ぐっ と morning call
越前リョーマの朝、それは天国に始まり地獄に終わる。
「う・・・ん、あ・・・・・・」
頬をぺろぺろと舐める感触。気持ちよさに自然と声が洩れる。
「あ・・・って、ちょ・・・・・・」
柔らかい感触が、するりとベッドに潜り込んできた。
「止め、ろって・・・・・・。カル・・・・・・」
制止の声を無視し、潜り込んできたそれはさらにパジャマの裾から中へと入ってきて、
「ダメだってば・・・、いつも、言ってんだろ・・・?」
胸を舐められ、恥ずかしげにだが気持ち良さげに顔を背ける。閉じたままの目元が朱に染まり、制止の声も甘くなり・・・
「も〜・・・。わかったから・・・・・・」
何がどうわかったのか、とりあえず何の意味もない呟きをしつつリョーマはそれを撫で―――
「・・・・・・・・・・・・で、アンタ何やってんの? 不二先輩」
「お早うv 越前君vv」
布団をまくりこちらの体をまさぐっていたどこぞの先輩に、リョーマは半眼で呻いた。
そんなこちらを全く気にすることなく、不二がいつもどおりの笑顔で手を振ってくる。
「・・・・・・。で?」
もう一度問う。確かこの部屋の『もう1人』は桃だったはずだ。
リョーマの問いに不二は黙り込んで顎に手を当てた。
暫しして―――
「ホラ、僕の相部屋って英二じゃない。2人で騒ぎたいから代わって欲しいって」
「つまりそう2人を脅したんスね?」
確信的問い掛け。ようやく不二が本当に黙り込む。
「・・・・・・。
まあ別にいいじゃない。誰も困ってないし」
「俺は全力で困ってます」
「え!? 越前君何か困ることがあるの!? だったら僕が―――!!」
「だから毎度毎度乱入してくるアンタが迷惑だって言ってんだろ!!??」
「うわっ!」
毎朝恒例、枕をブン投げて追い払う。閉まった扉を見て、
「・・・・・・ったく////」
リョーマは小さく舌打ちしながら、カルピンではなく不二に舐められた唇に指を滑らせた。
―――Fin
跡部景吾の朝、それは地獄に始まり地獄へと続く。
「う・・・ん、あ・・・・・・」
上からのしかかられる感覚。苦しくて、声が上がる。
「うあ・・・あ・・・・・・」
まるでゾルのような気持ち悪い感触が、ずるりと体の上を這っていく。
「止め・・・ろ・・・・・・。あっ・・・!」
制止の声。完全に無視され、それはパジャマの隙間から中へと侵入してきて、
「嫌・・・・・・だ・・・・・・。ふあ・・・・・・」
なんとか振り回した手は何の効果も得られず。開いた口の中にもドロドロと入り込まれ、声が小さくなり・・・・・・
「止めろ・・・・・・っつってんだろ――――――!!??」
一声吠えると、渾身の力を込め跡部はそれを弾き飛ばし―――
「・・・・・・・・・・・・で、てめぇは何やってんだ? 千石」
「おっはよ・・・♪ 跡部、くん・・・・・・vv」
自分にのしかかりあれこれやり―――ついでに吹っ飛ばされしたたかに頭を打ち付けたどっかの馬鹿に、跡部は半眼で呻いた。
そんなこちらを気にする余裕もなく、千石は涙目で頭をさすりながらもそれでも見上げた根性でいつもどおりの笑顔を浮かべてくる。
「・・・・・・。で?」
もう一度問う。確かこの部屋の『もう1人』は樺地だったはずだ。
跡部の問いに千石は即答で、
「ホラ、俺の相部屋って神尾くんじゃん。話飛ぶけど伊武くんが樺地くんと話盛り上げたいって誘っててさ、そしたら神尾くんもじゃあ俺もって事で今みんなで伊武くんの部屋に行ってるんだよね。おかげで俺ってば一人っきりでサミシ〜」
「あからさまに話に矛盾あんだろ」
誰でもするだろう突っ込み。ようやく千石が口をつぐんだ。
「・・・・・・。
まあ別にいいじゃん。誰も迷惑してないし」
「てめぇのせいで俺は全力で迷惑してんだよ!! 俺様の安眠妨害しやがって!!」
「え!? ちょ、ちょっと!! それって俺のせい!!??」
「ったりめーだろーが!! 今日こそてめぇぶっ殺す!!」
「っぎゃああああああああ!!!!!!」
毎朝恒例、再起不能になるまでぶちのめす。動かなくなった男を見下ろし、
「・・・・・・焼くか、埋めるか、それとも沈めるか」
跡部は小さくため息をつき、少し血のかかった口端を舐め取った。
―――(千石の人生)Fin
× × × × ×
ををっ!? 今回はいつもと逆っぽく不二リョの方が恋愛してるっぽい!?
そんなワケで久々にしてJr.選抜企画では初の不二リョと2度目?
のせんべです。なんとなくこの2カップルだとパラレル『天才〜』のように(?)、成熟しすぎて恋愛っぽさ0%の不二リョとそれに比べりゃまだちったあマシなせんべといったイメージが強いもので、なぜか自分でも予想外。やっぱ無計画に話進めると恐ろしいなあ・・・。当初考えていたものと全く違う出来になる。そういえばこちらは絵専門の友人ですが、かつて『思いついたネタを書き終わる前に忘れる』とボヤいた私に彼女は『ネームみたいに下書きしないの?』と聞いてきました。するんですか文章書きも!?(←当然します) やり終わった時点で飽きて書かなくなるので私はやらないんですが。特にオンラインで上げたりすると文字数とか一切制限ないですし。
まあそんなどうでもいい話は置いておいて、19本目にしてようやっと不二リョ。もー他校とかとばっか絡ませるのに夢中ですっかり忘れていた―――ワケではなかったのですがネタがなかったもので。そして浮かんだネタがこんなしょーもない挙句せんべへの前振りって・・・。いえ決して不二リョに愛がなくなったワケではないですよ・・・(力説)!?
2004.7.5