隣人事情
Act7.佐伯と不二・跡部の場合
1.佐伯と不二の場合
「そうだ、不二。そこで俺と打たないか?
せっかくこんなところで会ったんだし、手ぶらで変えるのももったいないしな。
土産話のネタにでも、どう? 相手してくれないかなあ」
「へぇ、おもしろそうだね。いいよ。僕でよければ、よろこんで」
「サンキュー。恩に着るよ」
「―――というワケで不二と試合してきたんだよ」
「へえ〜。不二とかー。関東大会以来か?」
「そうそう。久しぶりでさ。やっぱ楽しかったよ」
「いいのね。俺も不二と試合したいのね」
「僕もやりたい!!」
「ははっ。樹っちゃんはともかく葵はまずは海堂に勝ってからだろ?」
「・・・・・・出たよサエの独り占め」
「サエさん酷い〜!!」
「サエさんさえよければ何でもOK」
ごすっ!
「わかりにくいんだよダビデ!!」
「向こうもみんな元気だって」
「さりげに全部流すなよ。ちょっとは聞いてやれよ・・・・・・」
「でもってまた全国大会で対戦しようね、だって」
「そりゃあ当たるまで頑張んねーとなあ」
「負けないのね〜!」
2.佐伯と跡部の場合
「そうだ、跡部。ちょっと俺と打っていかないか?」
「お前と?」
「せっかくこんなところで会ったんだし、手ぶらで変えるのももったいないしな。
土産話のネタにでも、どう? 相手してくれないかなあ」
「へぇ、おもしろそうだな。いいぜ、遊んでやるよ」
「サンキュー。恩に着るよ」
「―――というワケで跡部と試合してきたんだよ。いやあ。アイツ本っ気でバカだよなあ。必殺技打つのはいいけどその前に技名叫ぶってどうよ? 思わず普通に打ち返しちゃったじゃん。ちょっと寂しそうな目されてもなあ・・・。宣言したアイツがどう見ても悪いだろ。しかも眼力とか頑張るのはいいけど俺の弱点なんて1回見りゃわかるじゃん試合やるたんびに毎回やらなくったって。それこそ思わず毎回毎回そう突っ込んじゃうんだよなあ。『うるせえ! そうしねえと格好つかねえだろ!!』とか返してくるけど、そうやるお前の姿の方がよっぽど格好ついてないし。その上毎回毎回普通に正面から力押しすれば俺なんて簡単に倒せるっていうのにヘンに奇抜な策考えて自分ピンチに追い込むんだよなあ。『策士策に溺れる』の見事なまでの典型例だな。とりあえず眼力でまずは自分の弱点見抜くべきだと思うよ俺は。そんなアイツを見てるとつくづく安心するね。ああ、コイツ全っ然変わってないなあ・・・・・・って」
「・・・・・・・・・・・・本気で『話のネタ』にされてるしな」
「俺らもつくづく思うな。ああ、まだサエと幼馴染みじゃなくてよかった・・・・・・って」
「んでもって別れ際のアイツの台詞がこれまた大爆笑。
『全国で簡単に負けんじゃねえよ』。
―――関東で簡単に負けたアイツに言われてもなあ・・・。説得力ないっていうかむしろ一種の呪言か? とか疑っちゃったよ」
「跡部頑張れ・・・。俺らも精一杯頑張るからな・・・・・・」
「誰かコイツに勝てるヤツ紹介してくれ・・・・・・!!」
―――本気でこの人どんな『土産話』したんだろう・・・?
♪ ♪ ♪ ♪ ♪
はい。久々のラブプリはかつて語り隊の方でちろっと触れたネタでした。こんな『土産話』をして欲しい(無理)!!
2004.9.24