お家の事情(設定)


 

基本過ぎる大前提

国の特徴

主な登場人物

その他
いわゆるオカルト
『礼』について
その他用語




 

<基本すぎる大前提>

 1つの大陸に、青学王国・氷帝帝国・山吹公国・六角共和国、さらに不動峰民主主義共和国、聖ルドルフ王国にその他多数の国がある。なおもし立海が加わるとしたら『立海皇国』となるだろう。もちろん余談だが。

 並び順は、北を上にして地図を書くとしたら、
 ・1番下で海に面しているのが六角、
 ・斜め上が青学と氷帝(下は海、横は山)。
 ・3国が描く3角形の中心にあるのがルドルフ。
 ・さらに氷帝の斜め上(青学とは面していない)には山吹があり、
 ・山吹からは多数の国がくっついている(青学側は山に阻まれているため六角、氷帝以外とは接していない)。平たく言えば、多数の国の隙間に山吹が納まっている。
 ・そして山吹と氷帝の間にはちょこっと小さく不動峰が挟まれている。
 ちなみにこんな国の配置のため、氷帝が外国にケンカを売ると煽りを食らって青学と六角も他国と断絶状態に陥る。このため青学と六角は自国だけでも生きれるよう第一次産業(農業など)が発達、氷帝は他国に対し絶対有利となるように、他の国ではほとんど発展していない第二次産業(工業)を国の生業としている。そして山吹では地の利で第三次産業(商業)が、となる。
 不動峰・ルドルフを除いては全て大国(山吹は微妙に疑問)である。なお気候は六角側が暖かく、山吹やら氷帝やらといった大陸の内部に入るほど寒い。
 ついでに特徴として、この大陸、とくにこれらの国のある端っこら辺は大陸の常として山が多い。青学と氷帝が海に面していないのは、陸が始まった途端に山があり、その内側に国があるためである。
 それぞれに発展途中のため国同士がぴったりとは接していない。青学・氷帝・六角は『隣同士』とはいえ、どこにも属さない空間が馬車で丸1日分はある。だからその中間で中継都市(後のルドルフ)が発達した。

 それぞれの国に住むメンバーはおおむね各学校の者。ただし一部移動あり。代表例として佐伯は親の故郷が六角で本人青学生まれ、六角に勉強のため留学し、結局氷帝に収まるというかなり文字通り飛びまくった履歴を持つ。
 ちなみに彼らの年齢はテニプリパラレルといえば毎度恒例の、現在より5年後設定で
19歳〜。なので身長などの細かいデータはパラレル大元の『天才〜』の設定をご覧ください。

 全体的な文化水準としては中世ヨーロッパ程度か。移動手段は馬車だったりインクにつけペンで書いてたり。ただし国により差が出てくる。『国』に関係はないが、千石が爆弾持ってたり佐伯が拳銃の扱いを知ってたり(ってなんでンな危険物品ばっか?)。

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<国の特徴>

1.青学王国【国王:不二父親】

 豊かな自然があり、平野が多く農業、さらに各種細工業(アクセサリーやら織物やら)が盛んである。なお性別による職業差、早い話が男女差は特になく、単純に好きな者が好きな方をやるといった感じ。実際桃や河村などは農業で汗水垂らし、一方黄金ペアは日々細工物にてその才を発揮させているという。英二はかなり手先が器用だが放っておくと自分の好みで突飛な物を作り出したり途中で飽きたりするため大石がお目付け役状態となっている、というのが話には全く出ないが(爆)裏設定。なおある意味どちらに含まれるのか疑問な乾は細工物の方。実際作るのではなく、デザインされたものに対し細かい設計プランを立てる。
 青学は代々王位を継ぐ家―――つまるところ王家が存在している。そしてその王家は手塚家ではなく
不二家である。現在の王は不二の両親。なお青学の決まりとして王位を継がない内は子どもであろうと国の政治に口は出せず、出番があるのはせいぜい大きなパーティーでの華代わり程度のため子どもの事はあまり知られていない。こうして存在を秘密裏にする事で命を狙われる危険性を少しでも少なくする、というのが目的だったらしい。その風習の名残。
 現在国は平和そのもの。国民も国の方針に賛成している。




2.氷帝帝国【帝王:跡部父親(ただし名目上。実質は両親どちらも)】

 自然に特に恵まれてはいないが、逆にそれをカバーするため工業の発達した国。科学技術においては近隣の国の中で最も進んでいる。話の中で銃火器が出てくれば10割弱氷帝製である。
 青学のような王『家』たる存在はなく、完全実力主義で実力のある人が国の経営に参加、ひいては『帝王』になる。そしてその資格がないと判断されれば即座に落とされる。現在の王は跡部の両親で、次期王の最有力候補―――もとい随一の存在が跡部である。ちなみに子が親の跡を継ぐという風習がないため、別に跡部が次の王になる必要性はない。ただ本人が
No.1主義なだけ。
 なお余談として・・・そしてさり気に重要設定として、跡部は両親と同じ屋敷で暮らしてはいない。もしそうだったら屋敷内、特に使用人たちの顔ぶれはここまで跡部の好き勝手にはならなかったであろう。
 上のような国のため、一人一人の自立心はとっても高い。青学が自分を上に託すのならば、氷帝は自分が上になろうとする。ただしそんな風習でも―――そんな風習だからこそ、跡部の人望は凄まじく高い。完璧な彼だからこそ誰もが己を託す気になる。最早完全に敵はいない状態。唯一のライバル的存在は彼の両親。彼が現在今だ『次期王候補』に過ぎないのは現王である彼の両親が実力・人望共に跡部を上回るためである。
 なお氷帝は元々発展していたが、
20年前現帝王が即位するなりさらに大国となるほどに急成長した。よほど指導力がいいのかと思いきや・・・・・・完全放任主義。よく言えば国民を信頼している。ただし意外と単純(爆)かつ実直な氷帝国民ら。信頼されたら応えなければ!と頑張っているようだ。
 そして現在はともかく、やはりこのような風潮があるためか国の中で反乱やら暴動やらの類は結構多かった。現在はまだ落ち着いた方。ただしこんな理由で(なのか?)、跡部は単純にケンカっぷしが強いだけでなく毒薬等暗殺絡みにもやたらと明るい。




