「跡部! お前と佐伯が付き合っているというのは本当なのか!?」
 「何でそうなる!!??」



 それは、よく晴れた日の事だった・・・・・・。







誤解失敗誰のせい?








 最近ようやっと手塚といわゆる恋人関係となった跡部景吾。彼にはひとつの大きな悩みがある。
 「なあ・・・・・・、手塚って俺の事本っ当ぉーに! 好きなのか?」
 「そりゃまた・・・・・・、随分根本的な悩みだなあ・・・・・・」
 なんとなく一緒にいてなんとなく愚痴を聞いていた佐伯が、なんとなくそう返した。他に返しようがなかったからとも言えるが。
 「で、なんでそんな事思ったワケ?」
 同じく一緒にいたジローが尋ねた。
 「だってよう・・・・・・」
 呟く跡部。僅かに口を尖らせ、まるで駄々っ子のようだ。極めて珍しい。
 「ずっとアタックしてんの俺なんだぜ? よくよく考えてみりゃアイツから『好き』の一言も聞いた事ねえよ。デートだの電話だのなんてのも全部俺がするのにアイツが答えるだけだしさ、アイツ俺にやられてそんで付き合ってるだけじゃねえのか?」
 「なるほどねえ・・・・・・」
 不二が、跡部にはわからないよう苦笑する。ならば絶対手塚は跡部の事を特別に想っている。少なくとも跡部の言うところの『付き合い』で、ではない。手塚はそんな事が出来るほど器用ではない。嫌ならばはっきりと断る。それが彼の流儀だ。
 手塚といるとわかる。彼は意外と理性の人間ではない。感情ははっきり出るのだ。ただしその出方が人より小さいからこそ気付く人間が少ないだけで。そしてそれは手塚自身もわかっている。だから彼は自分の望み通りにしか動かない。それが最も他者を侮辱しない手段だから。
 今出来たばかりの『恋人関係』の維持と発展に目を向けている跡部はまだそれに気付いていないが、もう少し余裕が出来、周りが見えるようになれば気付くだろう。人の内面を見抜くのが得意な跡部ならば間違いなく。いや―――
 (既にもう出来てるんだけどね。跡部くん自身が気付いてないだけで)
 手塚が跡部を選んだ理由。手塚が跡部のそばにいたがる理由。跡部は無意識の内に手塚の感情の起伏を読み取っているからだ。跡部がデートに誘う時。跡部が電話をかける時。それらは全て手塚が望んだ時だ。手塚自身がそれを察する前に先読みした跡部が行動を起こすから、結果的に跡部ばかりが動いているように見えるだけで。
 (せやけどなあ手塚・・・。そらただの甘えやで)
 だからこうして跡部は悩んでいるというのに。与えるだけの立場というものを知らないわけでもないだろうに。
 千石と忍足もまた、苦笑を浮かべる。彼らは手塚についてさほど知る仲ではなかった。知っていたのは噂の範疇であり、また実際の彼を知ったのは跡部がアタックを掛け始めた頃からだった。知ってすぐに、手塚の印象というものを書き換えた。―――『跡部と互角に子ども』と。
 自分から動く事もせず無償の愛情が与えられると信じる子どもと、
 与えたものに対し同じだけの見返りが返ってくると信じている子ども。
 どちらも間違いなのだ。無償の愛情など存在しない。努力と見返りは比例しない。
 だがそれがわかるほどに2人は闇を見てはいない。2人の目は常に光へと向けられているから。純粋無垢に、穢れを知らぬままここまで育ってしまった。遠ざけたのは、手塚の周りの人間であり―――跡部の周りの自分達である。
 「じゃあさ―――」
 佐伯が再び口を開く。
 面白そうに口端を上げ―――
 「―――こんなんどう?」





 その後佐伯の口から出た提案は、彼にしては極めて普通のものだった。
 「どうした佐伯!?」
 「佐伯めっずらC〜!!」
 「サエくんが普通の事言ったのなんて俺初めて見たかもしんない!!」
 「お前どっか悪いんとちゃうか!?」
 「・・・・・・・・・・・・お前らいっぺん死にたいか?」
 「よかった。サエ正常だね・・・・・・(心底安心して)」
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





