烈と不来の場合


1:『こい』について

 烈:「やっぱ見た目命だろ。あの赤と白が」
 不来:「美味くてなんぼのモンやろ? やっぱ見た目良くても中身があかんのやったらなあ・・・」
 烈:「ん? それは何かな? 僕に対する宣戦布告だ、と?」
 不来:「自覚しとるんなら直しいよ」





2:『キス』といえば

 不来:「ああ! 前から疑問やったんよー! 『ファーストキスはレモン味』言うけど、あら唇がレモン味なんかそれとも口内がレモン味なんか!」
 烈:「どっちにしろ地獄だろ。する相手は一瞬で済むけど、される側は常に酸っぱいっていう事だろ?」
 不来:「酸っぱい。つまり口内に胃酸が充満しとるっちゅー事やで? そいついっぺん病院連れてった方がええで? 特にやせの女性やったら要注意や! 神経性食欲不振症っちゅーか食ったモン吐いとる証拠や! その内胃酸足りんようになってアシドーシスになってまうで!」
 烈:「ていうか・・・・・・しょっちゅう吐いてる人とキス?」
 不来:「しかもヤなのはそれだけやあらへんで? そない酸出とるっちゅー事はエナメル質溶かされてもー歯ボロボロやで?」
 烈:「うっわ・・・。その上重度の虫歯か・・・。そんな人とファーストキスなんてヤだなあ・・・・・・」
 不来:「あーお前がレモン味せんでよかったわー・・・」
 烈:「そういうものの見方されると・・・・・・確かによかったなあ」
 不来:「せやろ?」





3:『あい』を語ろう

 烈:「
Eye? 視力はあんまり良くないなあ・・・」
 不来:「いやお前で目の話題言うたらまずその色やろ? 白目が赤いんやったらただの充血やけど、黒目が赤いっちゅーのは・・・ウサギさんかいな」
 烈:「メラニン色素が少ないんだろ。ほら白人の人みたいに」
 不来:「白人の目は碧やろ? 赤までいくと重度やで?」
 烈:「ああ、色素欠乏症[アルビノ]か。生物で習ったなあ。白ウサギも白ヘビも実はそれだって」
 不来:「大変やなあ烈。お前の命もあと僅かや・・・。メラニン色素は免疫反応のひとつ。それがあらへん言う事は全体がヤバい考えるモンやで?」
 烈:「うるさいなあ。これでも僕は体は結構強いんだからな。風邪とかひかないし」
 不来:「風邪は馬鹿はひかんモンやからやろ。ちゅーか『体は』? 頭は弱いんか?」
  どごっ!!





3':『あい』を語ろう
Part

 不来:「よう言うやろ? 『藍は青より出でて青より青し』」
 烈:「違う。言わないから。ていうかそのまんまじゃないかそれじゃあ。藍の方が青より濃いんだから」
 不来:「ほらせやからそのまんまやろ? 世の道理を語ったで?」
 烈:「確かにそっちの方が正しいよな。あまりに正しすぎてわざわざ語る意味がない位に」
 不来:「そこで俺は考えた。これがそれより生まれた新しい標語や」
 烈:「どれどれ・・・。
    『青は赤より紅く赤より蒼い』?」
 不来:「ええ言葉やろ?」
 烈:「・・・・・・明らかに矛盾してないか?」
 不来:「しとらんやろ。
     『豪[あお]は烈[あか]より血が良く出て、烈より顔を青褪めさせる』。ほらぴったりやん」
 烈:「はっはっは上手いなそれ。
    じゃあ次はお前で試すか不来v」
 不来:「さ〜漫才劇場終わりといこかー!!」





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 目覚めて、
 2人が口にしたのは同じ言葉だった。



 「・・・・・・・・・・・・結局」
 「何がやりたかったんや・・・・・・・・・・・・?」



―――Fin







 ―――はい。本気で意味のない話でした。とりあえずキスは魚にしようかと思いありきたりすぎたので止めました。鯉と被りますし。「フライが好きかな?」「俺は塩焼き派やな」なんていう会話もよかったのですが。なおここに書いたのは真に受けてはいけません(当たり前)。

2005.3.3