千石清純
14歳。俺は、サエくんが大好きですvv



が!





 「ね〜えサ〜エく〜ん♪」
 「あーはいはい、何だよ千石」
 「ってその反応酷ッ!! 仮にも俺たちは今デート中だよ? なのに君の冷めっぷりは何!? この会話聞いてデートだってわかる人多分0だよ!?」
 「してる俺たちがわかればいいんじゃないのか?」
 「え!? サエくんデートって自覚アリvv も〜そんなはっきり言われちゃうとキヨ照れちゃう〜vv」
 ごすっ!!
 「う・う・う・・・。サエくんが冷たい〜〜〜」
 「は? どこがだよ? こんなのいつもの事だろ?」
 「だからいつも冷たいって遠回しに言ってんだけど!?」
 「おおそうだったのか!」
 ぽん。
 「・・・・・・すいませんごめんなさい。今君の事マジで尊敬しました」
 「そーかそーかよしよし」
 「褒めてない!!
  あーもーヤだよ・・・。思考回路まともな人とお話したい・・・・・・」
 「すればいいんじゃないのか?」
 「あー! あー! ちょ〜っとそういう事言っちゃう!? しかもデート中に!?
  いーよいーよ!? それならナンパしちゃって浮気とかしちゃうからね!? 反対とかしないでよ君公認なんだから!! 後で後悔したって遅いんだからね!?」
 「いや無理だろ」
 「・・・即答ですか。ちなみにその根拠っていうか、どの辺り指して『ムリ』?」
 「お前に付き合うヤツがいるとはとても思えない」
 「ふっふ〜ん♪ 俺ナンパなんて朝飯前だし? 声かけたらけっこーみんなついてくるよ? 今ここでやってあげよっか?」
 「どうせサクラだろ?」
 「うわ信用0! だったら君も知ってる相手でどうさ!? 嘘ついてるかは君が判断してよ!?」
 「へぇ〜?
  別にいいぜ? なら1週間待ってやるから連れて来いよお相手?」
 「絶対! 連れてくるからね!!」












〜予約済〜










 
    Target1―――不二

 「あ。お〜い不二く〜ん!」
 「やあ千石君。どうしたの?」
 「いや〜大した事じゃないんだけどさ、来週ヒマ? デートしない?」
 「何言っ―――」
 「―――ってんスかねえ千石さん」
 「やあ切原くん。さっそくなんだけどさ、来週不二くん貸して?」
 「嫌に決まってんでしょーが!! 不二さんは俺のモンなんスからね!!」
 「切原・・・//」
 「いやまそりゃそのまんまくれとは言わないけどね俺だってサ―――ああそうだ」
 「・・・何スか? くだらない頼みなら聞きませんよ?」
 「そ〜んな酷いなあ切原くん。んじゃ不二くん諦めるからさ」
 「そうっスか・・・(ホッ)」
 「うん。
  だから代わりに君貸して?」
 「へ・・・・・・・・・・・・?」
 がしっ!!
 「千石・・・。
  骨まで焼き尽くされるのと溶かされるのと異空間永遠に彷徨うのどれがいい?」
 「単純に殺すだけじゃ飽き足りませんか・・・・・・」
 「もちろん」
 びゅうううううう・・・・・・・・・・・・
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すいません。今の話はなかった事にして下さい」
 「いい判断だね」

 
 









 
 
    Target2―――跡部

 「やっ、跡部くん」
 「よお、千石じゃねえの。どうしたんだお前?」
 「いや〜大した事じゃないんだけどさ、来週ヒマ? デートしない?」
 「ああ?」
 「だからさ、デ―――」
 びくうっ!?
 「・・・?
  ―――よお手塚、遅かったじゃねえの」
 「うむ、すまない跡部。
  ところで今お前は千石と何を話していたんだ?」
 「ああ。なんだかコイツが俺とデートしたいだのとホザきやがってな」
 「ほお・・・・・・」
 「あ、いやあのだからといってそのまんま跡部くんと付き合おうとかそういうワケじゃなくってだね?」
 「たりめーだろーが」
 「そうそう。コレにはひっじょ〜に深い深い深〜〜〜い事情があるのだようん。・・・・・・だからそんな風に睨まないでくれると嬉しいなv」
 「事情?」
 「あ〜うん。そのね―――」



 (千石のノロケ中略)



