(むしろ自分のための)確認事項
バス席〔混合席〕
窓 不二 千石 跡部 通
路橘 佐伯 裕太
こんな席順で話は進んでいきます。
『相性』の問題?
〜1.バス中騒乱記〜
「だいじょ〜ぶかにゃ〜? あの席・・・・・・」
「なんっか、しょっぱなっからモメてましたよねえ・・・・・・」
「不二に千石、佐伯までならまだしも・・・・・・跡部か・・・・・・・・・・・・」
「すっげー雰囲気悪そうっスよね・・・・・・」
などなど話す各校同士。そのひそひそ声が、
『うえええええええええ!!!???!!!???』
―――一斉に驚き一色に染まった。
Σ Σ Σ Σ Σ
その一角に広がるのは、温かい雰囲気だった。
「あはははははは! 千石君それ面白すぎ」
「馬鹿かてめえは」
「何やってんだよ千石・・・・・・」
「ひっど〜い! 俺は真面目にやってたんだけど!!」
「だって面白すぎるよ・・・!!」
「てめえの『真面目』の基準はどこにあるんだよ・・・・・・」
「それは相手怒ったって仕方ないだろ・・・?」
「そんな事ないよ〜! ねえ裕太くん!!」
「え? 俺ですか・・・!? あいやそのなんともそれは〜・・・・・・」
「ほ〜ら裕太くんだってこうやって大きく賛成してくれたじゃん!」
「してないって」
「まあまあみんな、笑いすぎだよいくらなんでも」
「一番笑ってんのはてめえだろーが」
「なぐさめてくれんの不二くん!! 俺すっごいうれしい!!」
「うん。よしよ―――」
ドゴスパーン!!!
隣同士を利用して不二にしなだれかかる千石を、無言の肘鉄とハリセンが襲う。
それを見て―――
「あーーーーーーー!!!!!!!!」
「―――なんだよ周」
思いっきりこちらを指差しクレームを飛ばす不二へ、跡部はうっとおしそうな顔で一応尋ねた。
『一応』なのは――――――どう間違っても千石を殴り倒した事に対する批判ではないから。
そしてその通り・・・・・・
「景ってば! なんでピコピコハンマーじゃないのさ!!」
「ああ!? ざけんな!! なんで俺様がンなモン使わなきゃなんねーんだよ!!」
「現にサエはちゃんと大阪名物黄金ハリセン使ってるじゃないか!!」
「佐伯・・・。てめーはそれ使ってて恥ずかしくねーか・・・・・・?」
「まあ周ちゃんのオススメだし」
「・・・・・・・・・・・・」
ハリセンを自分の手の平に軽く打ち付けしれっと言い切る佐伯。1人だけそうやって災害から逃れる『クセ者』に、跡部の肩が震えた。
が、まずは目の前の災害駆除が先決である。
「大体俺様がンなモン持ってるワケねーだろ!!??」
「持ってるよ!! ちゃんと昨日バッグに入れておいたんだから!!!」
「何・・・!?」
言われ、持ち込んでいた(厳密にはもちろん樺地に持ち込ませていた)テニスバッグのファスナーを開ける。合宿に必要な日常品を入れた鞄はバスの下に入っている。ここにあるのは下りてすぐ練習が始められるようにラケットその他の用具と後はバス内で必要ないくつかのもの―――
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
―――と共にある『それ』の柄を握り締め、
「人のバッグの中身勝手に変えてんじゃねえ!!!」
ピコーーーン!!!
