プチ小説12 不動峰編3



 この世に神がいるのかどうか、その質問の正解を知る者は恐らくいないだろう。が、
 (もしもこの世界に『神様』がいるんなら、それは酷くイジワルな神様なんでしょうね・・・・・・)
 ため息混じりにそんな事を考える。
 「どうしたの?」
 「ううん。別に・・・」
 問い掛けてくる深司に―――今では自分を除いて唯一の生き残りである彼の淡々とした態度に、更にため息が深まった。
 (神尾君・・・兄さん・・・・・・)
 最初に神尾が罠にかかって(かけられて)死んだ。次に兄が自分をかばって死んだ。
 (内村君、森君、石田君、桜井君・・・・・・・・・・・・)
 内村と森も先行した結果神尾同様罠にかかり、石田は突如崩壊した天井から3人を守るため盾となり、そして桜井が崩れかけた崖の重みを少しでも減らそうと自ら奈落の底へ飛び降りた。
 みんな(神尾は除かれるかもしれないが)自分達に全てをたくした。この、自分達に・・・・・・。
 その想いを受け、杏は・・・・・・



 「あ、また道分かれてるね」
 「え、ええ・・・そうね・・・・・・」
 「どっちにする? めんどくさいから表だったら右、裏だったら左でいいよね」
 「え・・・、ええ・・・・・・」
 そういって自分達の命運を悩みもせずあっさりテニスラケットに託す深司に今までで一番深いため息をつき、そして、
 ―――心の中で涙をだくだくと流しながら、ひたすら兄たちに謝り続けた。
 (ごめんみんな・・・。ダメかもしれない、私たち・・・・・・)


Survivor―――深司・杏






 ―――まあ私の中で・・・もはや以下略。
 では不動峰はこの2人で合流点へ
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 2003.1.4write2002.10.2528