せんじょうの騙し合い 〜Party Game〜
6.人質救出作戦 −シングルス編 First Part− <に>
「あ・・・」
「切原と、真田・・・。逃げられたんだ・・・」
「一番厄介な人がこっちいますからね。
で、跡部さんに言うっスか?」
「いや。どっちにしろあんまり変わりないだろうからいいんじゃないかな。もう跡部の頭の中、サエに勝つ事しか入ってないと思うよ多分」
「そうっスね」
2人でコートを見る。現在4−4。何事も心配がなければ魅入ってしまうほどにいい試合だ。しかしながら・・・
人質救出に行ったであろう4人の安否。救出は成功したか。船からの逃げ方は。今ここにいる自分たちはいつ彼らと合流すればいいのか。
行き当たりばったりの作戦はあまりに穴が大きい。唯一の救いは敵の頭である桜吹雪もまた試合に集中している事。よくよく周りを見れば、そろそろ騒ぎ始めた『従業員ら』に気付くだろう。なのになぜか彼の視線は2人―――佐伯に向けられたままだった。隣にいるリョーガも同じく。
それもまた気になるところであるが・・・
「とりあえずさし当たっての問題はこの試合の勝敗だね。跡部には悪いけど、もしかしたら負けた方がいいかもしれない。勝てば桜吹雪を完全に追い詰める事になる。ヤケを起こされるかもしれない」
考えをまとめるように呟く不二を、
リョーマがぎっ! ときつい眼差しで睨みつけた。
「負けないっスよ跡部さんは!」
言い切られ、
不二は暫しきょとんとした後、ふっと息を吐いた。
「そうだね。こんな損得勘定で跡部は勝ち負けを決めない、か。当たり前だよね」
「そうっスよ」
「ごめん、ね」
「謝るなら跡部さんにしてください」
「もちろん跡部にするさ。でも君にもね。
ずっと一緒にいたのに忘れてた。君の方が跡部の近くにいるのかもね」
「当然―――」
言いかけ、
ふとリョーマは言葉を止めた。
思い出すのは昨夜の事。いなかったか? もっと跡部に詳しかった人。
ぽつりと呟く。今まで大した事ではないと判断して誰にも言わなかった事。
「そういえば昨日の夜、俺佐伯さんに会ってたんスよね」
「え・・・?」
そこであったやり取りを一通り話す。言いたかったのは、佐伯は実際見てもいないのに跡部が飼い猫を連れてきているのをわかっていたという事だったのだが・・・。
不二は違うところを気にしていた。
「サエにブラコンじゃないか訊かれたの?」
「俺違いますからね! アンタと違って」
「でもってサエはもう君と跡部の邪魔はしないって言ったの?」
「一応。口だけだからどこまでアテになんのか知らないけどね」
「うん・・・・・・」
混乱する頭を落ち着かせる。今聞いた内容を整理すればつまりはそんなワケで・・・・・・。しかもそうだとすると佐伯がこの試合に出れた理由、そしてリョーガの不審な態度も納得がいくワケで・・・・・・・・・・・・。
「まさか、ねえ・・・・・・」
得られた結論に、さすがに苦笑いが浮かぶ。
「何がっスか?」
「いや、何でもないよ?」
眉間に皴を寄せるリョーマに慌てて誤魔化す不二。別にそれを言って悪い事も何もないのだろうが、それでも憶測だけで口にするのは問題ありだろう。特に・・・当事者ぎりぎりに言うのは。
再び息を吐き、
「まあ、これは間違いないから言っておくよ。サエは有言実行の典型だ。タチの悪い冗談と紛らわしい本当は言うけど、絶対嘘はつかないし、言った事だけは他の何を犠牲にしても守るよ」
「・・・・・・むしろ逆になってくれって思った事ありません?」
「思うのは跡部ばっかだから大丈夫」
「あっそ・・・・・・」
・ ・ ・ ・ ・
「うわ何か俺たち来ただけ無駄だったんスか?」
「不二と越前は気付いたようだな」
気付いていながら無視される虚しさを噛み締める立海2名。天はよっぽどこの2人が嫌いなのか(書く身としては好きな方なのだが)、彼らへの試練はまだまだ続いた。
「追っ手が来たぞ赤也!」