「痛っ!!」
跡部は思い切りそれ―――つまりはピコピコハンマーを振りかぶり不二の頭に振り下ろした。
頭を押さえ、前に広げられていた折畳式のテーブルにずるずると倒れ込む不二。
「やっぱ跡部が持つとピコピコハンマーでも十分凶器になるんだ・・・・・・」
「佐伯さん・・・。
―――帰っていいですかこの席から?」
気絶者2名。ピコピコハンマー片手に荒い息をつく男1名。全くついていけずに唖然とする者1名。
こんな状況下における裕太の切実な願いは―――
「ダメv」
爽やか腹黒男の手によりあっさりとついえさったのだった。
そんな、和気藹々とした? 雰囲気に・・・・・・
Σ Σ Σ Σ Σ
「な・・・・・・!!」
「なんであんな普通に会話が進むんだ・・・・・・!?」
「妙に親しげだし・・・・・・!!」
「しかもなんか・・・・・・名前一部ファーストネームやらアダ名やらで呼んでないか・・・・・・!?」
やたらと慄く一同に、水筒のコップを口に当てていた木更津が目線を上げた。
変わらない表情の中で、僅かに目の奥にきょとんとした驚きを含めて。
「何驚いてるの? 当り前でしょ? あの4人幼馴染なんだから」
「だよなあ。別にあれで普通だよな」
さらに後ろに座っていた黒羽が背もたれの上から身を乗り出し同意する。
「相変わらずバカ騒ぎばっかしてるよな。あそこ4人」
「サエも楽しそうなのね。俺もあそこ行きたいのね」
「いや・・・。あそこ行くには相〜当〜の勇気と覚悟が必要だぞ・・・・・・?」
やはり六角席から亮・樹・首藤が順にコメントした。ちなみに初めてそれを見る葵は黒羽同様身を乗り出し「へ〜」と呟き、そして天根は―――
「・・・・・・・・・・・・」
1人ギャグが思いつけずに腕を組んで悩み込んでいた。
「えええええええ!!!???」
「幼馴染ぃ!?」
ようやく言われた言葉を理解した者たちが驚く。
「・・・・・・知らなかったの?」
「知らにゃい知らにゃい!!」
「てゆーか何で知ってるだーね淳!!」
「え? だって六角にいた頃佐伯が転校してきてからしょっちゅう3人―――ああ、裕太は除くけど―――で遊びに来てたし」
「だよな。休みの時とか完全に居座ってたし」
「あ、そういやじゃあサエさんが昨日泊まってたのって・・・・・・」
「多分実家だろ? お母さんの実家が東京にあるって言ってたし」
「ああ。うん。そこに泊まってたよ。4人で」
『はい?』
「だから昨日電話したって言ったじゃない。少しだけどお互いの声してたよ?」
「それでなのね。朝からサエがやたら楽しそうだったの」
「その割にはなんでお互い選ばれたって知らなかったんだよ?」
「言ってなかったからでしょ? 別々に電話したし、少し声はしたけど遠くからだったし替わるつもりもなさそうだったから」
「ねえねえ。でも一緒に泊まったってンなに仲いーの?」
「だな。特に跡部なんて人ん家泊まって絶対文句言いそうだし」
「いいか悪いかって訊かれると微妙なところだね。跡部と佐伯の不二可愛がりぶりは尋常じゃないしおかげで千石は5分に一回は殴られてるし」
「俺達も不二の事名前で呼びかけただけで殴られかけたしな」
「でもま、あれで楽しそうなんだからいいんじゃないか? 実際ホントよく遊んでるしな」
「へえ。そんなに遊んでるんだ」
「小学校の頃はともかく中学っていったら学校に部活に忙しいだろうってのにしょっちゅう千葉来てるよ3人とも。まあ3年になってからはさすがにまだ来てねえけど」
「千葉に・・・? 普通4人中3人が東京なら佐伯が遊びに行ったほうが早いんじゃないか?」
「・・・・・・・・・・・・。
―――交通費、バカになんねえから」
「3人が千葉に来る時は跡部のハイヤーで来るから・・・・・・」
『は〜・・・・・・』
いろいろと初めて知らされる事実に、一同が感嘆の声を上げた。
そして・・・
上げたが故―――気付かなかった。
「どないする・・・? あの4人が一緒になってもうたで・・・・・・?」
「こりゃひと波乱間違いなしだな・・・・・・」
「ひとつで済みゃいいけどさあ、ぜってーひとつどころじゃねーぜ・・・?」
「うーあ・・・・・・」
「俺らに災厄降りかからせんでや・・・・・・」
奥の席にて『知っていた』氷帝メンバーたちが青い顔でげんなりとそう呟いていた事に・・・・・・。
Σ Σ Σ Σ Σ
再び混合席にて。復活した2人を含め(というかこの2人が言い出した事なのだが)ヒマ潰しにポーカーをやることにした。やったことがないからと橘は抜けたが、妙に嫌がる裕太を強制参加させ現在5人でカード片手に互いを探り合っている。
見た目からしてカジノにやたらと合うやつら。道路を走るバスの中且つ「お菓子食べよ〜よ♪」という誰かの発言によりカードと共にテーブルにはお菓子が散乱し、ぱりぱりぽりぽりそれを食べつつやっていながらも、そこには高級カジノ独特の優雅かつ気だるげな雰囲気がただよっていた。
