メルヘヴン、心の底から誤った鑑賞法
〜こんな展開だったらイヤだ〜





 



Take3.


 アルヴィスのロッドに(2度に渡り)滅多打ちされながらも、コウガは何とか生きていた。後半特に顔にばかり振り下ろされていたため5倍ほどに腫れ上がりますますブサイクになっていたが、それでも頑張って生きてはいた。
 「なるほどね。アイツの武器は打たれ強さか・・・」
 「でもってアルヴィスの武器は、無抵抗な相手を完膚なきまでに叩きのめし、本人も気にしとる顔に特に集中攻撃を加えられる心の強さ、やな。
  ・・・・・・アルちゃん心穢れ過ぎやで?」
 全員に、信じられないようなものを見る目つきで見つめられるアルヴィス。彼は、さすがに疲れたかふうと一息ついていた。
 一息つき・・・
 「さて、準備運動完了」
 「え・・・?」
 よろよろと起きながらコウガが声を上げる。
 「今ので・・・、充分本番だったんじゃ・・・」
 「まさか」
 くすりと笑い、アルヴィスは続けた。
 「ナイトクラスの、貴様の力量を量っていたんだ。
  結論。お前はその常軌を逸する程の打たれ強さによってナイトまで上り詰めた。だが魔力に関しては下級クラスだ」
  ((いやその結論おかしいだろ・・・))
 全員が心の中で思う。アルヴィスはこれまで、(コウガの自業自得な面もあるが)凄まじい理屈付けにより一方的に暴力を振るっていただけだ。その状況で、魔力を一切高めないコウガを責めるのはあまりにも理不尽なような気がする。
 だが―――
 「フン。だったらどうした。てめえは魔力に頼らなきゃ勝てねえ弱虫だってか? ええ?」
 コウガはむしろそれにより優位を取り戻したらしい。にやりと笑い(恐らく。ブサイクかつ腫れ上がった顔で細やかな表情変化は無意味に等しい)、さらにアルヴィスを挑発する。が、
 アルヴィスは、こちらは美形かつ無傷につきわかりやすくにやりと返した。
 「いや?」
 「ああ?」
 怪訝そうに眉を顰める(これまた恐らく)コウガに、
 一息入れ終わったアルヴィスは、ロッドを突きつけ輝く目で宣言した。
 「つまり単純な力押しで下して全く問題はないんだろ? 楽でいいな。助かる」
 「あの・・・まさか・・・・・・」





 どがばきごすげすぐしゃげんがんごしごがげしげしぐちょぼぐがんがんがんがんがんげきごっぐしゃばきめきどごぐじゃぼきどすげっぎんがん・・・・・・



―――Take