3.山吹公国【公王:南(顧問:伴爺)】

 自然は豊かだがいささか豊か過ぎる事が特徴の、山の隙間を縫うように繁栄した国(どの位凄いかというと、等高線つきの地図を書くとそれが入り乱れすぎて肝心の村などが書けない。谷間を縫ったはずの村々ですら高低差1000mは当り前)。逆に国間の移動をするためには必ず通らなければならない要所のため、自然と物や人の流通が激しく、それらを扱っての商業が発達した。
 山吹公『国』とは言われているものの、元々谷にある小さな村々を合併して出来た連合国のためあまり『国』としてはまとまっていないし(それぞれの村が今すぐ独立してもオッケーなレベル)、公王の権限もそこまではない。なおそんな山吹の公王は南である。ちなみにさらに彼の顧問[オブサーバー]は伴爺。
 こんな経歴を持つ国のため、個人―――というか民族―――ごとの思想や行動パターンは著しく異なる。そんな彼らが唯一共通認識として持つのが金である。この国では金を稼ぐ人ほど偉いし、尊敬すべき人だ。
 ・・・・・・というワケで、この国においては公王の南より、自分も商人の1人であり同時にそんな商人たちのまとめ役ともなっている某ラッキー男の方が周りからの支持が高い。どころか民族の違いで長年争いが耐えなかった山吹が現在国としてまとまっているのはコイツ―――厳密にはコイツの『師匠』から―――が国王に忠誠を誓っているからというのが大部分の意見。このためコイツが反乱を企てたら山吹は1日で落ちるというのが一般的な意見。そしてコイツが王になると山吹は1日で終わるというのが以下略。
 ただし、大規模な争いはなくなったものの、多民族国家に加えさらに商売関係で様々な人が入り乱れているため、全体的に治安はさしてよくない。警察のような国レベルの治安部隊がないため(ただし有事の際の軍隊は公都にあり。しかしそれらで国中をカバー出来るほどは数が揃っていない)、村ごとに独自の自警団を作る一方それら貧困者や問題者の溜まるスラムにはスラムの決まり事もしっかりあったり。そしてそれらをもまた繋いでいるのは商人たちである。




4.六角共和国【代表者:問題により変化】

 青学とは若干違った意味で自然豊かな国。海あり山ありで見様によっては山吹以上に険しい環境。ただし大昔よりそれらの中に溶け込んで暮らしている彼ら六角国民からしてみれば、自然は自分達に幸をもたらしてくれるありがたいもの、だ。特に進歩する気もなく科学的水準はそこまで高くないが、今回出てくる国の中では最も自立度は高い。やろうと思えば外交0で自分の国だけで生きていける。
 狩猟や漁業・農業などが盛んであり、外交に特に力は入れていないためあまり他の国から人は来ない。来るのは夏泳ぎたくなる氷帝国民くらい(青学だと自国の湖ででも泳ぐ)。
 『共和国』の名の通りこの国には絶対支配者たる『王』は存在しない。状況に応じ各方面の代表者が集まり議会を開いて国を運営。その程度で成り立つほどにのどかな国である。他の国とも極めて仲がいい。自然は豊かだが断絶された僻地のため他国からの侵略もない。接している青学とは兄弟国と言われる程に交流があり、氷帝とも互いの不足を補う形での貿易のおかげで特に争いはなし。




5.不動峰民主主義共和国【まとめ役:橘】

 かつての『不動峰王国』。国としての歴史そのものは長いが、今までロクな王に恵まれなかったため発展も出来ず、国の規模は山吹王国に含まれた村その1程度。しかし1年前起こったクーデターにより腐った王制は廃止され、新たに『民主主義共和国』となった。
 このクーデターの立役者は言うまでもなく橘。他国(場所は不明)から来た彼が、主に若者の指導者となり反乱を成功させた。王制廃止の結果名目上は共和国となったが、実質はこの時のまま橘中心に動いている。意欲旺盛な者が多く、現在は国の拡大にいそしんでいる。
 なお今までというか王国時代、周りからの評判も悪く外交が行えなかったため独自の方向で発達はしたが逆に周りを取り入れたりは一切していない。
 ちなみに問題の『不動峰王国』。かつての王家は後述するオカルトを利用し、
20歳以上の国民全てを己の傀儡としていた。このため反乱が起こり、『狂王』と呼ばれた王家一族は全員殺され傀儡もなくなった。なおこういった事情により不動峰の国民は総じて20歳以下と若く、また全員肩に未完成の傀儡陣を刻み込まれている。今ではこの傀儡陣は『親殺しの罪を背負い、それでも前へと進む』という決意と結束の証となっている。一度傀儡状態になった者は2度と戻れず、だからこそこのクーデターの過程で20歳以上の国民を全員殺さざるを得なかったからだ。
 なお王に逆らったのは何も橘らのみではない。かつて逆らい処罰された(つまりは殺された)者を『時代の流れから溢れ出したクズども』の意味で『レインダスツ』、現在反逆を成功させた民主主義共和国国民全てを指して『子どもの我侭[レジスタンス]』と呼ぶ。