―――第1ゲームの敗者が決まるまでは。
「罰ゲームといえばコレ!」
『Year!!』
「ポッキーゲーム!!」
『わー!!』
煽る千石、盛り上がる不二と佐伯に、跡部は丁度口に入れようとしていたポッキーをばきりと折った。
第1ゲームの敗者はブタだった跡部。そして―――
「じゃあ景、頑張ろうね」
「・・・・・・何をだよ」
にっこりと微笑みワンペアのカードを見せる不二だった。
「ん〜じゃあまず最初は簡単なところで―――コレね」
と、千石が摘んだお菓子は長年メジャーなチョコ菓子。5cm程度のチョコの棒は、端同士を咥えただけであっさり『キスまであと●秒v』的距離まで達する。
のだが、なぜかそれを見て。
「あ、よかった。最初はその位か」
「楽勝だな」
そう言い、渡されたお菓子を一気に2.5cm弱咥える不二。次の瞬間、跡部が残り2.5cm程度をためらいなく咥えた。
軽く触れ合う唇。その間でチョコの折れるぱきりという音が響く。
大口を開けて硬直する見物人一同。特にすぐ隣で見せ付けられた橘は白目をむいていた。
バス内に轟く怒涛の嵐の中で、
「あ〜あ。やっぱちょ〜っと簡単すぎ?」
「まあいんじゃん? 最初っていったらこんなもんで」
折れた際僅かに飛び散ったチョコ片を、舌と親指で舐め除く2人。さりげなくもアダな仕草にどよめきが大きくなるが、見慣れた光景なので特に気にせず千石と佐伯が肩を竦める。
「つまり次はもっと上げるつもりなんですか・・・・・・?」
無駄と知りつつ尋ねる裕太。
当然のことながら答えは―――
『もちろん』
「・・・・・・・・・・・・いいですけどね」
脱力する裕太含め全員からカードを回収し、
「じゃあ次行ってみよ〜!!」
千石はそう高らかに宣言した。
第2ゲーム。負けたのは佐伯と不二だった。
「じゃあ次はこんな感じ?」
「難しくなったか?」
「う〜ん。とりあえず一口でいったら喉突き刺すって辺りで」
次取り出したのは本家本元のポッキー―――ではなくスティック状のスナックだった。長いことがCMでも売りとされた、だがその割には実はポッキーより短いような気がするスナック菓子。とりあえずさっき不二が甘いものを食べた口直しか。
「んじゃこれでね」
「うん」
「ま、その位でいいんなら」
渡されたスナックを両端から咥える2人。千石の言った通り一気には行かないが、むしろわざと小刻みに食べているような・・・。
その分徐々に接近、接触する顔。完食後もバードキスまでするサービスの入れよう。文字通りのリップサービスに周りがさらにヒートアップする。
「ほらやっぱ簡単だったじゃねーか」
「まーまーお楽しみはこれからこれから♪」
第3ゲーム。今度負けたのは裕太と―――
「兄貴・・・。いくらなんでも負け過ぎじゃねーか・・・・・・?」
「やだなあ裕太。気のせいだよv」
「とゆーワケで、不二くんと裕太くんへの課題はコレ!」
と、渡されるちっちゃい塊。タケノコ型のチョコ菓子に、裕太が大口を開けた。
「ひ・・・一口目で瞬殺・・・・・・?」
「確かに、コレ両側から歯で咥えて唇が離れてた方がある意味すごいよね」
頷き―――
はくり、と不二がそれを口に入れた。
「んv」
「俺かよやんの!!」
にっこりと笑い、しかし決して迫っては来ない兄。つまりこれを終わらせるには自分がこの兄に顔を寄せてキスしなければいけないわけで―――
「あ、裕太君真っ赤だね」
「わ〜v ちょっぴり甘酸っぱい初恋物語風?」
「にしちゃ周が積極的過ぎねえか?」
「跡部・・・。さりげにお前もその手の類よく知ってんのか・・・・・・?」
「知んねーよ!!」
むやみに慄く佐伯に怒鳴りつける跡部。それを横に、
ついに意を決した裕太が兄の唇に―――もといその中心にあるタケノコへと噛み付いた!!
噛み付き―――
「い゙・・・・・・!?」
(割れねえ・・・・・・!!)
背中を戦慄が駆け抜ける。唇を合わせて―――じゃなくてタケノコを口に入れてから頭の中で鳴り響くアナログ式ストップウォッチ特有のチッチッチという音が、どんどんどんどんカウントを上げていった。
「そういやさあ―――コレってなかなか前歯で噛めないよね」
「まあ大抵一口で放り込んで奥歯で噛むからね」
「前歯で噛むつったら相当力入れねえと無理だろ」
あっさり今更そんな致命的なことを言ってくれる素敵な方々に心の中で涙し、
裕太は全く何もしてくれない兄に代わり全力でタケノコ切断に挑んだ。
がきん!
「―――っぐ!!」
「大丈夫裕太!?」
いきなり割れるタケノコ。頭に伝わる衝撃にぐらりと揺れる裕太を不二が抱きとめ、ついでに役得といわんばかりにぎゅ〜っと抱き締める。
「だから止めろそういう事は!!」
どばきっ!
