噴出し、ヤマトお手製弁当を5分でかっ込んだ後放送室へ殴り込みをかける。
     120   授業  300  スバル 140
 5限が休講だった為学校を抜け出し近くのゲーセンへ。テニプリプライスグッズのため3000円を使い果たし成果0の帰り、出動中の電童メンバーに出会う。まともに祝ってくれるのは嬉しいがそのため出動を遅らせる彼らというのもどうだろう・・・・・・?
     400   部活  500  ヤマト 500
 部活中、テニプリ幼馴染4名が乱入。誕生日曲やらその他いろいろ演奏し、周りを酔わせる。おかげでコンクール一週間前だというのに全く練習が出来なかった。
     700   帰宅  800  北斗 700
 家に帰るとなぜか一同がいた。お祝いしてくれるらしい。やるのは闇鍋ならぬ汁鍋。とりあえず1100時点で意識消失。
     1100   睡眠  1159    
 

一日総じて

 今日はとても疲れる1日だった。とりあえず祝いと嫌がらせの間に明確な区別などないと悟ることは出来た。それが歳の誕生日に私が得た一番の成果かもしれない。



































p.m. 030

p.m. 030

 (あ〜。今日は朝から災難続きね・・・。なんっで! 誕生日にこんなメに遭い続けなきゃなんないんだか!!
  あ、でもついに昼休みv あ〜ヤマトの弁当楽しみ〜vvv)
 などと思いつつ、私は街に待った弁当拝見の儀を行なった。
 パカリと開けられたお弁当。いつも通りの2段弁当ながらその中身は―――
 「えええええええ!!!???」
 「!! アンタ一体朝から何があったのよ!」
 「『何をした』じゃないワケ!?」
 「何かあったんでしょ!? !! そんな現実逃避したくなるくらいの何かが!!」
 「あったんならあたし達に言いなさい!! 出来る限りで力になるから!!」
 「・・・・・・。びみょ〜にアテにならない声援ありがとう。とりあえず礼は言っとく。
  じゃなくてね、今日はなんっと私の誕生日だからってお弁当を作ってくれる人がいたのよ!!」
 「・・・・・・・・・・・・そんなキトクナヒトがまだこの世界に生息していたなんて・・・」
 「・・・・・・・・・・・・もしかして、脅した?」
 「違うわ!!」
 と、騒がれている私のお弁当。下段がご飯、上段がおかずで果物が別容器、と作りそのものは普通。
 が!
 まずごはんが違う! ただ白飯詰めてふりかけかけるだけじゃなくって1個1個小さなおむすびになってたり! それも全部違う味! 稲荷まではわかるとしても薄焼き卵で包むなんて味な手法付き! 一体この人おむすび作って何分かけたの!?
 と来たからにはもちろん中のおかず及び果物も『家庭的料理』ながらちょっとしたところに手が混んでる! 『食事はまず見た目から』とかどこぞの俺様が言ってたけどヤマトのお弁当は正にそれを表したって感じ!
 ―――さりげにおかずに甘く焼いた卵焼きが入ってたり果物が当然の如くりんご・・・それもふじりんごのウサギちゃんだったりする辺り偶然なのか狙ったのか誰かに入れ知恵されたのかすっごく疑問だけど。
 「じゃ、いっただっきま〜す!!」
 「いいな〜」
 「一口分けて〜〜」
 周りからの羨望と嫉妬の眼差しを一心に受け、愉悦と快感に浸ってみたり―――ってだからそれこそどこぞの俺様だって。
 食前酒でも飲む気分でペットボトル(中身はアセロラドリンク。ビタミン
Cはストレス負荷時に減りやすいからね)を優雅に口につけ―――
 ぶふっ―――!!!
 教室備え付けのスピーカーから流れ出した『お昼の校内放送』、その