6.聖ルドルフ王国【国王:赤澤(マネージャー:観月)】

 最近出来たばかりの小国。規模は不動峰とさほど変わらず。青学・氷帝・六角の交点にあった休養兼観光用都市が発展したもの。なので文化や思想は3国のものが入り混じり新たなものとなっている。
 どこぞより来た誰か(誰か言う必要はないだろう)が国として(裏から)立ち上げた。現在さらに発展するため、一番狙いやすい青学乗っ取りを図っている。ちなみに裕太はルドルフには行っていない。 


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主な人物紹介>

1.青学王国―――不二家親子・青学一同・佐伯家親子

不二周助
 姉の結婚前に跡部の事を調べるためメイドとして氷帝の跡部邸に潜入捜査。しかもそれ以来ハマったらしく、月の半分は青学にて王子として、半分は氷帝にてメイドとして生活している。
 オカルトの才能は姉譲りというか姉仕込み。『魔法使い』と称せるほどの使い手。
 最初からいるわりにこのシリーズでさりげに出番は少ない・・・(泣)。
不二由美子
 元々普通に城に暮らしていたが、この度跡部と結婚し途中からはからは氷帝にて暮らす。但し両方ふらふら。大体不二と同じ時氷帝に行く通い妻状態。立場的には主役級なのだが、あくまで虎跡につきなかなか出番はない。
 青学最強の魔法使い。青学含む近隣諸国(の一部の人)には『青学王子』としてよりこちらとして有名。
 なお・・・・・・青学の話ではないが、氷帝・山吹・六角において男女差別はあまりない。そのため跡部・佐伯・千石などは由美子を指し『青学の第一王子』と呼ぶ。単純に王の子どもとしての意味で、わざわざ『王子』『王女』と別々には呼ばない。このためこの方式にいくと不二が第二王子、裕太が第三王子となる。
不二裕太
 普通に不二家で暮らしている。というか兄、姉夫婦、さらに執事にからかわれまくる毎日を過ごしている。ちなみに魔法使いとしての才は彼も立派にあり。
不二両親〔父:名称未定、母:もちろん淑子〕
 青学現王。父は厳格な性格で、大体普通にイメージする『王』そのままといった感じ。淑子はのほほんとした人。
越前親子
 国紹介で名前の出てこなかったリョーマ。神殿[シュレイン]の息子で神官見習い[プレリースト]。天才的才能を発揮する立派な『魔法使い』。そのため(?)不二とは魔法使い仲間として仲がいい。なお普通に5年後設定で17歳。身長は165cmでおチビのまま。
 越前夫婦+菜々子は神殿で働き、リョーマの兄であるリョーガは・・・・・・さって現在どこにいるんだろう・・・?
佐伯一家〔父:圭助、母:香那、姉:真斗〕+不二家の風潮
 父・母は六角出身で王に仕える執事とメイド。職場結婚で佐伯姉弟が生まれた。35歳だが見た目25歳以下の非常に若くて元気なお母さんといたぶられる子どもら、さらにそれらをほのぼの見守るお父さん(こちらも見た目は若いが42歳)といったところです。
 真斗は小さい頃からいろいろな国を飛び回り、現在他国の夫との間に3歳の娘がいる。守るためなら禍根は根こそぎ絶てるほど幸せらしい。
 さらに佐伯もまた
10歳で国学の勉強のため他国へ出た。こちらも跡部のためならその他全人類(不二兄弟除く)は笑顔で犠牲に出来るようだ。
 なお佐伯親子は魔法使いの素質として変わった遺伝の仕方をしており、圭助は魔法は一流だが戦闘技術はからきしダメ(やろうと思ったら戦えるが限度がわからないためほぼ確実に相手を殺す)、香那は戦闘技術は完璧だが魔法は『他人の魔法を横取りする』という外道な一品しか使えないため、圭助に使わせそれを乗っ取る。佐伯は足して2で割れたおかげで両方
OK。そして真斗は佐伯に全て取られたらしく、魔法の才能完璧0。戦闘技術はかなりのものだが超人たる佐伯母息子の前ではただのザコキャラその1扱い。
 不二家は家族と使用人の間に明確な一線あり。国の風潮と王の性格により礼儀を重んじるため。ただし仲が悪いわけではないので悪しからず。




2.氷帝帝国―――跡部親子・佐伯・氷帝レギュラー一同

跡部景吾
 このシリーズで当り前の話主役。氷帝現王の息子で次期王決定と言われる人。§0にて由美子と形式上結婚。これをきっかけとしてようやっと佐伯と結ばれた。
 現王の息子だが別に王になるための教育はされていない。なので
12歳まで普通の上級学校に通っていた。忍足・向日・宍戸・ジロー・日吉・滝そして佐伯は学校から引き抜いた。
 親に仕込まれ魔法使いとしては氷帝有数の実力。なぜ『有数』なのか。ぶっちゃけ実力では跡部より両親の方がダントツで高い(ただしそれを跡部の前で言うと怒られる)ため。よく使う力は氷帝でメジャーな炎だが、佐伯と互いに教えあいさらに水と風も使えたり。
佐伯虎次郎
 上に出ていた青学王家使用人の息子。10歳までは青学におり、ずっと城にて育てられていた不二兄弟にとっては遊び相手にてお兄ちゃん的存在。大きくなったらそんな彼らを支えたいという目標にて国学に励む。
 
10歳にてまず六角に留学。2年間青学とは全く違った『共和国』について学んだ後、12歳にて氷帝に移った。通った学校にて跡部と知り合い、その貪欲さを買われ、実地学習を名目に跡部に仕えるようになった。
 執事の中でも『専属執事』なる特殊な存在。跡部と同じ部屋にて寝食を共にしている。
 かつて由美子に現在跡部の両親に教わりこちらも魔法使いとしての実力は高い。やはり炎・水・風使えるが一番得意かつよく使うのは風。変幻自在の風はかなり相性がいいらしい。
 