ばたっ。
「大丈夫不二く〜ん?」
「今のはクリティカルヒットだったね」
「避けろよてめえも」
完全に没し動かなくなった不二へ、3人の生暖かい励ましが贈られたのだった。
第4ゲーム。敗者を発表する前に―――
「タケノコといえば次はきのこだよね」
というわけで今回のネタはきのこ型チョコ菓子に決まった。
「ってそれってこの秋限定の栗味じゃん!!」
「ちゃんと買って来たよ。じゃ、頑張ってね」
「ラッキ〜♪ 食べたかったんだけどなんっか高い気がしてなっかなか手が出なかったんだよね〜」
と、敗者1人目の千石が渡されたチョコに口を近づける。その手の中で―――
はくり。
「あああああああああ!!!!!!」
敗者2人目、跡部にチョコ部分だけを全て咥えられた。
「ああ? 何驚いてやがんだよ。さっさとやれよ」
「跡部くん! 何やってんのさ1人で全部チョコ食べて!!」
「半分ずつ食べりゃ1人が食って当然だろうが」
「なんで縦半分にしようと思わないのさ!! そんな分け方マツタケでやったらブーイングの嵐だよ!?」
「ワケわかんねえコトほざいてんじゃねえ!! 大体しいたけだったらこう切るだろーが!!」
「跡部・・・。お前もワケわかんないから」
佐伯のささやかな突っ込みはもちろん無視して。
「おら! ダダ捏ねてねえでさっさと来い!」
「いーもんいーもん! だったら本気で行くからねー!?」
それこそ訳のわからない宣言をして、跡部に顔を近づける千石。
結局―――
「ごちそうさまv」
「く、そ・・・・・・」
『本気で』いった千石はチョコと跡部の味を1分以上充分堪能し、そして濃厚なキスシーンを見せ付けられた周りには卒倒者が相次いだ。
第5ゲーム。さっきので運を吸い取られでもしたかまたしても敗者は跡部だった。
「じゃあ次は〜・・・・・・」
「これなんてどう?」
笑顔で不二の差し出すものに、跡部よりむしろ佐伯の顔が引きつる。敗者2人目たる佐伯が。
渡されたのはスナック菓子の王道・ポテチ。微妙な凹凸を見せる薄っぺらい物体を手に、佐伯が呻いた。
「念のために確認しておくけど、もし途中で折ったりしたら―――」
『もちろんやり直し』
ハモって言われる絶望的な台詞。
「・・・・・・だよ、な。ははは・・・・・・」
1枚目。2枚目。3枚目。4枚目。5枚目・・・・・・。
「佐伯! てめえ真面目にやりやがれ!!」
「その前にお前がその雰囲気なんとかしろ!!」
先程のゲームが余程悔しかったらしい。全身を怒りで戦慄かせる跡部がまず咥えた瞬間に折る。
かろうじて折らずに頑張ったとしてもやたらな迫力に本能で恐怖を感じた佐伯が身を引き、弾みでやはりへし折る。
それでも数をこなす毎に跡部も冷静になってきたか、なんとかお互い両端を咥えるところまでは行くようになった。
が―――
「わ〜い跡部くんとサエくんがキッス〜vv」
ばき。
「景もサエもそんなに見つめあっちゃって、よっぽど好きなんだね、お互いのこと」
べき。
「だよね〜。何っ回も口寄せ合っちゃってv」
「それこそ嬉し恥ずかし初恋体験だねvv」
ぐしゃり。
「跡部−!!」
「佐伯−!!!」
ちなみに―――
2人が罰ゲームを終えたのは、23枚目の出来事だった。
第6ゲーム。先程の雪辱戦ちっくに今度負けたのは千石と不二だった。
「よし。だったら今回のは―――」
「もちろん―――」
『コレ』
「だよな」
「ああ」
怪しげな笑みでむやみな息の合いっぷりを見せつつ、2人が『それ』を差し出す。
それ―――大きなあめ玉を。
受け取り、千石が尋ねた。
「ねえねえ。これって半分に分けるの?」
「当然だろ?」
「分ける時って絶対お互いの口の中間じゃないといけないの?」
「別に接触範囲内ならどこでもいいよ」
「そう?」
佐伯の言葉を聞きにっこりと笑う不二。笑って―――
ためらいなくあめを口の中に入れた。
「んじゃ俺も遠慮なくv」
さらに千石も笑って不二の頬に片手を添える。もちろんもう片方の手は不二の腰に回した状態で―――
ためらいなく不二の口に舌を入れた。
「ん・・・・・・」
「あ・・・・・・」
角度を変え何度も合わせられる唇。舌を媒介に互いの口の中を移動するあめ。頬の膨らみ、そして時折口の外へ出てくるあめが目に見えて小さくなっている事が2人のキスの激しさを物語っている。
あまりのパフォーマンスに卒倒者がさらに続出する中、数分後、
ばきっ。
「―――あ」
「や〜っと割れた〜v」
互いの口内に分離したあめにほっと息を付く2人。あれだけの事をしつつも全く息を乱していない。
それを見て―――
「ちっ・・・・・・」
「やっぱダメじゃんこの罰ゲーム・・・・・・」
心底残念そうにさらに2人がため息を付く。
そんな4人を見て―――
(誰か止めてくれ・・・・・・!!)