 ・・・それはともかくとして、普通であったため特に誰も反対せず、かくて佐伯の作戦どおりとなった。
 作戦内容は―――





 ――――――跡部と
不二が付き合っているというデマを流し、手塚に行動を起こさせるというものだった。










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作戦1.帰り道に待ち伏せ

 「―――はいいけどよ。何でてめぇがいやがる?」
 「俺? お前のお守り」
 「ああ?」
 「お前が逃げないように。お前が阿呆な行動取らないように」
 「・・・・・・いろいろ言いてえ事はあるがそれは流しとくとしてな。
  それだけの用事でわざわざ千葉から来たってか?」
 「お前のためなら当然じゃんv」
 「うあウソくせ・・・・・・」
 青学校門前にて。普段の
200%の笑みを浮べ肩を叩いてくる佐伯に、跡部はげんなりとため息をついた。今日は水曜。氷帝は部活が休みである。・・・・・・六角は知らないが。というか『自主練』とかホザいてた時点で間違いなく部活ありだろう。どころかヘタすると授業もサボってきたのではないだろうか。
 六角からここまで電車では軽く2時間(と片道
2000円以上)かかる距離だというのに、そんな用事でわざわざ出向いてきたらしいこの男は。まあ帰りはどうせ自分(の家のハイヤー)が送るハメになるのだろうが。
 「あ、手塚と周ちゃん来たぞ」
 「見りゃわかる・・・!」
 青学もどうやら部活が終了したらしい。既に部員の何人かが横を通り過ぎていった時点でとっくに終了しているのだろうが。
 出てきたのは部長として日誌を書いて顧問に報告していた手塚とかぎ当番の大石、そして適当に理由を付けラストまで残っていた不二―――とさらにそんな不二の様子から何かを悟ったか、あるいは入り口で自分達が待っているという噂を聞いて面白がってか残っていた英二とリョーマという顔ぶれだった。
 「なんつーか・・・、オプション多くねえ?」
 「だからいいんだって。特にあからさまにおしゃべりな菊丸がいれば噂は電光石火の勢いで広まるよ。しかもウソはつけなさそうな大石に、一番『噂』に疎そうな越前が証人となれば信憑性ばっちり」
 「手塚が直接見りゃそれで充分なんじゃねえのか?」
 「甘いなあ景吾。こういうのは心無い他人から聞くからいいんだって。たとえ直接見た時は違うって否定出来ても、面白おかしく誇張された話は否定出来ない。しようにも情報は一方的だ。いきなり肯定はしなくとも、少なくとも疑心暗鬼にはなる」
 「手塚がなるか? 意志の塊みてえなヤツじゃねえか」
 「そこは周ちゃんの実力次第さ。周ちゃんを前にして、どこまで『理性的』でいられるかな?
  ―――ああ悪いな。『不二』か。お前の『恋人』名前で呼んじゃ悪いよな」
 「別にンなトコまで・・・・・・」
 言いかけたところで、
 「あれ? 跡べーじゃん」
 「佐伯まで。どうしたんだ?」
 さすが黄金ペア。同時に気付いたらしく、声をかけてくる。
 佐伯は目立たない程度に不二へと目配せし、死角から跡部を肘で突付いた。
 どごっ!
 「〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
 「あれ? どうした景吾?」
 「てめぇの肘打ちがモロに脇腹に食い込んだんだけどな・・・・・・!!
  と、とりあえず部活終わったか」
 「ああ」
 と、歩み寄ろうとした手塚を遮り―――
 「景〜v」
 不二がにっこりと笑って駆け寄った。その顔に浮べられている笑みといったらもう誰も見た事ないレベルで(跡部含)。しかも駆け寄るなり跡部の腕を取り絡み付いちゃったりして。
 「(な、なあ・・・。さすがにやりすぎじゃねえ・・・・・・?)」
 「(何言ってんのさ。この位やった方がインパクト大でしょ?)」
 「(それにホラ見ろよ。手塚だって動揺してるぞ・・・多分)」
 「(多分って何だよ多分って!!)」
 視線を逸らした佐伯を追おうとして―――ぐいと不二の方へと向き直させられる。
 「(ほら演技演技)」
 「(そ、そういやそうだっだな・・・・・・)」
 耳元で囁かれ、そもそもここに来た理由を思い出した。
 「よお周。随分待たせんじゃねえの、アーン?」
 「ごめんごめん。まさか来てくれるとは思わなくってv」
 「バーカ。迎えに位だったらいつでも行くに決まってんだろ? 1分1秒でも早くお前に会うためだったらな」
 「も〜景ってば〜」
 頬を撫で髪を掻き上げ耳元に囁いて唇をつけて。後半フリだけだったが角度調節は完璧だ。向こうからはちゃんとやっているように見えただろう。くすぐったげな不二の演技もそれを助長している。さすが天才。細かいところも抜かりはない。
 「(おーさっすが慣れてるなー)」
 「(うっせー)」
 佐伯の揶揄は無視して、肝心の主の反応を見る。微妙ながら眉間の皺が増えているような気がする。
 「(さっそく効果発現?)」
 「(うっせーつってんだろ?)」
 そう答える跡部の顔は、心なしか少し緩んでいて。
 跡部が不二から体を離す。いよいよ手塚と向き合い、
 「よお手塚。久しぶりだな。どうだ調子は?」
 「む・・・。まあまあだな」
 「(どーだよ聞いたか今の手塚の反応)」
 「(はいはい見ました聞きました。タイミングは遅れる内容は曖昧。モロに動揺してる証だな)」
 「ハーハッハ!! やっぱ俺様の―――!!」
 ごがげんっ!!
 「そこで騒ぐな舞い上がるな!!」
 自分に酔いしれかけた跡部を、テニスバッグで殴って黙らせる。
 沈黙した一同を前に・・・
 「はははっ。いきなり邪魔して悪かったな。じゃあ行こうか、不二」
 「そうだね。じゃあみんな、また明日」
 そんな、どうしようもないほど不自然なノリを爽やかさで誤魔化し、佐伯(と不二)は跡部を引きずったまま去っていったのであった・・・・・・。










