テニプリ『天才〜』編3(続? リョーマと不二)



 「ねえリョーマくん、神様って何でも出来るんだよ?」
 「・・・・・・もうその話はいいよ」
 「それもね、自分のために何かするんじゃないんだ。自分の好きな人が幸せになれるようにって、その人の願いを叶えていくんだ」
 「だからいいって言ってんだろ!?」
 「やっぱりそう思う?」
 「何が『やっぱり』なんだよ何が!? 勝手に話進めんな!!」
 怒鳴るリョーマに不二はもちろん聞く耳持たず、
 「だから
やってvv」
 「はあ?」
 「だから、
  ―――
僕の願い叶えて神様vv」
 「・・・・・・・・・・・・」
 リョーマは無言で不二を見やった。いつも通りのにこにことした笑顔。
 ヤバい。この人本気だ・・・・・・。
 付き合って(出会って)まだ1年ちょっとだが、この人がこういう場面で決してふざけないという事は知り合った次の日にはよく理解していた。
 「俺そろそろ帰―――」
 言いかけたリョーマの体が、
 びきり・・・と硬直した。
 「駄目だよ神様。僕の願い叶えてくれなくちゃ」
 「ちょ、ちょっと待って周助。つまりそれって・・・・・・」
 背中中を汗が流れる。非常に嫌な予感。
 それに違う事無く、
 ぴっと指を立て、不二は言った。
 「今後リョーマ君は、僕の願いを叶えるためにずっと存在するんだよvvv」
 「いやだああああああああ!!!!!!!!!」



 いつまでも、ただただリョーマの叫び声だけが響き渡り続けるのみだった。いつまでも、いつまでも・・・・・・。



冗談。この人を相手にそれを期待してはいけない―――Byリョーマ

2004.11.14