1人青くなった裕太には、この罰ゲームは有効らしかった・・・・・・。
第7ゲーム。
「次はこれだな」
「じゃあぜひディズニーの某犬×犬物語みたいなあの恥ずかしさを醸し出してねv」
笑顔―――というには妙に対照的に映る跡部と不二のそれでも笑顔。それと共に『それ』の両端を渡され千石と佐伯が呻いた。
「恥ずかしさとか言う以前に・・・・・・」
「いつ辿り着くんだ・・・・・・?」
千石と佐伯の席は真正面である。が、そこに座る2人が背もたれにもたれたままですらその両端を口に入れられる。というかそれだけ伸ばしてすらまだテーブルから全てが浮き上がらない。
―――それは、全長3mのひもグミだった。
「頑張れ〜♪」
はあ・・・。はあ・・・。はあ・・・・・・。
「つ、疲れた〜・・・・・・」
「まだ・・・半分しか行ってないし・・・・・・」
「サエく〜ん・・・。俺もう疲れたよ・・・・・・」
「そういう・・・ディズニー対抗用アニメ清と斑(微妙に誤)ラストシーン持ち出したって俺は引き受けないからな・・・・・・」
「そんな折衝な〜・・・・・・」
くちゃくちゃくちゃくちゃ・・・・・・・・・・・・
「―――っていうか『清[きよし]と斑[ブチ]』って何・・・・・・?」
「ああ、なんか日本語訳された時そうやって改名されたらしいぜ?」
「よく知ってるね、裕太。さすが」
「うるせえ」
「つーか1文字も合ってねえじゃねえか。何間違ってンな名前になったんだよ?」
「さあ・・・。まあ『ネロ』だの『パトラッシュ』だのよりは当時の日本人に受け入れられやすかったからじゃないですか?」
「パクった千石君も千石君だけどサエもよく思いついたね、そんなどーでもいい事」
「そーいうのが最近の流行だからな」
くちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃ・・・・・・・・・・・・
「完食おめでと〜vv」
「やれば出来んじゃねーか」
「すごいですね」
「も、も〜ダメ〜・・・・・・」
「顎いて・・・・・・」
全て終わり荒い息を付く2人。そこには―――
気付かずすすって唇触れ合いちょっとびっくり、みたいな恥ずかしさは微塵も存在しなかった。
第8ゲーム。
「げ・・・・・・」
「アーン? てめえ俺様相手じゃ不満だとか言うつもりか?」
「あ、いえそうじゃなくって・・・・・・!!」
跡部のガン付けにぶんぶんと首と手を振る裕太。こんなやりとり通り今回の敗者は彼ら2人なのだが、裕太の呻きはそれが原因ではなかった。
「兄貴が決めんのか・・・? 罰ゲームの菓子・・・・・・・・・・・・」
敗者が決まるなり何やらバッグから菓子(と分類出来るかもしれないもの)を取り出した不二へと問う。
が―――
「え? ああ、これ? ただ口直しに食べようかって思っただけなんだけど・・・、
うん。じゃあ今回はこれで行こうか」
「ぐ・・・・・・!!」
「てめえ何墓穴掘ってやがる・・・・・・!!!」
今更後悔してももちろん遅い。2人は震える指先で不二に渡されたものを摘んだ。
見た目はフライドポテト。だがしかし・・・・・・
「おい周、何なんだこの上にかかったソース」
「え・・・?
―――まあ食べてみてよ」
「何なんだよ兄貴今の間は!!」
「気にしないでv」
「気にするに―――」
「決まってんだろ!?」
「あはは。2人ともよく合うなあ。
じゃあさっそくいってみよー!」
『聞けよ人の話!!』
というわけでいってみた。
でもっていきなり倒れてみた。
「ぐあ・・・・・・!!」
「が・・・・・・!!」
ごほごほごほげほげほげほ!!!!!!!
ばんばんばんばんばんばん!!!!!!!
口に含むなり噴出す2人。ロープと言わんばかりにテーブルを叩きまくるその様には同情を禁じえない。
「で? 不二くん、何なのそれ?」
「え? 別に、青学名物フライドポテトだけど?」
「まあ・・・見た目からしてそうだよな・・・」
「じゃなくって上にかかってんのは? そのむやみやたらに真っ赤なソースって・・・・・・」
「ああ。『サルサ・デス・ソース』」
『「デス」・・・・・・?』
「なんでも一口瞬殺がウリらしいよ?」
『ンなモン名物にしてんじゃねえ青学!!!!』
どばん!!!
咳とむせ返りの合間にも立ち上がった被害者2名が青学席を指差す。
その先では―――
「いやそんな事言われても・・・・・・」
「てゆーかそれ不二と乾以外が食ってるトコ俺達も見た事ないし・・・・・・」
「全然名物じゃねーじゃねえか!!!」
「おかしいなあ。確かに隠れた名物なのに・・・・・・」
「それは一言で『流行ってねえ』って言うんだ!!!」
「そうだったのか・・・・・・!!」
「――――――驚く前に気付こうよ周ちゃん」
「いろんな意味で凄いよ不二くんの感性って・・・・・・」
第9ゲーム。
「今回の罰ゲームは選択性だ」
「選択性?」
「つまりはロシアンルーレットだね。ここに3つのガムがあるだろ? 内1つを取って食べあう。2つは当たりで普通のガム」
「でもって1つが外れで噛むと酸っぱい」
「おっけーおっけー! 俺そういうの得意!!」
「(クッ・・・・・・)なら千石、『頑張れ』よ」
「よ〜し当たり引き当てるぞ〜!」
などと盛り上がる千石。もちろん彼はその影で跡部と佐伯が薄く笑っているのに気付く事はなかった。
「ぐ・・・・・・!?」
「よし。『当たり』引いたな」
「やっぱ引くと思ったよ。さすが『ラッキー』千石」
「な、なんで・・・!? 俺のラッキーパワーは確率2/3も引けないワケ!?