作戦2.街中で偶然遭遇

 「これが休日における手塚の行動パターン。乾のデータよりだから間違いはないよ」
 「やったじゃん不二!」
 「けど、よくンなモンもらってこれたな」
 「乾汁の実験台になるって言ったらあっさりもらえたよ」
 「大丈夫か周!?」
 「大丈夫だって。美味しかったもの」
 「さすが不二。その点での心配は無用だね。
  じゃあここらへんで会うことにしようか。2人ともデートっぽくな」
 「了解v」
 「ま、いいぜ」





 「ところでサエ、質問なんだけど・・・
  ―――なんで僕の事、ずっと『不二』って呼んでんの?」
 「え? だってどこに人目があるかわかんないじゃん。『壁に耳あり障子にメアリー』ってね」
 「そういうもの?」
 「・・・誰だよ『メアリー』?」
 「ほら、いただろ?」
 「ああ確かにね」
 「俺は当事者だ!!」





 さて、作戦決行当日。
 「む・・・?」
 予定表どおり本屋から出てきた手塚。出てきたところで、
 彼らと遭遇した。
 「あれは不二・・・に、跡部・・・・・・?」
 目の前から、仲良く歩く2人が近付いてくる。不二の抱えるパンフレットからすると、2人は映画にでも行った帰りだろうか?
 (なるほど。それで今週は何の約束も取り付けなかったのか・・・・・・)
 納得し、踵を返した―――ところで。
 「む・・・?」
 「あれ? 手塚。偶然だな」
 今度はなぜか1人でこんなところにいた佐伯と遭遇した。
 「どうしたんだ?」
 「いや別に。ちょっと買い物来ただけだよ」
 「地元ですればいいのではないか?」
 「さりげな嫌味か・・・? 悪いなあ。そこまでウチの地元充実してないんだよ」
 「いや、そういう意味ではなく・・・。
  いくらなんでもここまでは遠くないかと思ったものでな。電車賃だけで馬鹿にならないだろう?」
 「ああ大丈夫。景吾に送らせてるから交通費タダだし」
 「景吾・・・・・・というと跡部の事か。
  そういえばその跡部が今―――」
 話題を今見た2人に振りかけた――――――ところで。
 「ああ? 手塚じゃねえの」
 「やあ手塚」
 2人もまたこちらに気付いていたらしい。指し示すまでもなく近付いて来た。
 「跡部、不二。奇遇だな」
 そっけない挨拶。いつも通りと言えばいつも通り。いつも通りと言わなければ―――
 ――――――現在気の利いた挨拶が浮かばないほど動揺中。
 『当事者』こと跡部は後者と取ったらしい。こちらはこちらでいつも通りとも言えるが、若干気分良さげに返事する。
 「ホント奇遇だな。どうしたよ?」
 「俺は本を買いに来たのだが・・・。
  お前たちこそどうした?」
 地雷スイッチオン。
 跡部のテンションが一気に上がった。空気でも浮れているのがモロに伝わる。
 「俺か? 俺らは映画観てたんだよ」
 踊り狂いたいのを必死に堪え平静を保つ跡部。涙なしでは見られない努力の様に、それでも不二はポーカーフェイスでかろうじて隠し、
 そして佐伯は顔を引きつらせ肩を震わせた。
 爆笑半歩手前の佐伯を、跡部が睨んで牽制する。
 「(てめぇ台無しにしやがったらぶっ殺す・・・!!)」
 「(はいはい大丈夫だって。笑うのは後でたっぷりするから)」
 「(〜〜〜〜〜〜!!!)」
 アイコンタクトにてそんな会話をする2人。一応問題が解決し(ついでに跡部のテンションもかろうじて通常レベルに戻った)ところで。
 「景、そろそろ行こうよ」
 (これ以上跡部が暴動を起こさないよう)不二がちょいちょいと跡部の袖を引っ張った。
 「そうだな、周。
  んじゃあな、手塚」
 「ああ、・・・・・・」
 小さく呟く手塚。何か言いたげだが、喉の奥に押し込み2人を見送る。見送られるままに、跡部は手を振りカッコよく踵を返した。
 (よしよし。今回は上手くいきそうだな)
 正しく理想の様。いや前回を考慮に入れるとむしろ理想過ぎる様に、佐伯が小さく頷く。不二もまた死角で指を立てサインを送ってくる。
 と、
 問題はここで発生した。
 「あ、ねえねえキミたち! キミたちすっごいカッコいいよね。さっきから凄く目立ってるよ」
 「どう? 私たちとお茶でもしない? もちろん奢るわよ?」
 いわゆる逆ナンパ。
20歳程度のお姉さま2人が、去りかけていた跡部と不二に声をかけた。
 普通に考えればこれがハプニングなのだろうが、この2人においてはこの程度日常茶飯事だ。これ自体はどうでもいい。あっさり断って終わる――――――筈だった。
 問題はこの後起こった。
 一応攻らしく(設定跡部×不二)、かばうように不二を下がらせ、跡部がにやりと笑った。
 笑い、
 跡部はここ最近でクセになった台詞を言う。
 「悪りいな。今俺はて―――」
 「違う!!」
 ごすっ!
 致命的台詞を言おうとした跡部の後頭部に買ったばかりのもの(と一緒に紛れ込ませていた、こんな事もあるんじゃないかと用意しておいた拳大の尖った石)をぶん投げる。そんな事をするのはもちろん彼1人。
 「ってーな佐伯何しやがる!?」
 頭を押さえ振り向く跡部に、佐伯は指を突きつけ怒鳴り返した。
 「今お前何しようとした!?」
 「ああ!? だから俺は―――!!」
 「その先は言わないでいい!!」
 どごすっ!!
 自分で訊いておいてなんだが・・・
 ―――繰り返させれば結局止めた意味がない事に気付き、今度は直接(脚で)止める佐伯。前回同様の展開に、
 「はははっ。またしてもいきなり邪魔して悪かったな。じゃあ行こうか、不二」
 「そうだね。じゃあ手塚、また明日」
 これまた前回同様、明らかに不自然な流れを爽やかさで誤魔化し、佐伯(と不二)は跡部を引きずったまま去っていったのであった・・・・・・・・・・・・。