 「―――だから知り合いの中からデートしてくれる相手を探そう、ってか?」
 「そうそう」
 「そんな勝手な事情で跡部を貸せるか」
 「まあ待てよ手塚。
  なあ千石、つまりそりゃ佐伯の知り合いなら別に誰だっていいんだよな? 俺じゃなくても」
 「え? そりゃそうだけど・・・」
 「でもって手塚、てめぇはエセだとしても俺が千石と付き合うのは嫌だ、ってんだよな?」
 「当たり前だ」
 「なら間を取ってこうしようぜ?
  ―――手塚、てめぇが千石に付き合え」
 「・・・・・・・・・・・・何?」
 「はあ!? 跡部くんそれ一体どーいう事!?」
 「言ったまんまだ。手塚も十分佐伯のヤツと知り合いだろ? でもって俺がやんのが許せねえってんなら結論はこうなる」
 「お、お前は何とも思わないのか跡部! 俺がそのような真似事をやらされる事に対して!!」
 「ヤラセだろどーせ? ンな深く考えんなよ」
 「だが―――!!」
 「そーだよ跡部くん! やっぱ恋人としてそーいうのはマズいっしょいくらヤラセでもさあ!!」
 「ああ? 千石お前何ケチつけてやがる?」
 「あいやあのそれは・・・・・・・・・・・・。手塚くんとデートって・・・・・・、ぶっちゃけ何やっていいのか全っ然わかんない・・・・・・」
 「てめぇ手塚の事侮辱した挙句嫌がるってどーいうつもりだああ!?」
 「跡部くん君どーいうポイントで怒ってんの・・・・・・?」
 「コイツは確かに普段から何考えてるかわかんねーし正直俺だって初めて2人っきりになった時にゃあんまりにも間が持たねーんで途方に暮れ果てたがな!?」
 「それ、恋人としてはすっげーダメっぽいような・・・・・・」
 「というか跡部・・・。俺たちが初めて2人きりになったのは部長会議の準備中だったのでは・・・・・・」
 「だがそれはあくまでコイツをちゃんと見てねえヤツのケースだ!! 困った時はとりあえずラケットとボール渡しときゃ勝手に遊ぶんだよコイツは!!」
 「跡部・・・。お前は俺に喧嘩を売りたいのか・・・・・・?」
 「いや・・・。一応コレで跡部くん流のノロケだと思うよ・・・? 他人じゃなくって、ちゃんと俺は手塚くんの事よくわかってんだぞ〜!!って」
 「そーだ!! 何でわかんねーんだよ手塚!!」
 「俺なのか非難されるのは!?」
 「てゆーかノロケ本人にわからせてどーすんの!?」
 「そもそも何で千石に通訳なんぞさせてんだよ!? てめぇの俺様理解度は千石以下か!?」
 「(ムッ・・・)そんなワケはなかろう」
 「ほ〜。自信満々じゃねえの」
 「当然だ。俺はお前の恋人だからな」
 「そ、そうか・・・・・・//」
 「今だってお前が何を考えているのかよくわかっているぞ。お前は先程あのように言いつつ、千石に俺を貸したいなどとは微塵も思っていないのだろう? だが自分を貸して俺に嫌な思いをさせるならば自分がそれを引き受けようとしている。そしてそれを俺に悟らせないようわざと平静に対応している」
 「〜〜〜〜〜〜////。
  そ・・・んなワケねーだろ!? 勝手に都合よく解釈すんなよな!! てめぇなんぞ千石に貸せて清々してるぜ!!」
 「ほお。なら俺も尋ねようか。なぜお前は俺を貸す事に対し『深く考えるな』と言った? 千石に言う振りをし、実際は自分にそう言い聞かせたんじゃないのか?」
 「なっ――――――//////!!??」
 「(ぽふっ・・・)安心しろ跡部。俺はお前だけのものだし他の者のものには決してならない」
 「あ・・・、当たり前だ・・・・・・(きゅっ・・・)」
 「(ぽんぽん)
  ――――――という事だ千石。悪いが、俺たちはその話は断らせてもらう」
 「・・・。
  ああ、ま〜そーだろーね。お邪魔しました〜・・・・・・」

 
 









 
 