OP(らしき)曲に思いっきり吹き出した。
 (こ・・・これは―――跡部景吾デビューアルバム<破滅への輪舞曲[ロンド]>より
12曲目に収録、『October』!! なぜこんなものが・・・・・・!!??)
 むしろなぜ音質の決していいとはいえないスピーカーにて前奏、それもバイオリン等の目立つ音が入る前からわかっているのか、そっちの方がある意味怖いかもしれないけどそれはともかく!!
 「どうしたの? 
 「な・・・何でもない・・・・・・」
 心配そうに見てくる周りに曖昧な笑顔で返す。どうやらここいらで気付いたのは私だけらしい。離れた机にて何人かが怪訝な顔してたり半端な笑い浮かべてたりする辺りそこらへんも気付いたんだろうけど。
 (にしてもなんでアルバム・・・? まだシングルから流れるならわかる・・・と言えなくもないけど・・・。シングルなら発売初っ端はランキング
30位〜40位台には入るし・・・。
  なのにアルバム。しかもオン・ザ・レイディオですらこの曲は流していない筈・・・。とすると本当に知っている人が流してるのか・・・・・・!!)
 一般的な学校の校内放送と多分同じだと思うけど、こういったところで流すのは大抵最近売れている曲。確かにこのアルバムも初登場順位を考えれば納得できなくもないけど・・・本気で
Fanしかわからない曲を流されても・・・・・・。
 と、考えている間に1番が終わり、間奏辺りから音が小さくなっていった。ここから放送委員の曲紹介が始まるってワケ。
 (さ〜ってこんな曲流した人は一体誰なんだか・・・)
 ペットボトルを握って思う。放送委員にそうそう知り合いはいないけど、今朝からの出来事を考えたら多分仕掛け人は―――
 と、十中十正解の犯人像を頭の中に思い描く私の耳に、歌とはまた違う意味での『綺麗な声』が届いた。
 ―――予想通りの。
 『お昼の校内放送の時間です。本日は放送委員に変わり、生徒会が校内放送を仕切らせていただきます。代表の、生徒会副会長の星馬烈です』
 (やっぱアンタかい・・・・・・)
 人呼んで(といいつつ呼んでいるのは私と生徒会メンバーのみ)ミスター嫌がらせ王[キング]。今日も彼は素敵に嫌がらせをしてくれた。
 「・・・。やっぱり何かあった・・・・・・?」
 心配そうに―――でもってちょっとびびって尋ねる友達。まあペットボトル握り潰して中身ぶちまけて震える私を見たら当然の反応だろうけど。
 「何でもないのよ何でもない。ええ全く以って何でもないですことよをほほ」
 「ねえ・・・。だから大丈夫・・・・・・?」
 「大丈夫大丈夫。大丈夫過ぎて『ぶいぶいび〜!』とか『へっぽこぴ〜!』とか叫んじゃうくらい大丈夫!」
 「ダメだからそれは!!」
 「やっぱ保健室行こうよ!!」
 なんでか一緒に食べてる2人だけじゃなくって周り全体からの視線も痛くなってきたけど、まあ全て無視して私は至福の弁当タイムへといきましょう。
 ―――現実逃避じゃないわよ決して。
 とりあえず、一口目を味わう。
 (あ〜、おいしひ・・・・・・vvvvvv)
 最早おいしすぎて言葉も出てきません。そういえば某ランキングにてグルメ関連を扱っている人は『おいしい』の次に『言葉も出てこない』って言うらしいわ。確かにその気持ちよくわかる! もーこれを言葉で1つっきりにランク付けるのは無粋極まりなしって感じよ!
 ・・・なんて私が現実逃避―――じゃなかった、至福のひとときを過ごしている間にも放送は続く。
 『本日は僕たちが
大変お世話になっているクラスメイト、さんの誕生日のため、心から全力でお祝いをしたいと思います』
 ごほっ! げほっ!!
 「わわわわわわわ!!!」
 「ちょっ!! ホンキで大丈夫!?」
