プチ小説10 氷帝編2 〜忍足・向日ペア〜
さて跡部ら一行が今まで通り順調に進んでいるのと同時刻―――
「おわあああああ!!」
「うわーーー!!」
忍足・向日ペアは今までの35回に加え更に6回目の襲撃を受けていた。
何とか物陰に隠れてやり過ごし、ゼーハーと息をつきつつ忍足が半眼でぼやいた。
(なんでこないな事になっとるん・・・?)
(敵の警戒がキビシーからじゃねーの?)
さらりと答える向日.その襟首を掴んで忍足は小声で喚いた。
(どこをどー見たら『キビシー』んじゃ!? めっちゃユルユルやん!!)
(けどその割にはよく見つかってんじゃん)
(おーまーえーが! 見張り見つけりゃ石投げとるからやろが!!)
がくがくと振り回し、更に喚く。
「ぐ・・・!!」
(どないゆーつもりや!? 岳人! お前俺になんか恨みあるんか!?)
(お、落ち着けって侑士。お前だっていつも言ってんだろ? 面白いことのほうが大好きだって)
(誰がワンパターンのトラブル好きや言うた!? 『トラブル』と『オモロい事』は全っ然別やろ!?)
(そーか? 一緒じゃね―のか?
―――あ、侑士!)
眉を寄せ首を傾げていた向日が、なぜかいきなりぱ〜っと花開くような満面の笑みを浮かべた。
・・・・・・そしてラケット片手に足元から石を拾い上げる彼の肩を忍足が掴む。
(・・・・・・せやから。見張り見つけるたんびに石ぶつけるの止めい言うたんやけど、聞いとったか?)
(もちろん。けどせっかくいい石もあったしここは―――)
「だから止めいっちゅーとるんじゃ!!!」
最早隠れている事も忘れ、大声で怒鳴りつけながら忍足は胸の中で深く後悔した。
―――もしかして、跡部と一緒におった方がまだマシやったんとちゃう? と・・・・・・
そして7回目の襲撃が始まる・・・。
Survivor―――忍足・向日
―――My設定にて忍足は『面白いもの好き』。向日は『トラブル好き』。合うようで微妙に合ってないこんな2人もいいなあ、と。
では、氷帝忍足・向日ペアはそのままで一足早く合流点へGo!
2003.1.4(write2002.10.22〜25)