テニプリ『天才〜』編1(不二とリョーマ)
「ねえリョーマ君、神様って何でも出来るんだよ?」
「はあ? アンタまた何ワケわかんない事言ってんの?」
「それもね、自分のために何かするんじゃないんだ。自分の好きな人が幸せになれるようにって、その人の願いを叶えていくんだ」
「その神様ってのも馬鹿だね。何でも出来るんだったらまずその好きな人どうにかすればいいのに」
「やっぱりそう思う?」
「そりゃもちろん――――――うわっ!?」
いきなり体が動かなくなる。びくりと震え、弾みにポンタの缶を落としてしまった。
「何だよいきなり・・・・・・ってコレ金縛り!?」
焦るリョーマ。しかしそれは力技で抜け出せるものではないようで。
「しゅ、周助!! アンタ何やったんだよ!?」
間違いなく原因たる存在を睨みつける。こんな事態を前に、その人物はいつも通りのにこにことした笑顔で、
「あのねリョーマ君。さっき君も言ったよね? 『何でも出来るんだったらまずその好きな人どうにかすればいいのに』って。
―――だからまず君をどうにかしようと思うんだ」
「ワケわかんないし!!
ってうわあああああああ!!!!????」
後は、ただただリョーマの叫び声だけがいつまでも響き渡り続けるのみだった。
冗談。世の中にはそれが通じない相手がいる。真面目な人。ノリの悪い人。そして・・・冗談を冗談でなくする人―――Byリョーマ
2004.11.14