 咳込む私に慌てる周り。その中で白い視線を向けるのはもちろん『わかって』いる人たち。くう!! 今まで『普通の女子高生』で通してたのに!!
 が、もちろん烈の嫌がらせがこの程度で終わるわけはなかった。
 『というわけで今日は彼女が最近特にハマっている人気コミック、「テニスの王子様」より氷帝テニス部部長跡部景吾の曲を集め、「
跡部様メドレー」と題し放送で流す事にしました』
 (ぐ・・・・・・!!)
 過不足ないわかりやすい説明に、曲を聴いただけではわからなかった人たちも『それ』を察す。痛い! 周りの目が痛すぎる!!
 『ではまず最初に聴いていただいた曲は、彼女の誕生日にちなみましてバースデー曲。デビューアルバム<破滅への輪舞曲>より
12曲目に収録されています「November」―――』
 『―――「
October」だ「October」。勝手に曲名変えてんじゃねえ。俺様の誕生日は10月だ』
 どんがらがっしゃん!!
 スピーカーから流れる第2の声―――にして流れていた曲を歌っていたのと同じ声によるトドメに、私は思い切り椅子から横倒しになった。
 (ありえねえ・・・。本人呼んで来んなよ・・・・・・)
 床に頭を強打し、朦朧とする中思う。一文字一文字編集すれば今のを流すのも可能だろうが、なにせやっているのはあの烈。絶対! 本人連れてきた・・・・・・!!!
 『あはは。でも君のこの歌、タイトル以外月の指定がないからね。タイトルさえ変えれば誰にでも適応出来るって思うけど?』
 『何で俺様が他の奴の祝いなんかしなきゃなんねーんだよ。馬鹿かてめえは』
 『うん馬鹿だね。今これを聴いて泣いて喜んでるだろうは』
 『俺はてめえに言ったんだ・・・・・・!!』
 『またそんな冗談をv』
 『――――――。つくづくてめえと話してると不二を思い出すぜ・・・・・・』
 『誉めてる? ありがとう』
 『誉めてねえ!!』
 『はい。では次に行ってみましょう。次は一気に4曲、特にこだわりはなくの好きなものを連打で。1・2曲目は「
October」と同じアルバムに入っています「Stage」と「方舟」、3曲目は2ndシングル「insight」収録の「ソラトルの鳥カゴ」、そして4曲目は3rdシングルより「・・・みたいなアルケー。」です』
 『お前ら―――
  ―――俺様の歌に酔いな』
 お決まりの台詞により始まる地獄のメドレー。今私は問答無用で全員の視線を浴びていた。
 「・・・・・・?」
 無言で立ち上がり、倒れた椅子を戻す私に友達がかなり引いた様子で声をかけてくる。確かに今までこういう話はしてきた。ただし普通の1読者として。
 ―――ここで暴れれば今までの努力が完全無となる!!
 そんなわけで、私は極めて理性的に椅子に座り、優雅に箸を持ち直した。
 持ち直して―――
 (ヤマトごめん!!)
 ―――と中身を一気にかっこむ。
 さらに数m引いた周りは完全無視。再び優雅に箸を置き、弁当箱を丁寧に片す。
 やはり雅にイスを引いて立ち上がり、これまたモデルの如く堂々と教室の扉へと向かった。もちろん顔には全面の笑みを乗せて。
 そんな私を理解してくれたか、扉脇で食べていたちょっといつも反抗期の少年らが道を明け、あまつさえ扉まで開けてくれたり。
 そちらににっこりと微笑み返す。向こうも微笑んでくれた。なんだか酷く引きつっているが、きっと顔面神経症だろう。
 気にせず廊下へ出て、振り返り扉を閉め―――
 「烈ーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」
 ずだだだだだだだだ!!!!!!!
 私は放送室へ向け、廊下を爆走していった・・・・・・。