―――はっ! もしかして2人で細工したとか!?」
「バーカ。今袋開けただろーが
「酸っぱい確率が1/3で少ないならそっち当てた方が『ラッキー』だろ?」
「しまったあああああああ!!!!!!」
千石を熟知した者のみ仕掛けられる巧妙な罠に、今更ながらに頭を抱えて叫ぶ彼。
「で―――」
「まあこっちは普通だろうね」
それこそ普通にもう1人の罰ゲーム者を見やる2人。まあ普段から味覚異常者街道驀進中の『彼』ならばこの程度の事で堪えるわけが―――
「ゔ〜・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・え?」
「・・・・・・・・・・・・あん?」
喉の奥から搾り出される呻き声。涙目で口を押さえる彼―――不二に、2人のみならず周りの空気が止まった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まさかとは思うけどさ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・てめぇ――――――」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・もしかして〜・・・・・・・・・・・・」
棒読み口調で問う。まさか。まさかこの彼がよりによってそんなまさかなんて事が・・・・・・!
極めて珍しく驚愕を露にする3人へと、不二は眉を寄せ涙の浮かぶ目で頷いた。
「酸っぱいの嫌い・・・・・・・・・・・・」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
完全に凍結した辺り一帯の中に、
「兄貴、中3にもなってまだそれ治ってなかったのかよ・・・・・・」
裕太がついた長い長いため息が拡散していった・・・・・・。
第10ゲーム。敗者は・・・・・・
「不二く〜ん。大丈夫〜?」
「周ちゃん、いけそう?」
「ゔん・・・・・・」
「じゃあ不二くん。これでも口直しに」
「ゔ〜・・・・・・」
「―――ってちょっと待て! なんでそこでンなモン渡す!?」
『口直し』として不二の手に渡されたのはもちろんフライドポテト:サルサ・デス・ソース付き。たっぷりかかった赤ソースに今まで他人事のように見ていた跡部が猛抗議を上げた。
彼としては当然の抗議。が、
返ってきたのはやたらと冷たい視線だった。
「跡部くん冷た〜い・・・・・・」
「お前人としてこの状況可哀相だとか思わないのかよ・・・・・・」
「2本目食わされる俺の心境にもなれ!!」
そう。今回の罰ゲーム者は前々回に引き続きまたしても跡部であった。
「跡部くん・・・。こんなに不二くん苦しんでるんだよ?」
「何とかしてあげようとか思わないのかよお前は」
「だったらさっきっからそれのおかげで口が痛てえ俺の事も何とかしろよ!!」
などという理屈も視線を逸らされあっさり流される。
そして―――
「けえ〜・・・・・・」
「ぐ・・・・・・!!」
――――――涙目甘え声にて決定打が打たれた。
「――――――!!!!!!!!」
先程の倍量かけられたソースに、声も出せず悶絶する跡部。
「ふ・・・ん・・・・・・」
一方本気で味消しをしたいらしく不二はよりこのソースを味わった――――――跡部の口の中で。
「うっわ・・・」
「地獄、ですねあれは・・・・・・」
「ていうか・・・、さりげに跡部の方が涙目になってないか・・・・・・?」
佐伯の言葉に、見ていた一同が無言で頷いた。
「あ〜v すっきりした〜vv」
「てめぇ周・・・。ぜってー後で殺す・・・・・・!!」
味消しは完了したらしい。つやつやと輝く笑顔で宣言する不二に、
・・・・・・跡部はテーブルに這いつくばり顔中から嫌な汗を流しつつそう宣告した。
第11ゲーム。
ちゃ〜んちゃちゃ〜んちゃちゃ〜らりら〜♪
「どこからともなく聴こえる曲でわかります通り―――」
「って、てめぇが今歌ってたんだろーが・・・・・・」
「わかります通り今回の罰ゲームは―――これだ!!」
(跡部を無視して)高らかに言う千石の手にこれまた高らかに掲げられたもの。
「チーズ・・・・・・?」
「チーズで今の曲っていったら・・・・・・」
「そう!