    Target3―――リョーマ

 「ああー! リョーマくん発見!!」
 「は・・・?
  ・・・ああ。ども千石さん。何か用っスか?」
 「いや〜大した事じゃないんだけどさ、来週ヒマ? デートしない?」
 「は・・・・・・?」
 「―――お〜いそこ〜」
 「あ、リョーガ」
 「やっ、リョーガくん久しぶり〜♪」
 「おう。ホント久しぶりだよな〜千石クン。
  で、久しぶりに会ったお前は何してんだ? ああ?」
 「やっだな〜そんな跡部くんみたいなドス効かせないでよv ちょ〜っとリョーマくんデートに誘ってるだけだってvv」
 「チビ助は俺のだから不可」
 「アンタのじゃないって」
 「か〜!! いい加減に目覚めろよな!! お前は俺のだ!!」
 「いやリョーガくん・・・。それは昨日のドラマの台詞じゃ・・・・・・」
 「アンタが目覚めろよリョーガ!! 俺はアンタのじゃない!!」
 「じゃあ誰のだってんだよ!?」
 「俺のに決まってんだろ!? 俺のものは俺のもの!! 人のものも俺のもの!!」
 「ダメじゃんそれ人として・・・」
 「く〜!! 最高だぜチビ助!」
 「感銘受けちゃうワケそれで!!」
 「んじゃもちろん俺は!?」
 「俺のもの!!」
 抱きっ☆
 「よく言ったチビ助! やっとこれで俺の教育も実ってきたってモンだ(涙)!!」
 「・・・・・・。いやもーいいけどさあどーでも・・・。今のはすっげー悪質な誘導だったようにも思うんだけど・・・・・・」
 「ん? 何か言ったかな千石クン?」
 「いーや何も?
  んじゃリョーマくん。君のリョーガくん、●ンタ1週間分と交換しよっか?」
 「ん」
 「あっさりトレードかチビ助!? 俺は●ンタ1週間以下か!?」
 「もちろん」
 「ぐ・・・・・・!!
  な、なら俺なら2週間分買ってやるぜ!? どーだ!?」
 「ホント!?」
 「な・・・!! なら俺は3週間分・・・!!」
 「1ヶ月!!」
 「1ヵ月半!!」
 「2ヶ月!!」
 「―――!!」
 「―――!!」

 
 











v     v     v     v     v










 
 
    Target・・・・・・

 「・・・・・・で、結局越前を競り落とし損ねた、と」
 「うっうっ・・・。だってよくよく考えてみたらリョーガくんってめちゃくちゃお金持ちだったんだもん。跡部くんとタメ張れるくらい」
 「まあ確かにそうだなあ。
  ところで千石知ってるか? そういうのを『
サクラ』って言うんだぞ?」
 「ぐっ・・・!! 痛いトコを・・・!!」
 「(ぷ〜〜〜〜〜〜〜)必死こいてサクラ探して、それですら見つからないんだ〜。お前のモテ方ってやっぱ所詮その程度だったんだ〜♪」
 「うっ・・・なっ・・・だっ・・・・・・(えぐえぐぐすっ)!!」





 「ほら、だから言っただろ? 『お前に付き合うヤツなんていない』って。俺以外」





 「え・・・・・・・・・・・・?」
 「ホラ、何してんだ? さっさと行くぞ」
 「ど、どこに・・・?」
 「別に? どこでもいいぜ?」
 「あ、あのそれは〜・・・?」
 「誰も見つからなかったんだろ? 仕方ないから俺が付き合ってやるよ、デート」
 「サエく・・・ん・・・・・・?」
 「ほら行くぞ」
 「うん!!」

 











本当に『しょうがないなあ』って感じで笑って手を伸ばしてくるサエくんはどうしようもない位カッコよくて綺麗で。


その手を取りながら、ああ俺はきっと一生サエくんにめろりんこなんだろうなあ・・・とか思っちゃいましたvv










終わり!!













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 なんだこの話? もう『甘』抜いて『タルい』だけでおっけーな代物になってます特に塚跡(主役はキヨサエじゃあ・・・)。
 さって『わざと他の子にちょっかいをかける千石』。そういえば『落としている最中』という前提を忘れめちゃくちゃもう結ばれてますが、そんなものにも挑戦してみようと出来た話でした。
CPが無理矢理に見えるのは気のせいです(言い切り)。跡不二で不二に持ちかけ怒り狂う跡部もよかったですが、無言で圧力をかける手塚がやりたかったので断念してみたり。さりげに幸村も入れたかった・・・・・・。
 なおリョーガが言っていたのは土曜ドラマ『女王の教室』よりです。かの名台詞もリョーガの手にかかればこんなものに・・・・・・。

2005.8.14