跡部両親〔父:狂介、母:琴美〕
 プロローグにて跡部の家へ訪れ結婚を勧めたのがこの2人です。跡部曰くスチャラカ親父とマイペース母さん。それでありながら20年前より氷帝帝王だったり。
 年齢的若さも相まって(狂介
38歳、琴美37歳)共に帝王としての威厳0。見た目上司に顔の上がらないお役人(下っ端)と顔の良さで男に散々貢がせる悪女。何だか国の運営も遊びでやられていそうで、周りの国のお偉いさんには片っ端っから舐めてかかられる。ただし実際はどちらも跡部を軽く上回る頭の切れの持ち主。主に表に出るのは狂介のみだが、琴美もまた水面下で十二分に活躍。最初は舐めていた者らもこの20年での氷帝の成長を目の当たりにし、態度を翻した。現在では自国のみならず他の国の王らの相談役としても活躍。
 氷帝最強の魔法使いら。実力は由美子よりさらに上。
氷帝レギュラー一同+跡部家の風潮
 跡部家(と表した場合跡部当人のみの住む屋敷を指す)では執事として佐伯+氷帝レギュラーらが使用人として雇われている。使用人全員跡部自ら気に入ったのを選んでいるため(というか何というか。佐伯や忍足に選ばせてはいるが、実際決定するのは跡部自身)、跡部は自分に仕える使用人らともごく普通に付き合っている。例として食事は同じ内容のものを共に食べている。単純に屋敷内のみを見ると誰が主人で誰が使用人だかわからないというのが、潜入捜査した不二の意見。
 忍足は佐伯とは違って普通に使用人をまとめる存在。佐伯除き、全ての使用人の上に立つ。なお佐伯は跡部の直接管轄となるため使用人の中でも完全に独立した立場となっている。ただし権限は佐伯の方が忍足より強い。屋敷の全権は佐伯が握っているといってもあながち間違いではなく(厳密にはもちろん握っているのは跡部だが、跡部は跡部で佐伯の意見には特に口を出さないため実質こうなる)、使用人の雇用からクビまで佐伯が独断で行える(ただし特殊な場合を除き忍足の管轄分野であるここらには特に手は出さないが)。一見忍足は権利[メリット]なしにひたすら仕事だけ押し付けられているようだが、逆に最も大変な跡部の世話を佐伯に押し付けているため五分五分である。
 鳳と樺地は元々跡部の両親に仕える執事の家系の者であるため、跡部がまだ独立(というか1人暮らし)する前から当然のように跡部に仕えていた。なお現在鳳は家内で執事として、樺地は家外で秘書として働いている。
 跡部家の話。屋敷内には忍足を始めとする一般の使用人の絶対不可侵領域が存在する。それが跡部と佐伯の部屋。厳密には佐伯が入り浸っている跡部の自室。ここのカギは2人のみが所持し、そんな既成事実込みで暗黙の了解として2人以外の立ち入りは一切禁じられている。