作戦3.試合の観戦

 「というわけで前回2回の失敗の原因を分析すると―――」
 「てめぇが絡むから悪りいんだな」
 ごん!
 「というわけで前回2回の失敗の原因を分析すると―――
  跡部が行動を起こすから悪いんだ」
 「そうだねえ」
 「・・・そうか? 誰がどう見ても―――」
 がん!
 「だから今回は不二に行動を起こしてもらおう!
  ―――という計画でどうかな?」
 「僕は別にいいよ」
 「・・・・・・つーか、てめぇが企画してるってのが何よりもの失敗の原因なんじゃ―――」
 ごがしゃん!
 「じゃあ来週の大会で、不二は手塚連れて景吾の応援に行ってね」
 「ああなるほど。それで僕が景の応援をして、景が応える、と」
 「そうそう。そんな感じで。
  まあ後出来れば景吾が『この勝利をお前に捧げるぜ、周!』とか言うと理想的なんだけどなあ」
 「・・・・・・・・・・・・なあ、ところでその大会って――――――」
 どこげしっ!!
 「・・・・・・。今何か殴る原因あったっけ?」
 「ああ、そういやノリで殴ったけど、結局景吾何言いたかったんだろうな?」
 「さあ?」
 「ま、いっか」
 「そうだね」





 跡部を残したまま立ち去る2人。取り残され、
 「その大会で当たる相手って・・・・・・
  ――――――てめぇじゃねえのか? 佐伯・・・・・・」
 跡部は1人、今までの反省より早くも失敗を予感していた・・・・・・。