裂けるチーズだー!!」
掲げたまま、さらにそれに左手を添える。両端を持ち一気に開くと―――
「おー。裂ける裂ける(棒読み)」
「確かに裂けるよな。それがウリなんだから」
「結局何がやりてえんだよてめえは」
「つ・ま・りv
チーズを裂くのは2人の愛の共同作業vv」
「『共同作業』で裂いてどーする」
「だってケーキ入刀だって初めてやる共同作業のクセしてケーキ断ち切るんだよ? 結婚式スピーチでそーいった台詞言わないようどれだけみんなが頭悩ませてんのか全っ然考慮してくんない作業だよね」
「そうか・・・。それもそうだよねえ・・・・・・」
「よくよく考えてみりゃおかしい作業だよな・・・・・・」
「っておーいそこ2人。あっさり乗せられんなよ・・・・・・」
「とゆーわけで! 2人で端咥えて裂いてみよー!!」
「なるほどな」
千石の提案に頷く跡部。
頷き―――
千石の手からひょいとチーズを奪い、長い方半分を一気に口に入れた。
「あああああああああ!!!!!!」
再びな出来事に、これまた再び千石が魂の叫びを上げる。
「ああ? 何驚いてやがんだよ。さっさとやれよ」
「跡部くん! 何やってんのさ思いっきり断ち切っちゃって!!」
「半分ずつ食べりゃこうなるに決まってんだろ?」
「だからどーして縦半分にしようと思わないのさ!! マツタケは縦に裂いていくもんでしょ!?」
「だからワケわかんねえコトほざいてんじゃねえ!! 大体繊維断ち切らなきゃ丸まっちまうだろうが!!」
「跡部・・・。だからお前もワケわかんないよ・・・・・・」
「ていうかさ、景って一体イカとエビ、どっちの話してるんだろうね?」
「丸まるっつったら・・・中華料理のイカじゃねえ?」
「でも丸まらせないんだろ? あのイカはわざと繊維残して丸まらせるじゃないか。
それにマツタケに対抗するなら伊勢えびかロブスターじゃん?」
「あの大きさなら別にちょっと丸まっても気にしないんじゃない?」
佐伯のささやかな突っ込みに、今回は不二兄弟が乗る。
こちらはこちらでワケのわからない会話を進める一方。
「おら! ダダ捏ねてねえでさっさと来い!」
「ゔゔゔゔゔゔゔ〜・・・・・・」
今回はさすがにやりかえしようがないらしく、おとなしく千石が跡部に顔を近づけた。
結果―――
「つまんない〜!!!」
「ああそりゃ悪かったな。遊びたかったら1人でやれよ」
「1人じゃつまんないじゃん!!!」
「だったらそこらへんで遊んでるヤツら誘えよ」
呆れ返った半眼で跡部が指す先、そこでは―――
「これ結構ハマると面白いな」
「裕太ファイト〜v もうちょっとでサエから半分ゲットだよ!」
ぶち。
「ぅあ!?」
「残念裕太君。じゃあ残りは俺がもらうから」
「サエ〜。僕もちょーだいv」
「じゃあ周ちゃんも」
「兄貴ー! 俺の仇取ってくれー!!」
「まかせて!」
「周ちゃん。試合の雪辱はここで晴らさせてもらうよ」
「ふふん。サエ。僕に勝てるつもり?」
「・・・・・・・・・・・・。
すっごい! 遊んでるね・・・・・・」
「よかったじゃねーか。仲間がいて」
「跡部くん・・・。
―――実はけっこー仲間に入れてもらいたかったり?」
ばきっ!
「アーン? 誰に向かってンな事言ってやがる」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
殴りがなかったらもう少し説得力あったかな・・・?」
「るせえ」
ひたすらに続いていくポッキーゲームというかポーカーは、続けば続くほどとある傾向を露にしていった。即ち負ける回数。
跡部と不二がダントツトップ。佐伯と千石が若干下回り―――そして裕太は0に等しい。
はっきりいって裕太が強いわけではない。彼はストレートやらフラッシュやらといった堅実だがさほど強くもない組み合わせを狙っている。問題なのは後の4人だった。
賭け事と言えばラッキー千石。実際彼はまともにやれば相当強い。が、気に食わないカードが来ると「心機一転〜♪」などといい全枚交換したりするのだ。しかもそれに悪ノリする不二、さらに煽られるままに対抗心を燃やして跡部までもが同じ事をする。こうなれば当然運の勝負となる。この時点で跡部が負けることは決定的だった(かなり失礼)。ついでに不二もこの手の勝負(完全運任せ)はさすがに割と弱いらしい。さらに千石も100%の強運は掴めないようだ。というか彼の場合もしかしたら意図して負けているのかもしれない。そして彼ら3人の予想不可能な奇行に対し、一番被害を被ったのが佐伯だった。彼自身は真面目に確率計算などしている。のだが、いきなりこんな事をオンパレードでやられればそれがまともに成り立つワケもない。
かくておおむね裕太がトップ。後の4人はブタとワンペア、それに『運がよければ』ツーペアかスリーカードといった極めて低レベルで覇権争いをしていたりする。ちなみに裕太が罰ゲームを喰らう際は、なぜか残り全員がロイヤルストレートフラッシュだったなどというイカサマですらそこまでやらないだろ的展開を見せたりした。
さて、そんなはちゃめちゃ勝負にも終わりは来るわけで―――
最終ゲームにて。
(よし来たぁ・・・・・・!!)
