不二にKOされたクラスメイトの女子(不二に遭遇)


 私は不二君が大好きですv
 そう! 事の起こりは先週の家庭科。少し前から体調の優れなかった私は、調理実習の最中あえなくダウンしてしまった。
 それを保健室まで連れて行って、目が覚めるまでそばにいてくれたのが不二君! 後で聞いたところによると、何とお姫様だっこで連れて行かれたんだって! 不二君ファンの友人達も羨ましそうに怒ってた。
 私は元々は不二君の事、クラスメイトとして親しかっただけであって『好き』っていうほどじゃなかった。だって、ねえ? いつも笑顔で何やってるかよくわかんないし・・・。しかも何やっても完璧って、それ人としてありえないような・・・・・・。
 でもそれをきっかけに、私の中での不二君像はがらりと変わった。まさしく彼こそ白馬に乗った王子様!! あ〜ん私も連れてって〜vvv
 ―――何々? あ、沸騰してる。どうりで熱いと思ったら。
 けど早いわね。愛情は物理的作用まで持ってるのかしら?
 まあそれはともかく不二君―――って味見? まだしてないでしょ味付け?
 え? 不二君がしてくれた? だって今野菜のみじん切りで忙しいはず・・・ってもう終わってるし。速いなあ。さすが天才パーフェクチャー。
 不二君の料理の味見かあ。てへへ。何か新婚っぽい? 夫が作ってくれたのを妻が審査、とかさあ。きゃ〜vv
 では一口。いかせて頂きます!
 はくっ!
 ・・・・・・ってアレ? 今日もなんか具合悪いような・・・・・・。おかしいなあ・・・。今日はちゃんと一緒にいられるようにって・・・・・・、昨日も早く寝たしだから・・・・・・・・・・・・。
 ああ、不二君・・・・・・。
 今日こそ・・・一緒に・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・食べたか、・・・った・・・・・・・・・・・・















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 「―――ってお〜い不二ぃ!!」
 「ん? 何? 英二」
 「『何?』じゃねーよ! また倒れてんじゃねーか!!」
 「また、ってそんな、僕のせいにしないでよ」
 「お前以外の誰のせいなんだよ!? どーせまた何かヘンなモン入れたんだろ!?」
 「そんな事ないよ。僕はごく普通にこしょうとラー油とわさびとマヨネーズ入れただけじゃないか」
 「レシピ見ろよ味噌汁のどこにンなモン突っ込めなんて書いてある!?」
 「えっとここに―――
  ―――あ、ごめん。コレ先週の分だった」
 「先週!? 先週も同じモン入れたってか!? 『反省』っつー言葉はねーのかお前の頭ン中に!?」
 「そんな酷い事言わないでよ。傷ついちゃうじゃないか」
 「ソイツはもう2週連チャンで傷ついてんだろーが腹ン中!!
  お前ちゃんと責任持って保健室運んでやれよ!? でもって仕上がるまで帰ってくんなよ!?」
 「はいはい」















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 「う・・・ん・・・・・・」
 「あ、気がついた?」
 ゆっくりと目を開ける。目の前にあったのは、やっぱり不二君の柔らかい笑顔で。
 「不二、君・・・?」
 起き上がろうとした私を、不二君が優しく押し留める。
 「あ、じっとしてて。まだ快調じゃないでしょ? ゆっくり寝てていいからね」
 「うん・・・・・・」
 ぽ〜っと顔が赤くなる。心地よいまどろみに身を任せ、
 握られた手の温もりを感じながら、私は再び深く眠りについていった・・・・・・。



―――Fin







 ―――相も変わらず不二の人気は凄いなあ。その内まとめて結果(あるいは現状)報告をしようと思いますが、実は総合ランキングでは2位のリョーガあるいは周吾を、倍近い差で突き放しております。
 そんなワケで、今回は直接不二と絡めてみました? 会話シーン少な・・・。そして不二というとどうしても料理が・・・。というか本当に
KOされてたら意味はないんじゃ・・・・・・。

2005.7.31