 大会当日。
 「ねえ手塚! 次景の試合なんだって! 見に行こうよ!」
 「む・・・。そうだな」
 常ならぬハイテンションな不二に引っ張られるまま移動していく手塚。遠くからでも聞こえる跡部コールに、不二の言うとおりかの人物がこれから試合を行うらしいという事は理解した。
 観客を押しのけフェンスまで前進。確かにコート内には問題の男がいた。問題の男―――跡部と、佐伯が。
 「・・・・・・あれ?」
 「どうした? 不二」
 「いや、別に」
 「そうか」
 思わず声を上げる。耳聡く問いてくる手塚に笑って誤魔化し、
 (サエだったんだ、相手・・・・・・)
 ・・・・・・不二もまた、この時点で作戦の失敗を確信した。
 確信して・・・
 (ま、いっか。損するの僕じゃないし)
 あっさり切り捨て作戦決行。とはいっても現在まだ
OPパフォーマンス途中。今行ったところで声は掻き消されるだろう。やるならば試合が始まってからか。
 そう考え、まずは手塚に先に仕掛けた。
 「景とサエかあ。どっちが勝つんだろうね?」
 「跡部と佐伯か。確か去年の
Jr.で一緒になったという話を聞いたが」
 「ああ、サエが代理で出たってね」
 「その時試合をしたという話を跡部に聞いたのだが――――――なぜか結果を話そうとしなくてな」
 「まあ、それは・・・・・・」
 「? 知っているのか?」
 「いや? 別に?(即答)」
 「・・・・・・。そうか?」
 先程に続き曖昧に(?)誤魔化す。首を傾げる手塚から視線を逸らし、
 (そりゃ言えないだろうね。苦手なダブルスだった挙句負けたなんて・・・・・・)
 一応現在自分は『跡部の恋人』である。恋人をあまり悪く言うのはマズいだろう。
 というわけで、
 ―――『
全国区として名高い跡部様は、哀れな事にどーしよーもないほど惨めかつ無残に負けたBy対戦相手)』というのは言わない事に決めた。
 「じゃあ手塚はどっちが勝つと思う?」
 さりげなく話題誘導。事実からは切り離し、テニスを通し跡部への気持ちを問う。
 テニスと恋愛は別物だ。手塚ならば贔屓目抜きで公平な判断を下すだろう。ポイントはその先だ。
 (判断は第三者視点で。なら第一者視点なら?)
 一言でも跡部に対しコメントを付け加えるならば脈あり。そうでなくとも跡部について言う際の視線・口調・雰囲気その他諸々。それらからいくらでも判断できる。しかもあくまで表面上はテニスについて尋ねているため手塚も警戒しない。無防備な彼の状態が観察出来るというわけだ。
 「そうだな・・・」
 不二に観察されているとも知らず、手塚はふむと頷いた。
 「跡部はともかく佐伯の実力はまだ全て見たとは言い切れないので判断がつけ辛いが―――」
 「六角戦は乾がビデオ送らなかったっけ?」
 「送られた。だがしかしあれはあくまでダブルスだろう? シングルスならばまた話は異なる。特にあの試合において佐伯はダブルス用の戦い方をしていたからな」
 「まあ確かにねえ。
  で、それを踏まえて君の意見は?」
 「やはり跡部の方が勝つかと」
 「即答なワケね・・・・・・」
 前の溜めは何だったのだろう?
 さすがに肩をコケさせる不二。しかしある意味この手塚の発言は当然のものである。跡部が手塚を認めるのと同様、手塚もまた跡部を唯一無二のライバルだと思っている。つまり―――
 ―――跡部の負けを認めると、自動的に自分も負けるという事になるのだ。最初から実力が違うとわかっている相手ならともかく、実力不明の相手にそれはプライドが許さないのだろう。
 なので目的である次の台詞を引き出そうとして・・・・・・
 いきなり静まり返った周りに、開いていた口から質問の代わりに無音の息を吐いた。
 「・・・・・・?」
 わからないのは手塚も同じ。2人して首を傾げる。なぜか周り全員の注目は、跡部ではなく自分達に向いていた。
 「何だ・・・?」
 「さあ・・・?」
 見渡す―――までもなく、原因は一発で判明した。
 こちらを見ている跡部。今だジャージを着たままという事は、パフォーマンスの途中だったらしい。でありながらぶった切られた理由。実に簡単だ。
 跡部はこちらに向けラケットを翳していた。
 こちらに。
 予定通り不二に――――――ではなく手塚に
 不二の顔から一気に顔から血がひいた。
 瞬間的に悟る。一体どうやったかは不明だが、跡部はあの大声援の中で手塚の言葉を聞き分けたようだ。しかも一体なんでそうなるかは不明だが、跡部の中で今の手塚の言葉は最高の告白と解釈されたらしい。
 全員の注目を浴びる中、
 跡部は『予定通り』の行動に出た。
 「この勝利をお前に捧げるぜ!! てづ―――」
 どごん!!
 外れた視界から飛ばされたテニスボールに頭を打たれ、台詞が強制終了される。
 全員の注目が、
 今度は今までないがしろにされていた人物へと移った。
 その中心で、
 「ああ、失敗失敗。フォルトしちゃったよ。緊張してたのかな?」
 後ろめたさ0%で、佐伯が笑みを浮べて見せた。
 「ちょっと待て佐伯!! てめぇなんでいきなり打ってきやがる!!」
 がばりと起き上がってくる跡部。詰め寄る彼に、しれっと答える。
 「え? だってテニスの試合だろ? 打たなきゃ始まんないじゃん」
 「まだ始まってねえよ!! コールしてねえだろーが!!」
 「なんだしてなかったのか。お前の応援が煩くって聞こえなかったのかと思ってたよ」
 「ンなワケねーだろ!? そもそも握手もしてなきゃサーブ権も決めてねえ!!」
 「だってどうせ
1010俺になんだから」
 「うっせえ!!!」