3.山吹公国―――千石以下山吹レギュラー一同

千石清純
 自ら商業を営む一方他の商人らのまとめ役ともなっている。その権限は国王以上で、このため城にもふらりと遊びに行って南と親しくしたり、さらに諸国を漫遊する中で各国のお偉いさんとも普通に仲が良くなっていたりする。
 特に誰かに話す事もなかったが、そんな彼はなかなかにハードな人生を送っている。まず生まれは不動峰『王国』。国においてはレインダスツの1人で、革命を起こし後レジスタンスと呼ばれるようになった者を除けば恐らく0に等しいであろう数少ない生き残り。9歳にて姉と共に国外逃亡。姉は途中で殺され、千石は近くに来ていた移住民族に拾われ、以降
12歳で『独立』するまでの3年間をそこで過ごした。ちなみにこの村(?)には南・室町・亜久津もいたり。
 その民族は山吹の中でも少々特殊なもので、一応山吹に属してはいるが、民族そのものがキャラバンのような移動生活をしており、山吹以外にも各国を回っていた。この特性を利用したのが、千石が『師匠』と呼ぶ存在(実は亜久津の父親)。商業は発達していたがどちらかというと中間点として流通の途中にしか参加していなかったのを、自ら各地に出向きそこで仕入れたものを山吹経由で各国に売りさばくという始めから終わりまで一括して担当する方式を取り、山吹を受動的参加型から積極的参加型へと変えた、山吹の商業革命者。千石は師匠の子どもとして育てられ、商売について一通り手ほどきを受けた。何もなければ引退後は跡を継ぐ形でゆくゆくは村を引っ張っていく存在となっていただろう。
 問題の3年後、村は移動の最中災害に巻き込まれ完全に消滅した。今回もまた持ち前のラッキーで生き残った(商品採取の最中道に迷った)千石は、そのおこぼれ(千石に無理矢理引きずられいっしょくたに迷子になった)で生き残った室町と共にまだ使えるものを掻き集め商業を始め、現在に至る。
 独立後も師匠の方式を受け継いだ千石は、今度は逆に少人数(最初2人、後太一を入れて3人)という身軽さを利用し、より幅広い範囲で仕事を行い、元々の才と合わせ山吹にさらなる発展をもたらした。
 なお彼が跡部や佐伯らと特に親しいのは、彼らの通っていた学校もまた以前からのお得意さんであり、そこで商売している中で知り合ったという流れにより。彼らの学ぶ国学に直接関わりは無いのだが、それでも単独で国に影響を及ぼす存在というのはとても気になるものだったし、千石としても将来の商売相手というのと同時に彼らそのものを気に入った。余談として当の跡部は知らなかった事だが、彼が千石独立後最初の客かつ命の恩人である。丁度1人(+使用人多数)暮らしを始め何かと物入りだった跡部が多数買い取ってくれたおかげで金が出来本格的に仕事を始められるようになった。
 今まで挙げた者らとは違い力は使えないが、立派に『魔法使い』の1人。それら関連も商品として扱う事から、室町共々オカルトの知識は相当量あり。
室町十次
 千石の助手。各国の情勢や商品の売れ行き具合など情報面でのサポートを担当。ついでに日々無茶しかしない千石の諌め役。太一はさらに新米助手。千石が面白そうだからと雇い、現在室町が育成中。はっきり言って苦労が2倍に増えた。
 千石のところで述べた通りの履歴の持ち主(ただしこちらは生まれた時からその村にいたが)。元々千石のお守り状態であったため、村消滅後も千石と共にいることを選んだ。
南以下山吹部員一同&伴爺+山吹の風潮
 南はいわずもがな山吹の現公王。件の村消滅時、かろうじて生き残った南(こちらは普通に)は、村の被害状況を確認に来た伴爺に保護され、そのまま引き取られ山吹公都に行った。同じく千石・室町・亜久津も一度保護はされたが引き取られる事は頑なに拒み、自分で決めたよう歩んだ。逆に南は彼らと共にいても邪魔になるだけだと判断し、引き取られる事を決めた。その判断を気に入られ、5年間公都で学んだ後1年前伴爺を顧問に公王となった。東方はその補助役となる大臣。その他メンバーも南の住む宮殿にて働いている。
 バラバラな国だからこそそれを地味〜に地道〜にまとめてくれる彼らの存在は貴重かつ重要なもの。日々国民には蔑ろにされがちだが、全体を見回しその辺りをわかっているから千石は南に忠誠を誓っている。ただし別にだからといって下手に出るわけもなく、互いに利用―――もとい協力しあったりもする仲。南にとって千石は頼りがいのある仲間であると同時に頭の痛い相手。
亜久津親子〔父:名称未定、母:優紀、子:仁〕
 父親は千石のところでちょろっと触れた通り山吹の商業革命者。優紀は毎度恒例の息子可愛がり。2人とも災害により死亡。
 亜久津は持ち前の悪運の強さ(構い倒してくる母親から逃げきったところで災害発生)により生き残る。国の保護に入る事を嫌い、現在スラムでの一匹狼と見せかけボス猿的存在。山吹にて全国共通であるのは商人とスラムだが、商人らをまとめているのが千石ならばスラムをまとめているのは亜久津である。そんなこんなで千石との交流も深く、誰もが一目置く亜久津も千石の手にかかるとただの苦労人その1である。なお太一は貧民としてスラムにいたところを亜久津に拾われ懐き、ウザいので千石に預けられた。
 亜久津の父親はなぜ亜久津ではなく千石に商売の手ほどきを行ったのか。答えは親馬鹿優紀が常に亜久津に張り付いていたためである。なお自由にやっているようでなぜか周りのまとめ役似なる、この性質は親子共通らしい。




4.六角共和国―――いまのところなし



5.不動峰民主主義共和国―――橘以下普通に不動峰部員

橘桔平
 腐った不動峰王国にどこからともなく現れた(詳細不明)橘。傀儡化されていない国民の信頼をあっさり手に入れ鮮やかに革命を起こした不動峰のヒーロー。跡部が『武将・橘。植物を操る魔法使い。見た目ライオン大仏(笑)』とそこまで知っている以上、実は前いた国では有名な存在だったらしい。
不動峰部員
 レジスタンスを名乗り革命を起こした一同。彼らの関係やら何やらはそれこそそのまんま。




6.聖ルドルフ王国―――観月・赤澤

観月はじめ
 これまたどこからともなく来た人。ルドルフを裏から意のままに操る。現在は青学乗っ取り狙い途中。魔法使いとして術もいろいろ使うらしい。
赤澤吉朗
 ルドルフ傀儡[かいらい]国王。魔法は使えないようだが戦闘技術は高そうだ?
木更津淳
 六角から毎度恒例不思議な兄弟ケンカによりルドルフへ来た。佐伯とは知り合い。割と仲がいい。
 六角内ではかなり珍しい『魔法使い』。アウトドアの活動はあまりやらないが、薬草などの知識が豊富。風邪薬から媚薬まで、様々なものが調合出来る。
 国のごたごたに全く興味はないが、テンションに合わず面白い事は大好き。
柳沢慎也
 赤澤(あるいは観月?)に仕える人の1人。見様によっては木更津のお守り兼切り捨てられ役。


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<その他関係事項>
 

T.いわゆるオカルト

 各種信仰からまじない・魔術の類など、この世界での科学技術では証明出来ないものの総称。このため信じるか否かは国や人によって様々。


 これに精通した者を『魔法使い』と称する。これは信じている国ではわりかしどこでも共通。
 こう呼ばれるのには理由があり、オカルトに精通する中で、一部の者はそれらの法則を解明し、それらから得られる力を使いこなせるようになる。『いわゆるオカルト』の中でまじないや魔術がこれの例に当たる。
 人物紹介で挙げた人はほぼ全員使いこなせる。ただし危険というデメリットが常に付きまとうためどの程度使うかは人次第。跡部狂介・琴美夫妻はそれらをよくわかっているため誰よりも解明はしているものの使わない。由美子は自分の絶対安全レベルをよくわかった上で必ずその下を使用する。ガキ3人はわりと無茶な使い方をするなど。


 ついでに一般論。『魔法』は法則を解明して使うものだが、電気の作り方に火力・水力・原子力など様々あるように、法則そのものも1つとは限らない。さらに解釈の仕方は個人差があり、それこそ国の差がある。印刷技術などなく本の大量出版など出来ない中では、何かを手本とするのはほぼ不可能。この結果として、『魔法』と一口に言われてもその発現方法から効果から媒体からは人によりかなり異なる。例として―――ついでにこの話で出てくる『魔法使い』たちは偶然にも関係者が多いため大体似たパターンになるが、