「げっ!! ここからがいいトコなのに!!」
「何を悠長な事を言っている! 逃げるぞ!」
「は〜い」
・ ・ ・ ・ ・
ばらばらに逃げた合計12人。適当に走り回る中で、最終的にこの2人がグループとして残った。
「ここって・・・ボイラー室?」
「うっわ〜。まった古いなあ」
どこぞの機械室―――ボイラー室に一時避難した英二と千石は、所狭しと並べられた蒸気システムを大口を開けて見渡した。いかにも最先端ちっくだった『豪華客船』が、まさか骨董品級のこんな古臭い装備で走っていたとは。
「ま〜・・・、もー何も期待してなかったからいいけどさあ」
「同じく」
呆れ返る。暫し回転を落とした脳に、機械音以外届く音はなし。
安心し、
千石は『本題』に入った。散り散りに逃げる中で、英二にずっとついていっていた理由。この話がしたかったのだ。
「ところで菊丸くん」
「ほえ?」
「君さっき控え室で何言おうとしてたんだい?」
「えっと・・・・・・?」
こちらの質問に逆に疑問符を浮かべる英二。あの後これだけいろいろあったのだ。むしろこんな小さな事、憶えている方が珍しいだろう。
なので思い出してもらえるよう、千石は普段よりは丁寧に解説を加えていった。
「君が見た事話して、その後リョーガくんからの伝言伝えた時。跡部くんに遮られたけど、君リョーガくんの事何か言おうとしてなかったかい?」
「あ・・・・・・!」
指摘され、思い出す。
「そう! 越前リョーガ! 見ててすっげー思ったんだけど、アイツ味方につけらんねーかなあ」
「リョーガくんを味方に・・・? また随分思い切った発想するねえ」
「アイツってそりゃ口悪かったりなんか態度もそんな感じだけど、でもってその辺はおチビで慣れたからいいけど!」
「・・・・・・確かに」
「でもちゃんと仲間かばったり俺に警告してくれたり、根はいいヤツなんじゃねえのか?」
「う〜ん。まあそれこそ越前くんみたいにね」
「そうそう! やっぱアイツっておチビの兄貴だよ! すっげー似てる!! だからぜってー味方になってくれるって思うんだ!」
「『だから』? 何か今理論飛ばなかった?」
「そんな事いいだろ別に! 要はアイツはおチビの兄貴なんだ! しかも昨日の様子じゃ跡部に気ぃある!」
「ふんふん。つまり2人を利用すればリョーガくんも味方になるかも、と?」
「利用って・・・。俺はおチビと跡部がアイツに有効なカードだって意味で言っただけで・・・。
でもってカードっつったらアイツ黒幕じゃねえ! ジョーカーだ!!」
「ジョーカー? オールマイティな最強カード?」
「イカサマなしでマジで強ええアイツは桜吹雪にとっちゃ唯一『確実に儲けを出す選手』だ。だから大抵の事は大目に見るしかねえ。アイツが抜けたら損は半端な額じゃなくなるからな。実際今回俺ら選んだのもアイツだって言うし。
だから逆にアイツを味方につける! 桜吹雪だけならただの卑怯なオヤジだ! いくらでも付け入れるところは見つかるだろうしアイツなんて桜吹雪からかいまくってたし―――」
「ちょっと待って菊丸くん」
「ほえ?」
話題を止める。今まで突っ走っていたものを急激に止められ、反射行動に頭がついていかなかったらしい英二はぱくぱくと口を動かしていた。
落ち着く間を作るように、千石がゆっくりと息を吸う。
ぴたりと止め、
「そういえば昨日手塚くんも言ってたけど、俺たち選手ってリョーガくんが決めたの?」
「ああ。桜吹雪は全然知らなかったっぽい。アイツも報告書読まない桜吹雪が悪いってこてんぱんに責めてたし」
「んじゃやっぱリョーガくんの独断か。
―――ところで菊丸くん。リョーガくんっていつ跡部くんと知り合ったか、君知らない?」
いきなり飛んだ話題に、英二がまさしく『疑問!』という顔をした。確かに彼からしてみれば不思議でたまらないだろう。せっかくのアイディアに欠片も触れず、どうでもよさげな事ばかり気にして。
しかしながら、だからといって話題を戻す気はなかった。