・     ・     ・     ・     ・






 がしゃん!!!
 「何やってるかアンタたちは!!!」
 放送室の扉を破れんばかりの勢いで開き、怒鳴り込みをかける。
 そんな私の先で―――
 「やあ。楽しんでくれたかな?」
 「ふっ。喜びのあまりダッシュで俺様に逢いに来たってか? 当然の反応だな」
 「違うわあああああ!!! つーかアンタはまず氷帝帰れ!! 他校どころか高校でしょうがここは!!」
 「ああ? 俺様がどこにいようが俺様の勝手だろうが」
 「だったら樺地連れてくるな!! はた迷惑でしょうが授業までサボらせて!!」
 「樺地は俺が行くとこならどこだってついて来るんだよ。ンな事も知らねーでよく俺様の
Fanなんてやってられんな」
 って今私もの凄く見下された目で見られてるんですけど。いいのか? これで。特に樺地。
 とりあえず解決したらしい問題は放って置くとして、
 「大体烈!! アンタなんでアタシの趣味なんてンなモン知ってんのよ!! 誰にも言ってないわよ!?」
 と、指を指し怒鳴りつける私に烈はそれはもう爽やかに笑ってくれた。
 「やだなあ。生徒会の情報収集能力舐めないでよv その気になれば君の家のカギ開けて部屋の間取りと置かれている物リスト作るのなんて簡単に決まってるじゃないか」
 「それは犯罪!! てゆーか何!? まさかじゃあ今日ヤマトだのタケルだの太一だのが家に侵入してきたのって―――!!」
 「もちろん僕らが手引きしたからだけどね。ああ、ちなみにカギ開けたのはせなさんだよ。彼女ピッキング上手いからね。金庫破り含めて」
 「だから堂々と犯罪暴露すんなーーーー!!!!」
 「(無視)―――というわけでは特に
PS2ソフト『Kiss of Prince』に収録されてる『妥協のない芸術』の、君のささやき声がお気に入りなんだって。イヤホンで聴いてると腰砕けになるそうだよ?」
 「クッ。可愛いじゃねーの。次は実際囁いてやろうか? アーン?」
 「それは言うなーーー!!! 確かに今のはちょっと惹かれるトコあったけど!!
  しかもだからなんでンなに細かい情報まで!? 不法侵入したってわからないでしょうが!!」
 「ふふ」
 「笑って誤魔化すな!!」
 「やっぱてめえ性格不二に似てんぞ・・・・・・」
 「まあ気にしないで」
  「「だからな/さあ・・・・・・」」
 「まあそれはさておき、
  どうだった? 。誕生日に跡部くんの生歌プレゼント」
 「嫌がらせにしかなってな―――――――ってちょっと待って。
  『生歌』?」
 生歌ってことは生で歌ってるからそういうのであってここに本人がいるんだから別に実際生歌であっても不思議ではなくって・・・・・・
 と混乱する私に跡部が自分の目の前にあったマイクをこつこつと叩いて言った。
 「俺様直々に『October(あくまで強調)』から生で歌ってやったんだぜ? ありがたく思えよ」
 「えええええええ!!!???
  どーりで
CD聴いてる時とちょっと違うトコロで音外してるなって思ったら・・・・・・!!!」
 「・・・・・・うっせーぞ」
 「そんな・・・!! 家にきてやってくれたならこの上なく盛大に祝って喜ぶというのになんでまた学校なんかで・・・・・・!!!」
 「俺だって知りてーよ。そこで笑ってるやつに無理矢理連れて来られた挙句に歌わせられてんだよ」
 「ちなみに、そんなわけでずっとマイク入ってるよ?」
 「え・・・・・・?」
 (ずっと・・・・・・? そういえば今跡部が触った時けっこー響いてたわね・・・・・・・・・・・・)
 思い出す。入って来たときから自分は何をくっちゃべっていた?
 (――――――――――――!!!!!!!!!!!!!)
 「のあああああああああああああ!!!!!!!!!」
 「・・・・・・バカ澤か・・・・・・?」
 「あれは『ぬあああああ!!!』じゃなかったっけ?」
 「違うわああああああ!!! 大体なんでアンタたちが青学対聖ルド戦知ってんのよ!?
  それはともかくてゆーか何!? 最初っから全っ部! 流れてたワケ!!??」
 「もちろん。その辺りにぬかりはないよ」
 「ぬからせろ思いっきり!! なんでそういう致命的な事を飄々とやってのけるのよ!!!」
 「え? 別に。ただみんなにもの日常を知ってもらおうと―――」
 「知られたくないから今まで頑張ってきたんでしょうが!! あっさりバラすな!!!」
 「まあバレたなら仕方ないよ。諦めなよおとなしく」
