※ アニプリにおける佐伯は銀髪です。
『シルバーシート』
青学と六角の合同合宿にて。まず最初は互いの交流を重視し―――という名目で、ホンネは海があって夏だったから―――ビーチバレー大会をやる事になった。
《オジイ杯》と名称付けられたそれ。クジで2人1組となったトーナメント。負けたチームには特製イワシ水があり、さらに・・・・・・、
『シルバーシートお!!??』
オジイと竜崎による屈辱的行為に一同が呻く。
さて。
『《Silver Seat 》?』
ここに、日本在住まだウンヶ月以内の帰国子女が2名いる。どちらも元英語圏の国在住。
「《銀色の席》?」
「それって・・・・・・」
基本的な日本語は堪能だがいくらなんでも彼らに『白髪となる高齢者らを総称し「シルバー」と呼ぶ』などという日本での常識を知っていろという方に無理がある。
そんなこんなで、2人は言葉そのままの訳をつけた。
揃って佐伯を指差し、
『こういう人[ヤツ]に座られるって事(っス)か?』
『――――――っ!!!???』
全員のバックに稲妻が走った。
「た、確かに・・・!!」
「《銀髪の[シルバー]シート》・・・・・・!!」
「・・・・・・は?」
唯一わからないらしい本人。自分を指差し首を傾げる佐伯を全員でじっと見つめ・・・
(佐伯に座られる・・・・・・?)
(上に座るって事はつまり騎乗―――!!??)
(うあ・・・。鼻血が・・・・・・)
全員の頭を駆け巡る、よからぬ想像の数々。
「ふむ。では・・・」
イワシ水解説ついでに乾が佐伯の手を引っ張った。トーナメント表の書いてあるボードの前へ連れて行き、
「すまないが佐伯、ここに暫くいてくれ」
「? ああ・・・」
まだ事態が飲み込めない佐伯。乾はボードの前に立つと《オジイ杯》に×をつけ、
《『シルバーシート』争奪杯!》
と書き直した。
「後での揉め事防止のため試合は個人戦。負けた者は当初の予定通りイワシ水。優勝者に『シルバーシート』。以上。何か質問は?」
「いやあの乾・・・」
『ないでーす!!』
「では始めよう」
「だから俺は・・・・・・?」
『おー!!』
「おーい・・・・・・・・・・・・」
○ ○ ○ ○ ○
そして、幾多の試合が行われ、ある時はイワシ水で、ある時は実力行使で1人また1人とこそぎ落とされ・・・・・・。
「はあ・・・。はあ・・・。
―――優勝したぞ、佐伯」
荒い息をつき、重い足取りでこちらに近付いてくるのは手塚だった。
「では佐伯・・・・・・、優勝商品の、《シルバーシート》を・・・・・・!!」
「いいのか・・・・・・?」
「ああ・・・・・・」
「本気で?」
「もちろんだ」
「ちなみに今熱は?」
「それは特にこれから上がる」
「精神状態は?」
「非常に興奮した状態だ」
「薬の類は?」
「・・・? やっていないぞ?」
・・・・・・なぜだろう? 『お前頭大丈夫か?』ととても遠回しに問われているような気がするのは。
手塚が悩む間に、佐伯は違う事に悩み・・・
「―――よし、わかった」
「そうか。わかってくれたか」
「ただし1つだけ約束してくれ。『後で何も言わない』って」
「つまりその場限り、と?」
「というかさ・・・。
後で何か文句とか言われるとさ、ホラ、やるせないっていうか、落ち込むっていうか・・・・・・」
指を絡め、佐伯が小さく呟く。可愛らしい様に興奮度合いが増す。
「そんな事はしない。約束しよう」
「・・・本当に?」
「男に二言はない」
「つまり毎回違う文句をつけるのか?」
「そういう意味ではない!! 一切文句は言わん!!」
そう豪語する手塚。彼の目をじっと見て、
「・・・・・・わかった。疑って悪かったな」
「いや・・・・・・」
「じゃあ―――」
俯き、近付いていく。海パンの紐をしゅるりと抜き―――
「さ、佐伯・・・! 何もそのような―――!!」
何か言いかけた手塚を無視し、
佐伯は手にした紐を軽く振り上げた。
パ――――――ン!!!!!
「ぐっ・・・!!」
いきなり打たれ、ムチのような衝撃に傾ぐ手塚。さらに2・3発打ちつけ、蹴りを入れ転がす。
「な・・・何の真似だ佐伯!!」
咳き込み、喘ぎながら手塚が言ってくる。佐伯はきょとんとし、
「は? 何の真似?
だから―――優勝商品の《シルバーシート》」
「何・・・!?」
「お前も淡白そうな顔してやっらし〜♪
『人間イス』なんていったらSMの基本じゃんvv」
「ち、違・・・!!」
「安心しろよ手塚v そういうプレイは跡部だの千石だのそれこそリョーガだので慣れてるからなvv たっぷり啼かせてやるぞvv」
「うあああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
○ ○ ○ ○ ○
地獄と化したそちらを見やり、
「サエって・・・・・・、
何でか妙なところで『解釈の違い』起こすんだよね」
「妙っつーか・・・」
「すげー・・・・・・致命的なトコばっかでな・・・・・・」
「でも別に頭悪いワケじゃないんだよね。なんでだろう?」
「そりゃー・・・
・・・・・・間違いなく意図的に間違ってるからだろ」
げんなりとしたリョーガ―――現在跡部と並んでそれの1番の被害者である彼の呟きを受け、
見物者全員は重々しく頷いた。
頑張って手に入れた『勝利』に裏切られた哀れな男を見る。
「結局・・・・・・」
「『罰ゲーム』である事に代わりはなかったな・・・・・・」
―――Fin
○ ○ ○ ○ ○
最近サエが受けの話ばかり書いてますが、サエ受けのみに染まったのではありません。もちろんそれも大好きですが! ただそういう話が突発的に連打で出来てるだけです。一応ここはさりげに主張。虎跡はもちろん大好きだ(他は?)v
2005.4.24