「何で、そんな事・・・?」
「おかしいんだよねどう考えても。俺らにこの話来たのってホントぎりぎりだったじゃん? 普通こういう話ってもっと前に来ない? そもそも俺らが断ってたらどうしたんだろ?」
「でもホラ、俺ら選抜チームが出来たのがそもそも最近なんだし。試合見て知って、改めて調べて、でもって選んだってなったらそりゃ遅くなんじゃん?」
「改めて調べた?」
「だってアイツ、跡部の家柄だって知ってたし俺らの事クセの強いヤツばっかって言い切ったし、それに昨日あの後俺手塚に詳しく聞いたんだけどさ、特に跡部の履歴なんてめちゃくちゃ詳しい。去年も選抜に選ばれた事まで知ってる。だけじゃなくって手塚と真田の家族の事も。真田の家が警察絡みだったなんて俺だって初めて知ったぜ?」
「つまり少なくともリョーガくんは違法行為がバレる事は前提とした上で俺たちを選んだ、と」
「ああ。そう言ってたらしい」
「んじゃなんでそこまで危険冒してまでこのメンバー選んだんだろ?」
「そんなの、おチビと跡部がいるからじゃん?」
「そりゃセットっていう事じゃ丁度いい感じだけど、それだったら2人だけ呼べばよくない?」
「人数合わせ?」
「ならもっと安全圏呼ぼうよ。手塚くんと真田くんなんてよりによって警察絡みだよ?」
「でも他にないじゃん2人が一緒のグループなんて」
「グループに拘る必要ないっしょ? そもそもこの選抜チームが各校ばらばらなのを寄せ集めたようなモンだし、団体戦じゃなくって個人でエキシビジョンマッチやるなら完全他人同士でも別にいいはずだ」
「んじゃ何でだよ?」
「それがわかったらそもそも議論はしないさ」
真実だが聞きようによっては馬鹿にされた言い方。しかし答えが気になってきたらしい英二はあっさり流してきた。
「あ、じゃあさっきお前が聞いてきたのって? なんで跡部とアイツが知り合った時期聞いてきたワケ?」
「昨日の2人の会話からすると今回除いて会ったのは1回。でもってリョーガくんとリョーマくんの会話では、リョーガくんはこの船に乗るため少し前から日本に帰ってたらしい。
もし仮定として、この間に跡部くんとリョーガくんが会ってたら? それでリョーガくんが跡部くんに目をつけた。2人を同時に呼ぶ方法は何か。思いついたのがこのチームだったんじゃないかな。それで急遽呼ぶチームを変更した。だから桜吹雪は報告書を読む暇がなかった」
「それさすがに無茶ありすぎねえ? 大体この船に日本の誰か乗せるって事はもう決まってたんだろ? じゃなかったらアイツが日本に帰ってくる理由ねえじゃん」
珍しく的外れっぽい千石の予想にちょっと落胆する。実はコイツなら本気で思いついたのかもしれないと思ったりしたのだが・・・。
まあ今更そんな事がわかったところで何も事態に変化はない。今重要なのはこの、どんどん増えていく追っ手からどうやって逃げるかだ。
「ん〜・・・じゃ、やっぱ逆だったのかなあ・・・・・・」
わからない事になおも拘りぶつくさ言う千石を無視し、英二ははめていたデジタル腕時計を見た。液晶部を光らせれば、暗いところでも困らない。
タイムリミットの1時間が迫る。試合はどうなったのだろう。
「そういや・・・
結局アイツが警告した『マジでヤバいヤツ』って佐伯だったのかなあ? 不二あっさり終わってたっぽいし、自分で自分の事そう言っちゃったらおしまいっしょ」
何気なく言った言葉。自分でも半分位忘れていた。
「そりゃ確かに佐伯は強ええとは思うけど、そこまでビビる程でもねえ―――」
「っあああああああああ!!!!!!」
ボヤきがいきなり消される。こちらを指差し叫ぶ千石に、そういえばコイツと佐伯も幼馴染だったなあ不二曰く・・・などとしみじみ考えてみた。
侮辱された事に怒っているのだろうか。こちらは直接自分とではなくシングルスになった3人と比較して言ったのだが(自分はしっかり佐伯に出し抜かれた経験があるため大きな口は叩けない)、もしかしたら千石はそうは取らなかったのかもしれない。