  * 使用する力=自然の力(炎・水・風などが主。生命の力も含) → 効果=様々
 国により力の大元は大体分かれている。主に青学は風、氷帝が炎で山吹は土、六角は水、橘が学んだ国では植物だったそうだ。わざわざ妙なところを強調しているのは別にそれだけに拘っているわけではないため。
 実際3カ国移動した佐伯及びそんな彼に色々教わった跡部と不二は風・炎・水3つを使える。また跡部夫妻や由美子といったモロに研究肌的な人々はほとんど全てについて解明しているためやろうと思えば凄まじく幅広い範囲で使える。なお使える力の中にはほとんどの場合で自らの力も含まれる。契約を結べば他人の力を使うも可。

  * 発現方法兼媒体=陣(地面や空中などに描く)・呪文・韻(手で切る)・魔具(力の篭ったアイテム)。それらの複合により己の使う力と契約を結ぶ。

  全体を一言でまとめれば、魔法は契約が主体であり、何らかの方法で契約した何かの力を借りて使うのが共通事項


 なおこのような話をすると逆に誤解されがちだが、『魔法使い』というと確かに狭義では実際に力を使いこなす者のみを指すが、広義では最初に説明した通り『いわゆるオカルト』に精通した者全てを指す。わかりやすく(?)例を上げると『魔法使い』は神主や僧侶、神父、霊能者のような存在だけでなく、知識豊富な学者や博士も含まれるわけだ。
 よってそれらで用いられる薬や魔具の類、さらには各地のお祭りなどに詳しい者も含まれ、その結果各地を移動する中で自然とそれらに関する知識を身に付けていった千石と室町も『魔法使い』に入る。


 以降は国ごとの特色。
六角
 最もオカルトの類が普通になじんでいる国。農業や漁業などをする歴史の中で、太古の昔より自然神を信仰し、己も自然の一部と考える。見方によっては国民全員が魔法使い。だからこそそれが自然過ぎ、あえて取り上げられない。
 実際本人たちも知らない内に、自然の力を借り魔法を使っている。常人離れした運動神経を持ち、気配を絶つと姿まで消えたり、素潜りが
10分以上出来たり、動植物と会話してみたり。他国民からすると異常な事だが、六角国民にとってこれらは手足を動かすのと同等程度にしか考えられていない。
 そんな六角で『魔法使い』と呼ばれるのは、特に知識に精通した者だ。ここで出てくる中では木更津と、そして佐伯が挙げられる。
青学
 六角同様神の信仰は行っているが、現代日本のようなノリで(爆)そこまで真剣に信仰もしていなければ、その力を使いこなそうとも考えていない。時期ごとに行事と称しお祭をやる位。
 由美子に不二。どちらも世間一般でまだあまり知られていない存在のため、『魔法使い』だからといって特に話題にもならず。
氷帝
 こちらは逆にかなりメジャー。ただし神を信仰するというより使いこなそうとする、それこそ狭義の意味での『魔法使い』が。
 なおそんな中でも跡部親子は『氷帝有数の魔法使い』としてそちらの意味でも尊敬されている。
ルドルフ
 六角・青学・氷帝3国の思想が入り混じった国なので、オカルトに対する考え方も人それぞれだ。
 ただし観月は各国から魔法使いを集めたとか・・・?
山吹
 民族により様々。情報も取り扱う商人は魔法使いと呼んでも差し支えない。
 さらに千石や室町を見てみると、自力で魔法そのものは使えなくとも、身を守るため魔具を使いこなす商人もいるようだ。
不動峰
 オカルトは全く信じていない。かつて王国だった頃、王がオカルトに対し異常執着を示していたためその反動として完全否定に回った。
 橘の場合、本人いろいろと出来そこそこに強い存在らしいが、不動峰の方針に合わせ特にそれを発揮することはない。


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U.ある意味国の特徴を色濃く表すもの―――礼(目上の者への場合のみ)

1.青学王国―――利き手を胸に当てお辞儀

 利き手(自由)と頭及び心臓(命)をあなたに預けますという意味。さらに丁寧にやる場合は、男性ならば片膝をつき、女性ならばスカートの裾を持ち片足は半歩下げつま先をつけて、といった感じで。
 青学はかなり礼儀・・・・・・というか見た目を重んじる。これは青学の特産が各種細工品であることが理由。見た目が重要な細工物を造り出すならば、その人もまたそれ相応の存在でなければ、といった考えにより。




2.氷帝帝国―――両手を前で重ね、一礼

 国の紹介で述べたように元々治安はさして良くなく、かつては暗殺なども頻繁に起こっていた。このため自分は武器を所持していませんということを示すために両手を見せるようになった。さらに礼をする事で最も急所の詰まった頭を相手に差し出し、その上即座に反撃しにくい体勢となるこれは、一種の服従の証ともなる。跡部曰くの『氷帝国民外出時の必須持ち物』は1に財布、2に身分証明書、そして3に暗器。・・・これだけでこの礼がどれだけの意味を持つかわかるだろう。
 ちなみに―――青学式の礼を氷帝の人にやると問答無用で殺されても文句は言えない。片手見せない上に懐は暗器隠し放題だ。実際佐伯はそれを知っていながら跡部の前でやり殺される代わりに思いっきり怒られた経験をもつ。
 気が許せるようになったら握手。氷帝における利き手での握手は、かなり上級の信頼の証である。なお当たり前の話、その手に攻撃をしたら宣戦布告に取られる。




