跡部と付き合うようになった、ごく平凡な女子(跡部に遭遇) <おまけ(+リョガサエ・千不二・ケビリョに遭遇)>



 「ところで跡部さん、さっきので質問なんだけど・・・・・・
  ―――『見た目の良さだけで恋人選ぶんだったら、俺は初恋どころか
10番目の恋人辺りまで全部男が相手になるぜ』って・・・・・・?」
 怪訝な顔で問う私に、
 「あー・・・、まあ、そのだな・・・・・・」
 跡部さんは、顔ごと目を逸らして思い切りどもった。
 そして―――
 どん!!
 突然背中を叩かれ、たたらを踏んだ。
 振り返る跡部さんと一緒に私も見る。跡部さんと同年齢くらいの人から私と同じくらいの子まで取り混ぜ6人。気安さからすると友達らしい。が・・・・・・
 「てめぇら・・・・・・」
 「よっ、景吾。奇遇だな」
 「何だ。跡部も来てたんだ」
 「君ン家行って損しちまったぜ」
 「・・・何で来やがった?」
 「そりゃ〜せっかくのお祭だし?」
 「日本来たんだしこういうのも見てこうかって事でな」
 最初に背中を叩いて声をかけてきたのは、銀髪でカッコいい顔立ちの人。次は茶パツのショートカットで、ぱっと見女性かと間違う位笑顔が優しい人。
 さらに濃い緑色の髪で、顔は綺麗だけど大型の猛獣みたいな雰囲気を醸し出してる人。逆にナンパに手馴れた感じでへらへら笑いを浮かべるオレンジ色の髪の人。
 金髪でちょっと目つきは悪いけど青い目の子は、言葉からして多分外国の子だろう。その割に顔の造りが他の人とあまり変わらないのが凄い。全体的に日本人離れした集団だ。跡部さんもこの中に入れると、全然違和感なくしっくり来る。
 彼らも全員浴衣を着ているが、例外なく完璧に着こなし、おかげで花火も見終え帰ろうとしていた集団は足を止めいい男観察へと標的を変えた。
 で、最後に残ったのがやっぱ緑色の髪の子。向こうが大型の猛獣ならこっちは猫かな? ふてぶてしさではあんまり変わりなし。雰囲気からすると兄弟ってトコかも。
 その子が、ぼそりとズバリと言った。
 「で、その人が跡部さんの彼女っスか?」
 『なっ//!?』
 私と跡部さんは一緒に固まった。
 (そりゃキ・・・キスとかもしちゃったけど・・・! け、けどそんなかの・・・かの・・・彼女なんて恥ずかしい////!!)
 鼻血噴く寸前まで紅潮した頬を手で包む私。そして、
 「わ〜v ついに跡部くんにも彼女が出来たか〜vv」
 「大人になったなあ景吾」
 「ひゅーひゅー♪ 見せ付けてくれるねえ」
 「そ・・・//!! そんなんじゃねーよ//!!」
 「照れちゃって、か〜わい〜♪」
 「けっ! 見せ付けてんじゃねーよ・・・!!」
 「何ケビン。そういうの羨ましいの?」
 「ああそーだな・・・!! 冷やかされても照れるどころかマジで気付いてすらくんねーヤツに比べりゃな・・・・・・(泣)!!」
 「まあ頑張れよケビン。チビ助はテニス以外はすっからかんだけどな、頑張ればいつか成果は出てくるモンだ。俺たちみたいにな〜佐伯vv」
 どごっ!!
 「学習の成果は今だに出てこないらしいな」
 「うわ・・・。相変わらず不幸だねリョーガ君」
 「っていうか、浴衣でよくかかと落としなんて出来たねサエくん・・・」
 「すぐ開けるようになってるからな」
 「見せなくていい見せなくて!!」
 「人前でストリップショーなんてやってんじゃねえ!!」
 ごがっ!!
 「オラてめぇら邪魔だ。さっさと帰れ」
 「は〜いはい」
 「じゃ、頑張ってね〜2人とも♪」
 「〜〜〜〜〜!!!」
 まるで嵐のような一団は、本当に嵐のように荒らすだけ荒らしてさっさといなくなってしまった。周りも引き連れ。
 ほとんど2人きりで残され、し〜んと静まり返った高台で。
 「今の、人たちって・・・・・・」
 「一応・・・、昔からの馴染み・・・・・・だな」
 ため息混じりで言う跡部さん。
 もう一度そちら―――もう遠くなってしまったが相変わらず騒がしい方を見て、
 「何となく、納得・・・・・・・・・・・・」
 私も頷いた。頷くしかなかった。
 「確かに・・・・・・





  ――――――顔の良さだけで相手は選びたくないわね」





 「全くだな」



―――おわり







 ―――カッコいい跡部様を書こう特集第1弾! 今回、ついにお相手と結ばれる本来のドリー夢のようになりました! 希望があったら名前入れられるようにしようかな・・・。友人含め、誰も名前入れなかったら異常に大変なものになってしまった・・・・・・。
 しっかしドリー夢というのは、通常キャラクターたちの中に『自分』を紛れ込ませるものでしょうが・・・・・・なんでむしろキャラクターの方が紛れ込んでるようになってんだろう・・・? 跡部がめっさやたらと普通の人に見えてきた・・・・・・。
 では、やったら長い話にお付き合いいただきありがとうございましたvv あ、第2弾は『帝王〜』かな? 周吾がずっと
Topはってますし。カッコ良すぎて法律もモラルも全て無視しそうですが、まあお父さんは強しといったところで。

2005.8.2427