ならば謝った方がいいだろう。誰だって身近な人を理由もなく侮辱されれば怒るものだ。が、
手を振り否定しかけた英二をさらに遮り、千石は叫んだ勢いのまま言葉を続けた。
「それだああああああ!!!!!!」
「・・・・・・ほえ?」
「わかった俺らが選ばれた理由!! やっぱ逆だったんだ!!」
「えっと・・・・・・
・・・・・・それがわかって何か意味あんの?」
「あるよ!! 対リョーガくんの切り札見つけた!!」
「ぅえええええええ!!!???」
英二が慄く。千石のこの物言いではつまりその『切り札』はリョーマでも跡部でもないらしく、では一体・・・・・・。
(まさか・・・・・・)
誰だか訊こうとして、
「そこにいたかガキどもお!!」
「にゃああああああ!!!???」
「見つかったあ!!」
・・・・・・よくよく考えずともこれだけ叫びまくれば見つかって当然なのだろうが、興奮しすぎの2人にはわかっていなかったらしい。そして、
これらの叫びが彼らを救った。
「待ってろよテメーら!!」
周りを反響して伝わる声。つまり『見つけた』追っ手は実はまだ見つけていなかったらしい。あるいは見つけても遠くにいるか―――こちらは削除。入り組んだこの場所では『遠く』は全部死角だ。
「誰が待ってるかっての!!」
「とにかく逃げよう!!」
逆に大声で叫び返し、より周りに反響させる。これでこちらの位置はますますわかりにくくなっただろう。
ぴたりと黙り、2人でそれぞれ逆を指差した。音を鳴らさないよう拳を合わせる。捕まらなければまた会おうのサイン。
ひらひら手を振り指した方に向かい・・・・・・
「観念しろガキがあ!」
「・・・・・・今日の俺ってばアンラッキー?」
目の前に掲げられた拳銃に、千石はとほほとボヤいて両手を上げた。
「えっと・・・、大人しくついていきますんで出来れば撃たないでくれると嬉しいかな〜♪ なーんて思っちゃったりしてます。アハ、アハハ☆」
頭で何も考えず口先だけで言葉を紡ぎ―――おかげで紡ぎ続けられた。『出来れば』辺りで逆に逃げた筈の英二の姿を男の後ろに見つけてしまったとしても。
決して英二が方向オンチなわけではない。こうも入り組んでいてはたとえ逆に一度は向かっても途中で合流する可能性は大いにあった。特にゴール地点たる出入り口が1つしかなければ。
千石の口先だけトークは2重の意味で英二を救った。1つはこうして千石が声を発していたおかげで、英二もまた2人の姿をすぐ確認できた事。2つはこうして話している当人が実は本気でパニくっているらしく、その緊張が伝わり体・頭・視線全てがぐらぐらぐらぐら揺れていた事。揺れるそれらが細かくどうなろうと一連の反応としてしか受け取られず、おかげで何度も英二の方を確認したのだが全く気にされなかった。ついでにこれは千石自身も救った。おかげでこう見られた。
「随分頼りねーなあ今時のガキってのは。大丈夫か? 生きてるか?」
「は、はいまあ大丈夫だと思えなくもない限りですはい」
「まあ・・・いいけどよお」
男が力を抜きため息をついた。こんな『頼りない今時のガキ』をガンガンに警戒してもしょうがないと気付いたのだろう。
ため息と共に、
銃が下りた。
『あ・・・』
「あ?」
2つの呟きと1つの疑問。丁度下ろした瞬間を狙って英二が後ろから飛び出していた。
「タイミング激悪・・・」
思わず静かに呟く千石。普通なら最高だっただろう。だが―――
―――英二は後ろから銃を奪うよう手を伸ばしていた。
当然空振りする手。勢い余って前に乗り出した英二は、まるで男におぶさるような格好になっていた。もちろん男も気付いて振り向いた。
「え、えへv」
愛想笑いでVサインを振ってみる。男の中で、『頼りない今時のガキ(ちょっぴりおバカ)』が2人に増えた。
「―――って誰だお前え!?」
「うひょえっ!?」
キンッ!!
