「では本日はこの組み合わせでお願いします」
 中学時代の以下略によりまたしても無謀なオーダーを考案した観月。
 さて、今日はどうなる事やら。





case7その1.跡部&不二




 ズパン!
 「0−
15!」
 は〜〜〜〜〜〜〜〜
 「ダメだなあ。跡部は・・・・・・」
 「どこがだ!!」
 「今のは君の球でしょ? ちゃんと走って追いつかなきゃ」
 「追いつけるか!! 今のはてめえの球だろーが!!」
 「違うよ。君の球だよ。
  相手の打った球をネット際で君がドロップあるいはストレートに打つ。予想外の打ち方に焦る相手。なんとか返した球はヘロヘロのロブ。それを僕がスマッシュで決めてポイントを取る。『完璧なシナリオ』だったじゃないか。
  それなのに君は―――」
 「どこが『完璧なシナリオ』だ!! 初っ端っから出来てねーじゃねえか!!」
 「だからそれがひとえに君の責任なんだよ」
 「俺はネットの逆側にいたんだぞ!? どうやって1ラリーの間にそれだけ走れんだ!!」
 「え〜。リョーマ君なら追いついたよ」
 「追いつけたら人間じゃねえよ!!」
 「まあいいけどさあ。
  次からはしっかりやってよね」
 「てめえがだ!!」






case7その2.千石&リョーマ




 ズパ―――ン!!
 「0−
15!」
 「なんで取んなかったんだよ!!」
 「ええ!? 俺が取んの!?」
 「当り前だろ!? 何逆側走ってんだよ!?」
 「え・・・。だって今リョーマ君動きかけてたじゃん。てっきりリョーマ君が取るかと思ってフォーメーション崩さないように―――」
 「追いつけるかどうかぐらいちゃんと判断しろよ!!」
 「さっきの不二くんの発言聞いたら全部取れるのかと・・・・・・」
 「言い訳してんな!! 前衛が取れなかったら後衛が取る!! 当たり前だろ!?」
 「言い分は正しいけど・・・・・・リョーマ君のその考え方、絶対間違ってるよ・・・・・・」
 「何でだよ!? 後衛は前衛のフォローが役目だろ!?」
 「それってつまり・・・・・・
  ―――後衛『だけ』頑張れってコト?」
 「当り前でしょ」
 「ホラやっぱ違うよ・・・。ダブルスはお互いがお互いの動きを読んで―――」
 「そんなの出来るワケないじゃん」
 「・・・・・・・・・・・・。なんで?」
 「俺後ろに目ないもん。見れるわけないだろ」
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いや誰もないから。いくらなんでもさすがに後ろに目は」
 「ほら。俺が正しいんじゃん」
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
  ―――ねえリョーマ君、1つ聞いていいかな?」
 「何?」
 「君、そのダブルス観・・・・・・誰に教えてもらったの?」
 「周助に」
 「不二く〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん(泣)!!!!!!!!!!」






case7その3.不二&リョーマ




 「周助!!」
 「うん! まかせて!!」
 ズダン!!
 「
15−0!!」



 「リョーマ君!!」
 「わかってる!!」
 ギュルルルル!!!
 「
30−0!!」





 「・・・・・・・・・・・・」
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 快調に点を伸ばしていく2人を見ながら。
 「俺さ、不二君とリョーマ君が付き合ってる理由、すっごいよくわかった気がする・・・・・・」
 「ああ、俺もだな・・・・・・」
 千石は遠目で虚ろな笑みを浮かべ、
 そして跡部は項垂れ、人生に疲れ果てたため息をついていた。



―――リョーマにかかると千石すら被害者に・・・・・・








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 前回に続いてダブルス話。しかもダブルス要員差し置いて。
 各ダブルスの状況はかなり適当です。ただし跡部様の名誉保護のため1つ。跡部様はあの時相手前衛とノーバウンドのピンボール状態で打ち合ってました。なので1ラリーでネット逆側まで走れないのは決して彼の足が遅いからではありません。以上。

2003.8.29