 「何根本的原因が他人顔して説得まがいのことしてんのよ!!」
 ぜ〜は〜ぜ〜は〜ぜ〜は〜。
 あーなんかもう疲れた。
 この2人の説得はもう絶対無理そう・・・・・・。
 まあ・・・、それこそ烈の台詞じゃないけどもうなんと言おうと取り返しのつかないことってのはあるワケで・・・。
 だったらもう開き直るっきゃないっしょ!!
 「―――わかったわ」
 「ああ、ついにも悟りを開いたんだね」
 「今更何開きやがるんだ? コイツが」
 「と! いうわけで!!」
 と一気に2人と間を詰め、跡部が反応できない内に(なお当然のごとく烈は自分に被害が及ぶ前に逃げた)その手をぎゅっと握った。
 「てめえ、何―――」
 「じゃあリクエスト! もっかい最初っから全部歌って! でもって『俺様の歌に以下略』言ってから『
CROSS WITH YOU』よろしく。あ、あとさっき烈も言った『妥協のない芸術』もね。直接あの囁き声言ってるトコ見たいわ!!」
 ポイントは迫力もとい熱心さ。キラキラと瞳を輝かせ言う私にさすがにたじろぐ跡部。そして災難から離れた烈は―――
 「あーあ。哀里、いいの? 君が好きそうだなって思って跡部君以外に不二君と千石君、それに佐伯君にも来てもらったんだけど」
 「えええええええ!!!???」
 掴んでいた跡部の手を放り捨て顔を上げるその先には、
 狭いこの放送室で今まで一体どこにいたんだか、烈の言った通りの3人がにこやかに手を振っていた。
 「うっそ! マジマジ!? や〜りぃっ!!」
 「・・・
さん、今君ちょっと芥川君入ってたよ?」
 「つーか俺との扱いの差は何なんだ・・・?」
 「まあまあ跡部くん、そう落ち込まないでv」
 「落ち込んでねーよ!!」
 「残念。これで落ち込んでたら笑ってやったのに」
 「てめえも本気で残念そうな顔すんじゃねえ!!」
 なんだかいろいろ大混乱。とりあえず私の後にしゃべったのは跡部挟んで不二先輩・千石さん・サエの順。
 「じゃあこっちもリクオッケー!? じゃあじゃあさっきの訂正! 『
October』と『方舟』、『CROSS WITH YOU』は4人でハモって!! あと『Stage』と『Go To The Top!』は千石さんと、『No Wouder』と『ソラトルの鳥かご』はサエと、でもって『BOYS CLOUD』は不二先輩とデュエット希望!! でもって『エデンの向こうへ 〜the other side of Eden〜』はサビがハモリでカタカナ部分が千石さんでよろしく!! あ〜でも手塚いなくて残念! 『Spirit Way』と『insight』は手塚とハモって欲しかった・・・! もちろんピアノ伴奏は跡部様ではなく手塚に・・・!!
  あ! 別に跡部メインじゃなくってもいいのか! じゃあぜひ『
Black Rain』と『My Time』、それに『僕のLucky』と『サンセット・ウェイ』をそれぞれに! 『Feel my soul 〜闘いの中で〜』は不二先輩もちろんメインで後3人が合いの手を!!
  あ〜これまた残念! リョーマがさらにいればキミオモ(『瞳を閉じて 心のまま 僕は君を想う』)デュエットやって欲しかった〜!!!」
 「ってよくスラスラそれだけ出てくるね・・・・・・」
 「もしかして最初から何か狙ってた?」
 「いえいえ日々の妄想の賜物よ。
  というわけでよろしく!」
 と鼻息荒く握り拳で喜ぶ私の前で―――
 『はい。では昼休みも残り
10分となりましたので本日の校内放送を終わりにさせていただきます。みなさまお聞きいただきありがとうございました』
 ブツッ―――。
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・終わり?」
 「うん。終わり」
 「じゃあ僕達も帰ろうか」
 「あ〜あ。俺も歌いたかった〜」
 「ていうか俺は何しに千葉から来たんだ・・・・・・?」
 「とんだ無駄足だったぜ」
 「ウス」
 「みんな協力ありがとー。このお礼はぜひさせてもらうよ」
 言うだけ言って去っていくみんな。これまたにこやかに手を振る烈。
 再び思い出す。
 星馬烈――――――人呼んで『ミスター嫌がらせ王』。
 くるりと振り向く烈の顔は、
 やはりいつも通りの楽しそうな笑顔だった。
 「残念だったね、
 「どちくしょーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」