3.山吹公国―――直立して片手を目の上にかざす。いわゆる『敬礼』

 山吹は様々な思想の乱立する国だが、なぜかかなりの割合で相手に頭を下げるという習慣がない。このため頭を下げる代わりに目の上に手をかざすことで、相手が自分より上の存在だと示すようにしている。山吹が国としてまとまった際の、初代公王による苦肉の策らしい。このため一応それっぽい事をやれば特に細かい形式は無い。直立の後に『不動』とついていないのはてれ〜っとやる人も多いため。さらに千石の場合指を2本しか伸ばさずその後その手をひらひら振ったりと、かなり軽〜い挨拶をする。これでも別に構わない辺りかなりアバウトに行われている。
 なおこの礼にはいろんな意味で深い歴史あり。実質村連合たる山吹に、それでも必要と利便性に応じいくつかの標準ルールを設ける(何も設けないのならそもそも『国』としてまとまった意味がない)際、それを広める第一段階としたのがコレだったそうだが・・・・・・国全体に馴染むのに
10年かかった。初代公王がストレスで倒れ引退する寸前の言葉、「もうちょっと難しいところからだったら多分100年はかかって私は過労で死んでいたであろうなあ・・・」は、『いきなり全てを押し付けようとするな』という教訓と共に、何かを治めようと学ぶ者たちの中ではあまりにも有名な言葉となった。




4.六角共和国―――なし

 六角は基本的問題としてまず『目上』の存在がない。議会を開くのはあくまで『代表』であって『上』ではない。なので六角には礼の方法がない。普通に軽く手を上げて挨拶。これだけ。話の中で佐伯が不二や跡部相手にろくすっぽまともに礼をしないのは、彼がこの六角方式を取っているからである(本人曰く)。逆に青学式に馬鹿丁寧に頭を下げるときはかなりの率で嫌がらせ(特に対跡部)。
 なおハイタッチや拳を当てたりするのは、相手をそれだけ信頼出来る者―――『家族』とみなした証。六角は元々外部からあまり人が来ないため全体的にアットホームだが、だからこそよそ者には手は預けない。厳しい自然を生き抜く彼らは、時に軽い怪我が己の生死を左右するためだ。冷たい民族だと思うのはお門違いである。




5.不動峰民主主義共和国―――両手は横にしたまま軽く素早く頭を下げる

 『王国』時代はそれこそ王への忠誠として土下座で地にひれ伏していたらしい。橘が来てからは礼そのものを無くそうとした。だが日々世話になっている橘さんにそんな失礼な真似は出来ない! という周りの意見が多く、その妥協点がこんな方法。


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V.その他用語(一発使いきり含む)

