シーン10 リョーガの操縦技術について
ラストに沈没する船から越前兄弟が水上バイクに乗って脱出する場面があります。リョーマは放り出し(もちろん青学メンバーのいるボートの前で)、リョーガが夕日に向かって走るのですが、その後リョーガがくるくる回って見せるまで彼のふらふら操縦は単純にヘタだからだと思っていました。
波にもてあそばれ、左右に蛇行運転するボート。後ろにつかまり乗りをして・・・30秒でリョーマの忍耐が尽きた。
リョーマ:「ああもーリョーガヘタすぎ!! 運転替わって!!」
リョーガ:「あ! ちょっと待てチビ助!! 何お前勝手にハンドル握ってんだよ!!」
リョーマ:「アンタのヘタクソな操縦に比べたら俺がやったほうがマシに決まってんだろ!?」
リョーガ:「俺のテクをヘタクソ呼ばわりしやがって!! 見てろよリョーマ!! その台詞今すぐ撤回させてやるからな!!」
リョーマ:「はあ!? テクう!? アンタのそれのどこが・・・・・・
―――ってアンタがまず前見ろよ俺に言う前に!!」
リョーガ:「へ? あ・・・」
越前兄弟:『うわああああああああ!!!!!!!!!』
リョーマがいつ辿り着くのかと見守っていた青学一同:『えちぜ〜〜〜〜〜〜ん!!!!!!!』(←2人とも『越前』だよ・・・)
どばっしゃあああん!!!!!!
リョーマ:「―――っぷはあ!!」
リョーガ:「いやあ。アレだなアレ。『一難去ってまた一難』」
リョーマ:「何白々しく爽やかに言ってんだよ!! アンタのせいだアンタの!!」
リョーガ:「いや今のは不可抗力だって」
リョーマ:「どこがだ!!」
額の水を拭くリョーガの首をリョーマが絞める。微笑ましい兄弟のたわむれに・・・・・・まあ顔を緩めるのは不二くらいのモンだろう。
そこへ・・・
ブウウウウウウウウウウ――――――!
跡部様、ボートより登場。2人を見下ろし、
跡部:「何やってんだ? お前ら」
リョーマ:「あ、跡部さん・・・・・・」
リョーガ:「おお跡部クン! やっぱ君は何だかんだ言いつつ俺の事愛してくれてるんだね! わざわざ俺を助けに来てくれるなんて!!」
リョーマ&跡部:『死んで来い今すぐ』
どごがっ。
頭の上にいかりを落とされぶくぶく沈むリョーガ。2人で綺麗に無視し、
跡部:「ほらよ」
リョーマ:「ども」
差し出された手をリョーマが素直に受け取った。引っ張り上げられ・・・・・・そのまま抱え上げられる。
リョーマ:「・・・・・・は?」
跡部:「んじゃお前ら、越前はもらってくぜ。ああ、日本にゃ俺が責任もって送り届けてやる。安心してゆっくり帰って来い。
じゃあな」
英二:「え・・・? あの、ちょ・・・・・・」
跡部:「で? リョーマ、どこ行きたい? ハワイか? グアムか? 沖縄か?」
不二:「なんでだんだん近場になってるのさ跡部・・・?」
リョーマ:「っていうか、東京行きたいんだけど・・・・・・」
跡部:「わかった。八丈島だな。お前も乙な事言うじゃねえの」
リョーマ:「どこ!?」
跡部:「よし行くぜ八丈島!!」
リョーマ:「いやだあああああああ!!!!!!!!!!」
ブウウウウウウウウウウ――――――・・・・・・
リョーマ:「うわああああああぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ・・・・・・・・・・・・」
桃:「えちぜ〜ん!! 俺のえっちぜ〜〜〜ん!!!!!!」
大石:「ていうか跡部・・・。
・・・・・・出来れば俺たちも送ってくれないか? 日本へ・・・・・・」
―――Fin
・・・・・・だから結局ここはどこなんだよ!? 『無事日本へ帰りたいなら〜』・・・・・・って日本じゃねえのか!? それとも日本かあの世かか!?
そして本編では夕日の向こうへと消えていったリョーガ。・・・・・・あのままどこ行く気だよ彼・・・・・・。
2005.2.1