Challenge1.白受けサエ1 vs跡部 −プレゼント−
最近六角では手作りプレゼントが流行っている。
「といった感じでね、好きな子に手作りのもの何かあげるといいんだよ」
「それで一発コロっと墜ちるよ。頑張ってね」
「サエ君ならいけるよv」
「サンキュー」
ナチュラルに女の子らに混じって会話していた佐伯。周りも全く以って何の疑問も持たないまま、話し合いは終了となった。
(手作り、か・・・・・・)
離れながら、思う。さて自分は何が作れるだろうか、と・・・・・・。
「―――で、答えがコレだ、と?」
「ああ。好きなだけ食ってくれ、跡部」
いつもより当社比157%の笑みを浮べる佐伯。笑みと共に差し出されたものを前に、跡部は思いっきりため息をついた。
佐伯の『手作りプレゼント』。それは・・・・・・アサリの味噌汁だった。
(まさか佐伯に吹き込んだヤツらもンなモン出すたあ思わなかっただろーなあ・・・・・・)
間違ってはいない。獲る時点から全部自分でやったのだろうから余計に。
が、
(なんっか、違わねえか・・・・・・?)
どこの世界にプレゼントとしてこんなものをやり取りするカップルがいるのだろう。『手作り料理』としてならどこにでもいるだろうが、明らかにコレというか佐伯の考え方は違う。純粋に『プレゼント』として差し出してきている。
正しい知識を植え付けようか、と佐伯を見やる。待っていたのはキラキラした眼差しだった。
(ぐ・・・・・・っ!)
コイツはどれだけわかっているのだろうか。その眼差しに言葉をつけるならば『食え、今すぐ全部。さもなければ殺す』。もうすこし建前[コーティング]をつけるならば『もちろん食うよなあ全部vv』。・・・・・・いずれにせよタチの悪さでは変わりはない。
その上―――
(ゔ・・・・・・)
佐伯の目の色が変わった。キラキラ恐喝から一転、落ち込み脅迫へと。
沈んだ眼差し。『食ってくれないの・・・?』と如実に語る瞳。何だか今にも泣きそうだ。
(マジでタチ悪り・・・・・・)
それらは見なかった事にしてもう一度味噌汁を見やる。出来に関しては文句はないだろう。いつも自分達も食べているというのだから(ただし『自分も食べている』ものが安全だとは限らない事を証明しているのが某青学の天才であるが)。
さて佐伯。これを渡して「手作りプレゼントだ」と言う。
(可愛いじゃねえの)
顔をほころばせる。別にいいじゃないか。どんなものであろうと。重要なのはプレゼントをあげようというその気持ちだろう?
「ありがとよ」
「え・・・?」
きょとんとする佐伯から、お碗と箸を受け取る。佐伯の顔に、ぱああああっと華が咲いた。
「どういたしましてv」
・ ・ ・ ・ ・
数日後・・・・・・。
「跡部v はい、どうぞvv」
「あ、ああ・・・。ありがとよ・・・・・・」
今日もまた『手作りプレゼント』を持って来た佐伯。差し出されたスルメをもしゃもしゃ食べつつ思う。
(誰かコイツに『常識』ってモンを教えてやってくれ・・・・・・!!)
―――白受けサエ1 Fin
―――白!? このサエ白でしたか!? めちゃめちゃ黒入ってたような気がしますがてかアンタ全部確信犯じゃないのか!?
そんな感じで白サエです(断言)。ちなみにウチのサイトの白サエ基準はアニプリにおける彼の試合中です。Jr.選抜合宿中、跡部vs真田戦で暴言オンパレードするまでアニプリのサエは白受けだと解釈していました。さて白でこのレベル。黒だと一体どうなるんだろう・・・・・・?
2004.9.25