 なおもぎゃんぎゃん騒ぐ跡部とのらりくらりかわしていく佐伯。周りもだんだんこれが何の大会なのか忘れていく中・・・・・・
 「不二、質問なんだが」
 「何?」
 「跡部と佐伯は常にあんなものなのか? 妙によく争っているように見えるのだが・・・それともたまたま俺がそんな場面ばかり見ているからか?」
 「いや・・・。あの2人が会って争わずに済んだ経験、多分2%もないから『常にあんなもの』だよ」
 もうフォローする気もなくし、不二ははあ・・・とため息をついた。確信どおり作戦失敗。尤も、
 (最初から確信してればむしろ楽、か・・・・・・)
 不二自身、だんだん作戦の目的が不明になっていく。
 (えっと・・・・・・、どうなると成功だったんだっけ・・・・・・?)
 心の中で本気で首を傾げる不二。一方手塚は実際に首を傾げた。横ではなく、前へと。
 「そうか・・・・・・」










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結果発表.青学校門前にて



 「だから、なんでてめぇがいんだよ」
 「そりゃ発案者として結果を最初に知るのは当然の権利だろ? そう思わないか? そうだろ? そうだよなあ」
 「・・・何も言ってねえよ」
 そんな、いつもの会話。交わしている間に結果―――もとい目的の人物がやってきた。またしても以前同様のメンバー・・・
 「・・・・・・・・・・・・あん?」
 「・・・・・・どうしたんだろうな?」
 野次馬を引き連れやってきた手塚に首を傾げる。彼には珍しく、非常に怒った様子の手塚に。
 「確かにあんな手塚見せられたら野次馬くっついてくるよな」
 気楽に呟く佐伯を無視し、跡部は寄りかかっていた壁から身を起こした。自然、向かってくる手塚と向かい合わせになる。
 「よお手塚。てめぇ何―――」
 上げかけた声を、遮られた。
 抱き込まれる勢いで両腕を掴まれる。妖しい雰囲気に歓声を上げる周りはどうでもいいとして、
 「何だよいきなり。らしくねえじゃねえの」
 静かな中に怒りを湛えた手塚の瞳を真正面から見据え―――
 跡部はむしろ笑みを浮べてみせた。陰では佐伯も小さく拳を握っている。
 「(お? これは実は作戦成功?)」
 「(ふっ。俺様がやってんだ。成功して当然だろ?)」
 「(・・・その割になんだか作戦そのものは片っ端っから失敗してたような・・・)」
 「(うっせー! 作戦なんつーのは結果的に成功すりゃいいんだ!!)」
 アイコンタクト終了。改めて手塚を見れば、なぜだかさらに怒りを露にし―――
 言った。
















