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 なんだったんだこの昼休みは・・・。レツゴ高校生メンツ主役の筈がなぜか跡部様一同出張ってるし。ある意味メチャバトの真髄、全て知らなければ全くわからない話でした。
 まあとりあえず曲のデュエット云々は実際私がやって欲しいな〜と思ったものです。しかしよくよく考えるとリョーマと不二先輩のデュエットって・・・・・・聞き分け困難?

2003.12.8




































11/17  a.m. 0:00

千石 清純

タイトル:お誕生日おめでと〜vv


 今日は君にとって最高のラッキーDAY!  でもって俺にとっては2番目のラッキーDAY! 全力でお祝いしちゃうよ!!

 え?  1番じゃないのかって?  残念。これだけは譲れないよ。

 1番はもちろん君に出会えた日。そりゃ今日がなかったらこの日もなかったワケだ

 けどね。でもやっぱ始まりの日って大切にしたいじゃん。

 ―――あ、じゃあやっぱ今日も大切な日か。今日は君の、28日は俺の、でもって出会った日は俺たち2人のラッキーDAY。ずっと大切にしようね。

 ま、なんにしてもさ、



 HAPPY BIRTHDAY

 このラッキーDAYが、君にも俺にも幸せを運んでくれますように。



 ―――な〜んて、もー最っ高の幸せ運んでもらってるけどね。



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11/17  a.m. 0:20

高石 タケル

タイトル:久しぶりだね


  元気にしてた? どう、最近?

  僕の方は相変わらずかな。毎日大輔くんのバカな騒動に付き合わされたり時々お兄ちゃんの家に行ったり。



  ーーなんてね。

  HAPPY BIRTHDAY! 
歳おめでとう。



  クス…。怒った?  なかなか言わないから忘れてるんじゃないかって。

  忘れてるわけないでしょ?  こんな大切な日。ありきたりな言葉になっちゃう

  けど、この日君が生まれてくれたからこそ僕達は出会い、そして今こうしてメールのやり取りなんてことも出来るんだから。
 そんなこの日を、僕は永遠に感謝し続けるよ。



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11/17  a.m. 3:20

不来 裕也

タイトル:誕生日おめでとさん


 何や。聞いたトコによるとお前今日誕生日やったんやって? そらめでたいわ。お祝いせななー。プレゼント、何がええか? あ、先釘刺しとくけど常識的なもんにせえよ。どっかの阿呆らみたいに無理無茶無謀なもんは止めとき。ちゅーか半端に言われとったらホンマに用意するで? そん時嫌がっても手遅れやからな。だから、その―――


 あ…


 その、なんちゅーか…


 せやから……




 ―――ホンマ、おめでとうな。



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11/17  a.m. 4:40

不二 周助

タイトル:お誕生日おめでとう


 ―――ふふ。捻りのない言葉で驚いた?  そうだね。僕も驚いたよ。こんな風にストレートに気持ち言うなんて事めったにないからさ。

 でも、はっきりと言いたかったんだ。何百回でも、何千回でも、いや、何回言ったところで全然足りないんだろうね。

 だから、改めてこの1回に気持ちの全てを込めるよ。



 ―――誕生日、おめでとう。



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11/17  a.m. 5:00

乾 貞治

タイトル:データによると…


 確か今日は君の誕生日だね。
歳の。おめでとう、と言わせてもらうよ。

 君自身がこの事象―――平たく言えばイベントをどう受け止めているのか、それは残念ながら俺にはわからない。

 データによってわかるのはあくまで事実として起こっている事、そしてそこから推測される事だけだからね。直接君の『気持ち』はわからない。

 だが代わりにもう1つ、わかることがある。俺の『気持ち』だ。



 俺は君がこの世界に生まれて来た事、ひいては今日というこの日を嬉しく思うよ。

 だから祝わせてくれ。



 ―――誕生日  おめでとう



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11/17  a.m. 6:25

越前 リョーマ

タイトル:誕生日おめでとう


 はい。ちゃんと言われたとおり祝ったからね。全く、なんでわざわざ早起きしてまで祝わなきゃいけないんだか。少しは人の迷惑ってのも考えてよね。

 それはいいとして。

 これでアンタもようやく
歳ってワケ。ちょっとはそれっぽく見えるようになった?