グズリの実
 温かい地方に生える木の実で、甘くてみずみずしいためデザートとして多くの者に好まれる。六角や青学には多い一方、この生息条件のためわりと涼しい氷帝には生えていない。拳大で黒い皮は手で剥ける。舌でつぶせる位柔らかいが、だからといって互いの口の中で潰しあったりすると気持ち悪いらしい実体験者ら曰く。
コニの葉
 コニの葉に含まれる甘味成分・コニースは超即効性のある毒物の一種。乾燥させたものをお茶として飲むのが一般的(ついでにおいしい)。コニースが抽出されるのには少し時間がかかるため、普通は暫し蒸らした後飲む。抽出されたかの指標は匂いと味が甘いかどうか。甘みが出るまでは他の茶と区別がつかない。ただしわかる人にはその状態でもコニの葉のお茶だと気付く。
 涼しめの環境を好むため青学ではあまりないが氷帝では割とメジャーなもの。興奮作用があるため、祭りごとかあるいは各種オカルトの類でよく用いられる。
 基本は興奮剤であるが、次にある
BCDに属する。中毒にかかった状態を『コニース中毒』といい、理性のタガが外れ本能のままに行動しだす。
Brain Changed Drag 〔BCD
 薬物中毒の1つの症候群。厳密にはそれを導く薬物の総称。
 飲用し続ければ脳の働き、特に生存に必要な部分の働きを代行するようになる。このためそのうちこれを飲まずには生存が不可能となる。が、この状態まで追い込まれるとむしろ飲まなくともハイになれる。それを必要としなくなる。このため基本的に一度手を付けたら最後。最終的な生存率はほぼ0%。唯一生き残る手段は1度目、体中に広がる前に抜き出す事である。方法として、毒が体中、脳中に回らないよう一度意識を失わせて脳内活動を最低限まで抑え、その後一気に目覚めさせ体を活性化させ内側から追い出すのが一般的。なお跡部・佐伯は共にコニース中毒となった互いを殴って気絶させ水に放り込んだ。コニース中毒の一番簡単な解毒法である。
ルーブル草
 コニの葉と同じく超即効性のある毒物。ただし、現れる『効能』はコニの葉のような可愛いレベルではない。一応最初は頭クラクラしてちょっと気持ちいいらしいが、即座に咳き込んで涙流して白目剥いて喉掻き毟ってうなされて、涎垂らして悶絶して時々意味不明の雄叫びを上げて・・・などという感じで3日間ひたすら苦しむハメとなる。3日経つとけろりとし、2度目以降は効果がほとんどなくなるのが特徴。
 さらにコレをさらに最悪せしめる理由として・・・焚いて出る煙は非常に嫌な色、少しの量から不必要なまでに膨大に出、かつ空気と同比重のため逃げようがない。その上煙は火がついている時より消してからの方がより大量に出るという最悪を通り越して最早天晴れな一品。念のため付け加えておくが別にこれはそうなるよう品種改良されてはいない。天然に生えている状態でコレである。知らずに野宿する際の焚き火として利用し中毒にかかる人も多い。
 こんなはた迷惑極まりない草は、主に鎮圧や拷問用に使用される。実際話ではなかなか先に進まない千石・佐伯・不二の鎮め様に由美子が、さらに別物パラレル『
Survive〜』では佐伯と千石がこの上なく正しい使い方をしていた。
伝話機
 つまりは通信機の事。ただしもちろん現在の世界のように電話だのパソコンだのはない。管越しに話し掛ける伝話管や、弦に振動を伝わらせる糸伝話として用いられている。なお氷帝で開発されている最新の技術では、音を電気信号に変えて送る事が可能らしい(つまりはこれが今使われている電話)。全ての共通点は有線かつ近距離専門という事。遠距離でやろうとすれば大掛かりな施設が必要で、なおかつリアルタイムの会話というメリットを打ち消す不便な点が多すぎる。だからこそ現在伝令係がメインで働いているのだ。
 ただし一部の『魔法使い』は魔具を用い無線かつ遠距離でも話せる。跡部家当主及び使用人らは通称『トランシーバー』と呼ぶそれで連絡を取り合い(ただしこれは基本的に近距離用)、さらに跡部・狂介・由美子・千石の4人は宝石箱大の魔具で国すら隔てた遠距離でもクリアな音声で話せる。ちなみにこれは利用の仕方によっては声のみならず物まで転送できるらしい。尤も出来るほどの技量の持ち主は今のところ跡部両親のみのようだが。
伝令係
 というわけでその伝令係。この世界にリアルタイムで状況を伝えられる便利な道具はない(一般的に)。情報は各地を移動する商人たちや郵便屋などが運んでくれるが、一番速く状況を伝えようと思えば直接行くしかない。
 ・・・などという理論により伝令馬に乗り直接行く人。場合によっては馬車だったりもする。いずれの場合も共通しているのは自国の旗を掲げ入ること。そうしないと敵とみなされで攻撃される(現に§0では旗を掲げず青学に入った跡部らが警備隊に追われ城の兵に敵扱いされた)。
馬の品種
1.オリーガル種
 軍用馬にも利用される種。馬としての総合力は高く、何より頭がいい。跡部が飼っているエリザベーテもこの種。跡部家で最速を誇り、その速さはステアルス種にすらひけは取らない。跡部の趣味と性格により徹底教育を受けている。当然のように人間を遥かに上回る運動神経の元では、生半可な攻撃は毛に掠りすらしないほどになったようだ。
2.ステアルス種
 馬の中でも最も速く、一般的に伝令馬にも用いられる。ただし速く走ること以外何の役にも立たないのが欠点。§0にて跡部両親が乗り、さらに青学へ爆走していったあの馬こそがステアルス種である。本気で速く走る事以外何の役にも立たない事が立証された。
オンロードとオフロード
 どうでもいいようで特に商人や旅行者にとって重要極まりないこの区別。言葉通り単純に捕らえると道の有無だが、それぞれの国もそこまで発展していないこの世界において、せいぜいまともな道があるのは街や村の中のみ。特に国外ではそもそも道らしい道はまずない。それこそ文字通りの『道無し[オフロード]』なのだが、いくらなんでもこれでは範囲が広すぎる。というかこれではそもそも分類の意味がない。
 2つの区別は『馬車が走れるか否か』で付けられる。まともな道がなくとも草原やら荒野やらの平坦な道ならばまとめて『オンロード』、山道など険しい地形を『オフロード』という。
 なお山吹を例とすると、山の隙間を縫うように存在する山吹公国ではその周りはひたすらにオフロードだらけとなる。唯一のオンロードが山吹の中心をそのまま貫く筋。ものの運びを馬車で行う商業において、山吹が重要な中間点となる理由はここにある。
神官見習い[プレリースト]
 この話では越前兄弟のためにのみある位と設定。神官[プリースト]の前段階[プレ]ということで正確には『プレプリースト』。ただし言いにくいので略して『プレリースト』。
 そもそも神殿[シュレイン]があるのが青学のみ(他は国によって言い方が違う)。さらに神官見習いは素直にそういうのが普通なためマイナー極まりない言い方・・・というか勝手に越前兄弟が作った造語のため、会う人会う人に説明しなければならない。



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中間第一次的あとがき(意味不明ながらにまとめるとつまりは
2004.4.16時点でのぼやっきー)

 こういうむやみな設定をネチネチ考えるのは大好きです。わざわざ単独で取り上げた『礼』の仕方は、本編においてノリだけでサエに馬鹿丁寧なものをさせた後やたらと発展していきました。私的に好きなのは山吹と六角方式。山吹のは最早千石さんのためだけの風習っぽいですけど。
 そしてこの話メインは跡部
&サエ(あくまで主はちゃんと前にしてあげましょう)に不二で千石さん乱入のため、どうやっても出る国は青学・氷帝にせいぜい山吹まで。話が進むと不動峰が出てきそうですが・・・・・・六角の紹介がやたらと少ないのはまだ「近くにこんな国がある」というノリでしか出てこないからです。出てくるようになったら増やします。決して六角が嫌いなわけでもないがしろにしているわけでもありません。

2004.4.1516


中間第二次的あとがき

 いろいろ増えました。ルドルフが増えた理由は次で出るからです。そしてついにリョーマも・・・!! 用語はちょっとしたまとめ程度で。そして特に王家、国と人物紹介で説明重複していてすみません。どこで切ればいいのかわからなくて・・・。
 さっていよいよルドルフ編。舞台は青学へ戻ります。今までなかなか活躍出来なかった不二姉弟は活躍出来るのかな?
 ・・・・・・そして私はリョーマ登場と共にリョ不二にしたくてたまらない欲望に勝てるのか否か(いえ今回リョ不二にして誰も困らないでしょうが)!?
 さらに木更津さんが出てくれたおかげでようやっと六角の設定が出来上がった・・・vv なお彼が六角を出て行く原因となった『兄弟ゲンカ』は皆様ご自由にお考え下さい。今回は魔法使いにつき、亮の育てていた作物に謎の薬でも撒いたのかもしれません。

2004.12.32006.5.17