 「跡部! お前と佐伯が付き合っているというのは本当なのか!?」
 「何でそうなる!!??」
















































 ひゅるるるるるるるる・・・・・・





 虚しい風が2人の周りを吹き荒れる。分析不能の事態に、反射的に突っ込んだはいいがその先の台詞が思いつかない跡部。こちらは極めて珍しく完全に硬直した佐伯。
 彼らを他所に、事態は進んでいった。
 「だってお前らいつも一緒にいんじゃん!! ケンカしてるクセにずっと!!」
 あからさまにおしゃべりな英二が切り出し、
 「普通そういうのを指して『恋人』って言うんじゃないかな・・・・・・?」
 ウソはつけなさそうな大石が同意し、
 「振られたっスね、手塚部長」
 一番『噂』に疎そうなリョーマがはっきりとそう言った。
 彼らの後押しを受け、
 「そういう事ではないのか!? 跡部! 佐伯!」
 手塚は疑心暗鬼を通り越していきなり肯定派に回っていた。
 「・・・・・・・・・・・・」
 「・・・・・・・・・・・・」
 無言のままの2人。無言のまま、ぎぎぎっ・・・と首を動かした。青学内での情報操作担当者へと。
 2人の前で、
 不二は苦笑して肩を竦めてみせた。
 「なんでかそういう方向で噂が広まっちゃってさ。知った時にはもう止められない状態になってて」
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 空が青かった。雲が白かった。
 周りは静かだった。まるで水の底に潜ったかのように。口を開いてはいるが、声は閉ざされただの反響音として響き渡っている。
 瞳を閉じる。平穏なる世界の到来。ああずっとこうしていたい・・・・・・。
 深呼吸して、落ち着きを取り戻す。
 瞳を開く。現実世界が戻ってきた。腕を掴まれたまま、がくがく揺さぶられていた現実に。
 手塚の声が耳に突き刺さる。
 「やはりそうなのか!? 跡部!」
 「ンなワケねーだろ!? 何壮大に間違えりゃそういう話になる!?」
 パン―――!
 手を振り払い怒鳴り返す跡部・・・・・・のそばで、こちらもなんとなく接近した不二と佐伯がのんびりと突っ込みを入れていた。
 「周り全員が間違えた時点で、意外とこっちで合ってるのかもね」
 「しらばっくれるな!! そうやっていつも一緒にいるではないか!!」
 「そりゃコイツが勝手にくっついてきたからなだけだ!!」
 「酷いなあ景吾。お前1人に任せると心配だからだろ?」
 「それに毎回仲良さげに話しているではないか!!」
 「てめぇは眼科の前に耳鼻科行け!! 俺らの会話のどこが『仲良さげ』なんだ!!」
 「そうかなあ? 僕もああ仲良さそうだなあ、って思うけど」
 「倒れたお前を佐伯が介抱していたではないか!!」
 「倒したヤツが介抱して当然だろ!? それに周じゃ俺の事運べねーだろーが!!」
 「まあ確かに。不二が景吾の事楽々運んだら怖いよな」
 「その呼称についてもだ!! 佐伯はお前の事を名前で呼んでいただろう!?」
 「俺は佐伯を名字でしか呼んでねえよ!!」
 「というか僕と景だってちゃんと名前で呼び合ってたじゃない手塚・・・」
 「この間街で会った際もそうだ! なぜ佐伯がわざわざこちらにまで出てきている!? しかもお前が送っていくだと!?」
 「ンなコイツの事情俺が知るかよ!? しかもこの馬鹿は以前帰りの電車賃がねえからって無賃乗車した挙句駅員に捕まって俺の名前言ったんだぞ!? なんでこの俺様が電車賃も払えねえ貧乏人扱いされて呼び出し喰らわなきゃなんねーんだよ!? そう考えりゃまだ送ってった方がいくらもマシじゃねえか!!」
 「ああ、あの時は笑えたなあ。そんな事やったって母さんにバレたら怒られるからとっさに思いついた名前言ったんだけどさ」
 「それになぜアイコンタクトだけで話題が成立する!? 目を見ただけでわかるなどそれこそ恋人の証ではないのか!?」
 「毎回毎回おんなじ事しか言わなきゃわかるに決まってんだろ!? それだったら『グラウンド何十周』って言う前のお前と青学部員らも恋人っつー事になんだろうが!!」
 「確かにそうだね。言い出す前にみんな走る準備してるしね」
 「話を逸らすな! さらにその後茶に誘われた時もお前が不二を庇ったから佐伯が怒ったのではないのか!? これに関してはその後の試合の際も同じように言える!!」
 「言えねえよ!! むしろ庇わなきゃ怒るんだよソイツは!!」
 「当り前じゃん何を今更v」
 「ならば試合中のはどうなんだ!? 不二に勝利宣言をしたお前に怒ったのではないか!?」
 「どういう屁理屈だそりゃ!」
 「そういえばそういう受け取り方もあったね」
 「大体その辺りの屁理屈だったら全部俺と周の間ででも成り立ってんじゃねえか!!」
 「お前と不二は幼馴染だろう!?」
 「んじゃ俺と景吾は何なんだ・・・?」
 「俺と佐伯だってただの幼馴染だ!!」
 「そこから恋愛関係に発展したのではないのか!?」
 「うわさすが手塚。
99%狙いどおり考えてくれたんだね」
 「そこまで考えんだったらなんでその相手を佐伯にする!?」
 「そうだなあ。決定的な残り1%外してるって感じだなあ。
  ところで不二・・・」
 「え・・・?」
 作戦完全失敗ならもう演技する必要もないだろうに。なのにまだ続けるらしい佐伯に不二が首を傾げた。
 気にせず耳に口を寄せ、ぼそぼそと囁く。
 不二の目が僅かに見開かれ―――閉じられる。いつも通りの笑顔。どうやら快諾したようだ。作戦変更に
 2人の顔が離れたところで、丁度言い争いも一段落ついたらしい。跡部と手塚、双方の視線がもう1人の『当事者』へと向けられた。
 「ならば本人に聞いてみよう! どうなんだ、佐伯!?」
 「違げえに決まってんだろ!? なあ佐伯!!」
 2対の瞳。見つめられ、暫し悩み込み・・・
 佐伯はふう・・・と憂い溢れるため息をついた。
 哀しげに斜め下
45度に視線を落とし、
 「わかってるよ。どうせ俺との事なんてお前は遊びとしか思ってないんだろ? 俺は本気なのに・・・・・・」
 「な!?」
 「どうやらお前の否定は全て虚言だったようだな」
 作戦提案者の裏切りに驚く跡部―――の腕を佐伯が、
 恋人の裏切りにため息する手塚―――の腕を不二が、それぞれ取った。
 こっそり『アドバイス』する。
 「(ほら落ち着けって景吾。とりあえず対象者はずれたけど作戦成功じゃん。手塚焼きもち焼いてるぞ?)」
 「(そ、そういやあ・・・・・・)」
 「(手塚。ストップストップ)」
 「(不二、なぜ止める。跡部は佐伯と付き合っているのだろう? ならば俺が身を引くのが当然―――)」
 「(このまま手塚の反応待てよ。上手くいけばお前が聞きたがってた台詞が聞けるかもよ)」
 「(それってまさか・・・・・・)」
 「(じゃないって。ちゃんとサエの台詞聞いた? 『どうせ俺との事なんてお前は遊びとしか思ってないんだろ?』って言ってたじゃない。なら景の『本気』はどこにあるのさ?)」
 「(ならば・・・・・・)」
 2人が黙り込んだ。互いに考えている事は1つ。
 明確な形にして、現す。
 「(『愛してる』・・・・・・って、言ってもらえるかもよ?)」
 「(『愛してる』・・・・・・って、言ってあげなよ。もしかしたら君に『本気』くれるかもしれないよ?)」
 そう、耳元で囁かれ・・・。
 跡部は顔を赤くし、
 手塚はそんな跡部を見て決心した。彼を佐伯には渡したくない、と。
 「跡部」
 「あ、ああ・・・・・・」
 詰め寄る。弾かれた手を、今度は肩に乗せて。
 「何、だよ・・・・・・?」
 小さく呟く跡部。頭の中を回るはもちろん先程の佐伯の言葉。しかし本当にそう言ってもらえるかはわからない以上過度の期待は禁物だ。自分から促すのも性に合わない。
 思っている間にも、手塚は触れるほどに顔を近付け―――
 「―――っ!?」
 おおおおおおおおお!!!???
 ギャラリーたっぷりの目の前で、おもむろに跡部と口付けを交わしてみせた。
 「な!? な!? な!?」
 跡部の顔が本日最高潮に赤くなる。手塚からこんな事をしてきたのはもちろん初めてで。
 口を押さえ眉を顰める跡部。しっかりと目を見合わせ、
 「お前を愛しているんだ、跡部。俺にお前の本気をくれ」
 「手塚・・・・・・」
 伝わる。そう言う手塚こそ今現在本気なのだと。これが、手塚の本気の気持ちなのだと。
 ふっ・・・と笑い、
 「俺様の『本気』は高けえぜ?」
 「お前のためならばいくらでも出そう」
 「言ってくれんじゃねえの。
  後悔しねえな?」
 「当然だ」
 跡部は手塚の首に手を絡めた。
 「跡部・・・?」
 耳元に、囁く。
 「俺も愛してるぜ、手塚・・・・・・」



