手塚と跡部は現在付き合っている・・・・・・のだが。
Inner Net
〜水面下での接触〜
♪ちゃ〜ちゃ〜、ちゃ〜ちゃちゃ〜ちゃちゃ〜ちゃちゃ〜、ちゃ〜ちゃちゃ〜ちゃちゃ〜ちゃ〜
ぽち。
「・・・あ、跡部からメールだ」
「へ? 跡べーから?」
「変わった相手から来るなあ、不二。・・・この言い方もなんだけど」
「また何来たんスか?」
「えっと・・・。・・・・・・ああ。
―――『今度演奏会やるからウチ来い』だって」
「演奏会?」
「しかも呼ばれるのか? 不二が?」
「多分この間のだろうね。いいピアノの楽譜見つけてさ、跡部に渡して弾いてって頼んでたんだよね。それが出来たんじゃないかな?」
「跡部さんがピアノ・・・・・・」
「合うよーな、合わないよーな・・・」
「ていうか、そんな事頼める位親しいんだ。さすが幼馴染だね」
「まあね」
♪んったーたっ! んたーたっ! たたー、たーぁたーーーーたたたー
ぽち。
「・・・あ、跡部さんからメールだ」
「ほえ?」
「越前、お前なんで跡部さんから来んだよ?」
「用事があるから来るんでしょ?」
「いや・・・。そういう意味じゃなくって・・・・・・」
「んで? その『用事』って?」
「え〜っと・・・・・・・・・・・・『今度やる猫博覧会、開催前日入れるようにしたから一緒に行かねえか?』だって。行こ」
「猫博覧会って・・・・・・今度駅前デパートでやるやつ?」
「なんでそれに跡部が? しかもおチビ誘って?」
「跡部さん猫好きなんスよ。それで話合って」
「あ〜なるほど。猫愛好家の集いってトコか」
「越前! 俺に言ってくれたら猫博覧会なんていくらでも付き合うってのに!!」
「嫌っスよ。桃先輩猫の事なんて知らないじゃないっスか」
「だったら跡部さんは詳しいってのか!?」
「詳しいっスよ(即答)? それに猫あやすのも上手いし。カルも跡部さんに懐いてるし。珍しいんスよカルが家族以外に懐くの。シャルロットも可愛いし」
「シャル・・・なんだって?」
「シャルロット。跡部の飼ってる猫だよ。確かに可愛いよね。頭もいいし」
「あ、不二先輩も知ってんスか? だったら先輩も行きます?」
「いいの? じゃあ一緒させてもらおうかな。わざわざ前日って事は、上手くいったら直接触れるかもしれないし」
「え〜!? ウソウソ!? 俺も行く!! ねーおチビー!! 俺も連れてって〜!!」
「いいっスよ」
「うん。英二なら跡部と話合うだろうね。凄く詳しいもんね、猫の事」
「ホントっスか!?」
「オッケーオッケーまかしてちょーだい!! 美味しいキャットフードからご近所の野良猫分布図まで完璧っしょ!!」
「凄いっス英二先輩!!」
「あはは。『猫愛好家の集い』がどうやって出来たかよくわかるね」
♪た〜たた〜たたったったったーたーー、たたたーたーーたたたーたたたたたあー
ぽち。
「・・・あ、跡部からメールだ」
『何いいいいいいい!!!???』
「何で大石が跡部から!?」
「普通部長繋がりなら手塚部長に来るんじゃないっスか!?」
「ははは。部長というか部活繋がりじゃないからな」
「え? じゃあ―――」
「ていうか、用事は?」
「ええ〜っと・・・、『今週日曜空いてるか? カウンセラーの都合ついたから空いてたら来いよ』だって」
「カウンセラー?」
「ああ、心理カウンセラー。悩み相談とかやってもらえるんだよ。
腕のいいカウンセラーが跡部の知り合いにいてさ、跡部も診てもらってんだって。今度俺も診てもらうか? って誘われてて」
「大石先輩がその辺り必要なのはわかるとして・・・」
「・・・・・・わかるんなら態度改めてくれないか?」
「なんで跡部まで・・・?」
「なんでだろうね?」
「・・・・・・・・・・・・ゴメン。質問取り消す」
「めちゃめちゃよく理由がわかったっスね」
「んで行くの?」
「日曜なら丁度部活もないしな。
―――っと、メールまだ続いてた」
「え? にゃににゃに?」
「『南と真田も来るから、青春台に9時集合な。迎えに行く』。
ああ、2人も来れるのか」
『ええええええええ!!!!!????』
「何でそんなわかんない2人が!?」
