古今東西、誰かは言ったかもしれない。もしくは口にしなくとも誰もが1度は思っただろう。そう、
「イス取りゲーム」ばバトルだと。
イス取りBattle!!
がしゃん!!
騒がしい音を立て、食器類が床に飛び散った。それを追うように切原と、さらに押し倒した神尾が床に倒れこむ。
「おい!!」
止めようと席を立つ一同。だが腰が完全に浮く前に!
どがしゃん!!!
別テーブルから、さらにやかましい音が鳴り響いた。
思わず全員、トラブルも忘れそちらを見やる。さすがにあまりの煩さに、毒気を抜かれケンカしていた2人もまた寝転び取っ組み合ったままそちらを見た。
全員の注目の先では―――
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!!!!!」
頭に盆を全力で叩きつけられ、千石があまりの痛さに声も出せずに悶えていた。
そんな彼の頭に盆を全力で叩きつけ、それでもなぜかその上に載っていた食事を全く零さないなどという器用な芸当を果たした男―――跡部はなおも手にした盆に力を込めながら優雅に囁きかけた。
「よお千石。俺様がいない隙に不二の隣に席取るたあいい度胸してんじゃねえか。ああ?」
「そうだよなあ千石v」
こちらも同じく千石を取り囲んだ佐伯。痛がりながらもギリギリで跡部と拮抗する千石の、
イスの脚を軽く蹴り飛ばした。
「ぉうわっ!!??」
どごん!!!
ついにバランス崩壊。テーブルに―――ならともかく目の前に用意していた食器類にしたたかに頭をぶつけ、顔面瓦割りの如く食器にお盆、全てを砕いた挙句やはりテーブルに頭を打ちつけ、千石はあえなく気を失ったのだった。
食器らと共に割れた頭からダラダラ血が流れ、オレンジ色の髪にグラデーションをつけていく。床に倒れる―――寸前で。
がしっ。
「ゴミはちゃんと片付けねえとなあ」
2人に襟首を掴まれ、食堂入り口へと引き摺られた。
全員の首がそちらへ向き―――
どごっ!! がすっ!! ずどごしゃっ!!
―――何が起こったのかあまり想像したくない音をかもし出した後、1分ほどで2人は戻ってきた。2人は。もちろん千石はここには含まれない。
「さ、て。害獣駆除も終わったところで」
「飯にでもすっか」
何事もなかったかのように言う2人。その手にちょっぴりこびりついた今のところまだ鮮紅である半液体は見なかった事にして、全員の視線がさらに移動する。2人の見ていた先。
そこでは―――
「佐伯も跡部も遅いよ! おなか空いたんだけど!!」
「ごめんね不二、待たせて」
「あーはいはい。悪かったなあ」
「誠意が足りない!!」
「悪かったっつってんだろーが。大体だったらてめぇも千石なんか隣に座らせてんじゃねえよ」
「千石君はいいんだよ席取り係なんだから」
「うわー。不二言い切ったねー・・・・・・」
などと、ほのぼのと会話が続く・・・・・・。
: : : : :
「え〜っと・・・」
「で、何だったっけ・・・・・・?」
話は戻して切原vs神尾。しかしながら、彼らは隣で繰り広げられるあまりの惨劇に、すっかり目的を忘れ去っていたのだった・・・・・・。
―――こうして合宿は平和に・・・・・・
はい。前略合宿ネタその3。またまた6/2放送分より切原vs神尾食堂にての1シーンです。いくらこの2人でも、さらに周りでこれだけやられればさすがに黙るしかないだろうなあ・・・、と。
さってこの辺りで尽きてきたゾ合宿ネタ☆ これからどうなる!? そして学校で食事中、1m隣に見も知らない他人がいる状況下で本気で30分で仕上げた話、おかげですさまじくまとまりがありませんね。ははは(錯乱中)v
2004.6.3