最初に配られたカードからツーペアだったいうなかなかに運のいい展開を見せた裕太。替えた1枚のおかげでなんとフルハウス。本日の最高組み合わせに思わず小躍りしたくなるのを懸命に堪え、何でもないふりをしてゲームの終わりを待った。
それを見て―――
(可愛いなあ。裕太ってばv)
不二が心の中で薄く微笑んだ。いいカードが出たのだろう。嬉しいのを我慢しつつも顔が笑いそうなのは本当に見ていて可愛い。
(じゃあ僕も―――)
と、カードを交換する。出たカードと手札、合わせればフォーカードになっていた。
「じゃあラストの罰ゲームは裕太くんと不二くんで決定!」
「えええええええ?」
「何でだああああああ!!!!!!」
不満顔の不二に頭を抱える裕太。彼らのカードは先程の通りだったのだが・・・・・・。
「バカかてめぇら。顔に出過ぎなんだよ」
半眼で見やる跡部はストレートフラッシュ。
「う〜ん。まあ確かに見てて可愛かったけどさあ2人とも」
苦笑する千石はロイヤルストレートフラッシュ。
「わかったんなら対策は練り放題だからね」
そう言う佐伯はファイブカードだった。それもジョーカーを2枚用いたおかげでエースのファイブカード。問答無用で最高位の組み合わせに、反論できるものはもちろん誰もいない。
「ラストにはそれにふさわしく、さーこれでいってみよー!」
盛り上がる千石の手に握られたもの。少しさっきの裂けるチーズに似ている。が、
「ゔ・・・」
「それって・・・・・・」
「確かに最大難関だな・・・・・・」
「うわ・・・。引っかからなくってよかった・・・・・・」
見るなり4者4様の反応を示す。
―――ひょろりと細長い、スルメを見やって。
「じゃあさくさくとどうぞ!」
「ん・・・・・・」
「ぐ・・・・・・」
「ふあ・・・・・・」
「ぐう・・・・・・」
スルメの特徴は――――――もちろん噛み締めなければ噛み切れないこと。
「あ、ん・・・・・・」
「んぐ・・・・・・!」
にちゅにちゅと。
ぐちゃぐちゃと。
「は、んあ・・・・・・」
「ぐ、う・・・・・・!!」
「ん・・・あう・・・・・・はあ・・・・・・」
「んぐ・・・ぎ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
――――――が!!」
そんな一言を遺し―――
激しすぎるキスについに耐え切れなくなった裕太が倒れた。
「わ〜い裕太の負け〜vv」
「よし。じゃあ罰ゲームは裕太で決定だな」
「さ〜て何にしよ〜♪」
「せっかくの合宿なんだし、1週間徹底的に遊ぼうか」
『さんせー!!』
Σ Σ Σ Σ Σ
「あんな感じで『仲はいい』よ。ついでにあんな感じで『似てる』」
混合席を指差しそう言い切る木更津に、
「な、仲いい・・・・・・ね・・・・・・」
「確かに・・・・・・、僕は彼らとは合いそうにありませんね・・・・・・」
話題を振られた英二と観月含め、誰もが引きつった笑いを浮かべるしかなかった。
―――どうなるこの合宿!?
Σ Σ Σ Σ Σ Σ Σ Σ Σ Σ Σ Σ
さてバスにての出来事。ポッキーゲームは当初考えていたより多くネタが出てきましたね。裕太が少ないのは説明どおり。決して彼を兄以外と絡めるのが難しかったからではありませんええ決して!
そして不二先輩の酸っぱいもの嫌い。20.5巻よりお酢が苦手だというのでちょっぴり発展させてみました。ちなみにこのゲームに出したお菓子は大抵存在するものです。これは3個セットで30円の某ガムですね。(多分)存在しないのはサルサ・デス・ソースか・・・・・・? でもテニプリ放送委員会で不二先輩、如何にも袋に書いてある名前読んでたようだから存在するのかなあ・・・・・・?
さらに出てきた清と斑。裕太の説明聞けば何のアニメかは想像どおりです。ちなみに犬×犬物語は英語読みしたとおり。スパゲティーにて同じ事をするシーンはとても可愛いです。しかしあそこまでして麺が切れないとは恐るべしアルデンテ・・・・・・。
ではそんなわけでいよいよ次は合宿本番です。そしてこの話のメインは実はそちらではなく今回の部分です。
2003.12.14〜15
ラストに:今回のポーカーは本気でルールてきとーです。一応ルールブック見ましたが・・・・・・う〜みゅ。奥が深いなあポーカー・・・・・・。