case3.不二




 「んふっ。では不二君。ボクのシナリオ通り動いてくださいね」
 「うん。わかったよ。観月v」







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 まあ上のようなやり取りでわかるとおり、今回は不二の試合だった。
 相手のサーブ。観月のデータによると、この相手のプレイスタイルは自分と同じくカウンターパンチャー。ベースライン上でのやり取りに長ける、いわゆる『レトリバー』(笑)。
 ―――そして逆にネットプレイに弱い(大笑い)。
 なので、
 『なるべく相手を前におびき出してください』
 観月からのそんな要求[アドバイス]を頭の中に思い浮かべ、不二は―――
 ギュルルルルルル!!!
 「ポイント不二! 
15−0!」
 つばめ返しであっさりリターンエースを奪った。
 にっこりと、それはそれは綺麗にそして実に楽しそうに微笑んで、ベンチで硬直していた観月を見やる。
 「あっはっは。ごめんごめん。間違って決めちゃった。キミのシナリオ通りにはいかなかったやv」
 固まり、何も言えない観月の隣で英二が笑って答えた。
 「どんまいどんまい気にすんなってvv」
 さらに忍足、リョーマ、千石も加わる。
 「たまたま決まってよかったやん」
 「結果オーライじゃん」
 「次からちゃんと従えばいいんだしvv」
 「そうだね。次からは、ちゃんとシナリオ通り動くよ」
 あっはっはっはっはっはっはv
 響く5人の笑いを聞きながら―――
 観月は胸の高さに上げた拳を震わせていた。







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 「ゲームセット! ウォンバイ日本! 不二!」
 「ごめんねえ観月v 従おうとはしたんだけどねえvv」
 爽やかにそんな事を言ってのける不二。そして、
 「おのれ不二周助・・・・・・・・・・・・!!!」
 毎度恒例観月のこの台詞で全ては〆られたのだった・・・・・・。



―――哀れ観月の哀れ劇第1弾。








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 まだまだ生ぬるいです。さ〜ってこれから彼はどこまで落っことされるのか? というか苛めっ子多すぎだぞ日本チーム☆
 しっかし『レトリバー』。頭に『目黒の』とか付けると佐々部父ですか・・・(アニメ
only)。

2003.5.11