 …まあ絶対ムリだろうけど。


 とりあえずさ、



 ―――HAPPY BIRTHDAY  




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11/17  a.m. 9:00

ミハエル=フリードリヒ=フォン=ヴァイツセッカー

タイトル:お誕生日おめでとう!


 やあ。久しぶりだね。いきなりメール送っちゃったけど、少しでも早くキミのお誕生日を祝いたかったんだ。

 ボクもお祝いしてもらったゃったしね。すっごく嬉しかったよ。ありがとう。



 ああ。話ずれちゃった。

 ねえ、何才になったの?  ―――って女の子に聞くのは何処の国でもマナー違反かな?  いくつになってもずっと仲良くしていこうね。


 じゃあ、最後にもう1回言わせてね。




 お誕生日本当におめでとう。



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11/17  p.m. 3:00

スバル

タイトル:唐突な事なんだが…


 俺の住む星アルクトスでは、毎年その人が生まれた日…生誕日を周りの者みんなが祝う、という習わしがあるんだ…。

 地球でそういった風習があるのかはわからない…。

 だがどうしても一言祝いたかったので…これを送った…。



 前置きが長くてすまない。それと…



 生誕日、おめでとう。



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11/17  p.m. 5:00

石田 ヤマト

タイトル:え〜っと……


 誕生日、おめでとう。いよいよ
歳なんだな。これからもよろしく。


 ……


 ―――って、笑うなよな!  いっくら作詞担当だからって気の利いたセリフがぽんぽん浮かんで来るほど器用じゃねーんだよ俺は!!

 って…。

 なんか全然ワケわかんねーノリになってるな。悪い。

 だから……



 ……



 ―――あー! やっぱ思いつかねえ!!

 とにかく!



 ―――誕生日おめでとう。



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11/17  p.m. 8:00

草薙 北斗

タイトル:あの…、え〜っと……


 元気、かな? 今日寒いね。


 …って手紙じゃないんだからこんな出だしじゃなくってその……。


 あ、ごめん。メールって慣れてないから何書いていいかわかんなくって…。


 ―――ってだからそうじゃなくって!


 えっと、なんか前置きが長くなっちゃったけど、お誕生日おめでとう。これからもよろしくね。

 ……ってこれじゃ年賀状か。


 とにかく、




 ―――おめでとう。



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11/17  p.m. 11:59

星馬 烈

タイトル:1日の終わりに


 いきなりだけどHAPPY BIRTHDAY! 
歳おめでとう!



 ―――あはは。何にも言わないから忘れてるって思ってた?

 まさか。そんなわけないでしょう? 僕がこんな大切な日、忘れるなんて。

 でもさ、



 やっぱだからって普通にお祝いするのもおかしいでしょ? やっぱり僕だし―――って、一応僕だって自分の性格くらいは把握してるつもりだけどね。

 それに君は人気者だから。きっとみんなにお祝いされてるだろうしね。

 もちろんそれが嫌なワケじゃないよ。それだけ君に魅力があるって事でさ。

 けど―――やっぱりせっかくの誕生日なんだから、大勢の中の一人、じゃなくて『僕』として君にお祝いしたいって思ってね。だから普通の逆にいってみたよ。

 知ってる? 人間―――に限らないけど、覚えやすいのは最初と最後なんだって。そして最後の印象が強いと前のものを全て打ち消すんだって。

 そんな風になれるといいな。―――なんてね。



 じゃあ、夜遅くにごめんね。明日は朝一番に君に会って、そして一日遅れのおめでとうを直接言いたいな。



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