諦めて食べる


 「む、ぐ・・・・・・!!」
 鼻をつまみ口直しをたっぷり用意し、
 あなたはヤケクソでケーキを口いっぱい頬張りジュースで流し込みました。味など欠片もわかりたくない―――
 ―――筈でした。
 「美味、しい・・・・・・」
 外した鼻に仄かに伝わる甘い香り。口中をなめらかに包み込むケーキ。クリームとの境目がわからないほどふっくら柔らかい生地。クドくならないよう後味スッキリのジュース。
 そして・・・
 「よかった」
 佐伯の本当に嬉しそうな笑顔。
 素敵なお礼に喜ぶあなたに、
 彼はこう言いました。



 「なお質問は1つにつき
500な」



 「はあ!? 何でよ!?」
 「だって『質問は1つ』って最初に言ったじゃん。『質問、していいかな?』でサービス分終わったぞ?」
 「結局金取るんかあああああああ!!!!!!!!」



エンディング