男が振り向く。銃口と共に。
際どいラインで避けた英二の後ろで、銃弾が何かに当たった音がした。
同時に千石が飛び出す。こうなれば『頼りない以下略』の意味もなくなった。
再び振り向く男。一緒にやってくる銃口。どうやら顔と同じ方向に銃を向けたい性分らしい。全く違う方向に向け打つよりはいいか。
自分の顔へと向けられた銃をじーっと見つめ、
ばん!!
ゴッ!!
キンッ!!
発射される寸前で身をよじってかわし、そのまま懐へ。顎を殴り上げるアッパーカットを炸裂させる千石の後ろで、これまた何か金属に当たった銃弾の音が鳴った。
「よっし一件落着」
「ってお前・・・なんで銃避けられんだよ?」
「ああ。
銃口の向きとトリガーにかかった指の動き見てると、どこにどういうタイミングで打つかわかるんだよ」
「な、なんでンな曲芸あっさりマスター・・・?」
「跡部くんに散々慣らされたからね。まあそれは単発式のライフルだったけど」
ふ〜っと額の汗を拭い爽やかに言ってのける千石に、英二がどこまでも下がっていった。どこまでも下がり・・・・・・置かれた器具に頭をぶつけ止まる。
「―――あれ?」
「どったの?」
「この管・・・・・・
・・・・・・ぷしゅ〜って、音鳴ってんだけど」
2人で耳を澄ます。確かに鳴っていた。海堂の吐息音―――に似てなくもない、何か気体が洩れる音。ヤな言い方をすれば、多分ガス自殺を試みた際人生のラスト寸前まで聞く音はコレだろう。
「ホントだね〜」
2人で管を見る。そして逆方向も。
丁度そこに男が倒れていた。
さらに気付く。音は2つ鳴っていた。それも2人が見るさらに先。こことは逆側にて。
ゆっくり息を吸い、ゆっくり吐く。今まで感じていなかった匂いがしたような気がしたので、一連の行為を鼻から口に移した。
「さって戻ろっか」
「そだな。試合の方も気になるし」
「んじゃ善は急げ!」
「らじゃー!」
同時刻。こちらは逆に『捕らわれた』一同―――部屋に閉じ込められた従業員らは。
『せーのっ!!』
どばん!!
復活したエセコック含め扉に体当たりするといった、映画やら何やらではおなじみの事を行った結果・・・・・・
――――――打ち身2人、骨折2人という、思ったよりも少ない犠牲により扉を開ける事に成功した。ちなみに拳銃でノブを撃てばいいのではないかという外道突っ込みは、開け終わるまで誰の口からも出なかった。
「お前らあのガキども探せ! 見つけたら殺さない程度に痛めつけてつれて来い!! 俺はオーナーにこの事を伝えに行く!」
『はい!』
「覚えとけよあのガキども!! 次見つけたらただじゃあ置かないからな!!」
・ ・ ・ ・ ・
唯一の出入り口から消えた2人。ご丁寧にしっかり閉められた扉の中で、
ぷしゅ〜っという音を鳴らし、何かがひたすらに充満していった・・・・・・・・・・・・。
―――7monoへ
―――さってシングルス・・・2試合目すらまだ終わってません。ラストと3試合目が直接繋がりそうだったので。勝敗はあえてひみつv この展開だとどっちを予想するでしょうみなさん。なおサエの具体的な実力は別の話で改めて書きたいなあ。というか書き途中ではあるんですよね、六角対比嘉戦で甲斐をボロクソに負かすサエの話。そこで出てくる予定なのですが・・・・・・すみません。まだ書き終わってないためかなり謎で。とりあえずサエはかなり強いという事で・・・・・・。
そして大問題の英二&千石さん。2人が洩らしたそれはまあみなさんすぐわかるでしょう。具体的な正体はともかく。
2005.2.13