―――Happy End!
















おまけ

 イチャつくバカップルは放っておくとして。
 「サエと跡部が恋人だって」
 「そんな事あるわけないじゃん」
 「だよねえ。サエは
僕の恋人なんだから」
 『ええ!?』
 こちらはこちらで驚く周りを無視し、
 不二もまた、佐伯の首に腕を絡めキスを送った。今度こそなくなった障害に、佐伯も遠慮なく不二の腰を抱く。
 久しぶりの感触を存分に堪能し―――
 「けどサエも酷いよ。なんで恋人違う男に売るのさ」
 「ははっ。まあ、景吾も一応大切な弟だしね。困ってたら助けてあげないと」
 「僕は? 僕は大切な恋人じゃないの?」
 不満いっぱい口を尖らす不二に、
 佐伯はにやりと笑った。
 笑って、今だイチャつくバカップルを目線で指す。
 「それに―――
  バカップルにノロけられてもウザいだけだしね」
 「あはは。確かに」





 『(お前らもだよ・・・・・・)』
 そう口に出して突っ込める無謀家は、
 残念ながらこの場にはいなかった。










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 後日談として、
 「あのねあのね! 手塚ってやっぱ跡部と付き合ってんだって! しかもラブラブ!!」
 あからさまにおしゃべりな英二によって電光石火の勢いで広がる噂。
 「ああ。実際お互い認めてたしなあ」
 ウソはつけなさそうな大石が同意し、
 「俺も見たっス。人前で告白するアノ人たち」
 一番『噂』に疎そうなリョーマがはっきりとそう言った。
 かくて・・・・・・





 「確かに・・・。随分と高いものとなったな」
 「あはは。ご愁傷様」
 周りから連日好奇の目で見られ、げっそりしていた手塚に、
 同じく噂を広められながらもそれで何か困るワケではないらしい不二は、実に気楽げに笑い声を上げたのだった。



―――今度こそEnd!












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 わ〜終わった〜。終わってみれただのバカップルだった〜! 冒頭フレーズ(手塚と跡部のボケツッコミ)のみ考えその他何も考えずノリだけで進めていっていたら大変な事になっていました。しかし意外と普通にハッピーエンド!? いっそ手塚が永遠に勘違いしたまま、そしてサエがそれを利用してからかいまくったまま
Endというのにも惹かれましたが。
 そういえば1.『壁に〜』はとある漫画のパクリです。この言い方めちゃめちゃ好きです。ワケわかんねえよ誰だよ『メアリー』。
 そういえば2.作戦3で出てきた大会、一体いつの何なのか、それは気にしないでいただけると幸いですv

2004.9.25〜11.21