「わかんない・・・、か? まあ・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・普段から部員に胃を痛めてる同士、って事で」
『すみませんでした大石副部長』
「いや・・・、いいんだうん、もう・・・・・・」
♯ ♭ ♯ ♭ ♯
ぷるるるる・・・。ぷるるるる・・・。
ぽち。
『よお手塚』
「跡部、質問なんだが」
『あん? どうしたよ手塚』
「お前は今俺と付き合っているんだよな?」
『・・・・・・・・・・・・(1分ほど沈黙)。
随分らしくねえ事訊くじゃねえの。今更確認か? それとも―――俺様の愛の囁きに酔わされてえってか?』
「いやそれはない」
『・・・・・・なんだよ』
「何を拗ねている? それはともかくとして質問なんだが―――」
『さっきの愛の確認で終わったんじゃねえの?』
「それならばした意味がわからんだろう」
『////』
「ここからが本題なのだが―――妙にウチの部員と仲がいいようだな、跡部」
『そうか? 仲いいって・・・・・・せいぜい不二と幼馴染だったり越前と菊丸と猫大好き同盟だったり大石と胃薬友の会だったりするだけだろ?』
「・・・・・・。他校生とそれもテニス除いてそれだけ交友関係があれば十分だろう?」
『は〜ん。つまりてめぇは俺とそいつらが仲がいいのにヤキモチ妬いてるってか? 可愛いじゃねえの、手塚あ』
「む・・・。
ヤキモチ・・・とまでは言わん。いかにも友人知人の類の少なさそうなお前にそれだけ仲がいい者がいるのは喜ばしい事だからな」
『てめぇにゃ言われたかねえよ!!』
「だが―――
なぜその者たちとの連絡が俺より優先される!!??」
『・・・・・・・・・・・・。優先したか?』
「しているだろう!? 俺にはメールの1つも寄越さないクセに!!」
『だってお前に何寄越すよ?』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そう言えばそうだな」
『あっさり納得かよ・・・。
まあいいぜ。んじゃあ―――
―――こないだ俺新しい竿買ったんだよな。今度使い心地試しに付き合わねえ?』
「ほお、釣りか。久しくしていないしな。いいだろう」
『んじゃいつにするよ?』
「そうだな。では―――」
♯ ♭ ♯ ♭ ♯
さらに2・3話をし、携帯を切って。
「バーカ。だからちゃんと電話してやってんじゃねえか」
跡部はクツクツと笑い声を上げた。
ベッドに寝転び、着信履歴を見る。メールの方には全く手塚のものはなく、逆に電話の方には手塚のものしかない履歴。
「ま、それでアイツが妬くんなら安いモンってか。
―――んじゃ、もう暫くみんなにゃ付き合ってもらうか」
―――Fin
♯ ♭ ♯ ♭ ♯
・・・・・・まあコンセプトはバカップルですから。だから何だとは言いませんが自爆となるため。にしても最近特に不幸なメしか遭ってないような気のする跡部。彼が唯一幸せになれそうなのが(最終的にはともかく途中経過から)対手塚だと気付いたため出来ました(結局自爆)。たまには跡部も『幸せ』になって欲しいなあ・・・・・・。そんな事を切に願うほど最近の跡部の扱われっぷりは・・・・・・(以下自主規制)。
あ、そういえばラストに3人の着メロ、不二が『瞳を閉じて 心のまま 僕は君を想う』、大石が『ダイスキ』、余談として跡部のがあったら『insight』、そしてリョーマが『STAND UP』。・・・・・・そう、実はこの話、最初は不二リョというか不二→リョーマのつもりでした。着メロ無理矢理それに決め、でもって跡部からかかってきて怒る不二・・・。しかし不二の時リョーマが何もしないのが寂しかったので止めました。その他実はメイツ(なので不二のメールに最初に反応したのが英二)、桃リョ、大石と誰にしようと悩み、タカ不二、桃リョ、大菊というラスト以外世間様ではメジャーだがウチのサイトではあり得ない感じのCPを目指した結果リョーマが桃に冷たい(笑)。そして・・・・・・結局塚跡塚以外何のCPもなくなりました(本末転倒)。
2005.1.9