シーン9 嫌がらせ王子[プリンス]不二周助

 再び不二です。続・時間稼ぎに頑張ります。ちなみにこのシリーズ、もちろん幼馴染設定は有効です。



手塚:「下手に一方的な試合をして相手を刺激するな」
不二:「ああ。わかってるよ。とにかく時間稼ぎだね」
 落ち着いて頷く不二。そんな彼を心配していたのは―――なぜかリョーマだった。
 ぼそりと呟く。剣呑な目で、相手選手を見やり。
リョーマ:「大丈夫っスか不二先輩? 何か向こう、いきなりレベル上げてきたみたいっスけど」
手塚:「そのようだな。
    ―――あまり無理はするなよ不二。お前は俺たち青学にとって大事な存在だ。危ういと思ったらすぐに切り上げろ」
リョーマ:「大丈夫っスよ。代わりに俺らがちゃ〜んとやりますから」
不二:「あはは。手塚はともかく越前じゃ、すぐ終わらせちゃうだろ?」
リョーマ:「そんな事ないっスよ・・・」
 むくれるリョーマの頭をぽんぽんと撫で、
 不二は笑った。己に絶対の自信を持つ者だけが成せる、強い力を秘めた密やかな笑い。
不二:「大丈夫に決まってるだろう? 2人とも、僕を誰だと思ってるのさ?」
手塚:「誰って・・・・・・」
リョーマ:「そりゃ不二―――」



不二:「嫌がらせでは右に出る者のいない、あのサエの弟だよ?」



2人:『・・・・・・・・・・・・』
手塚:「そういえば、そうだったな・・・・・・」
リョーマ:「張り切って行って来てくださ〜い・・・・・・」
不二:「うん! 頑張るよ」





審判:「デュース!!」

審判:「デュース!!」

審判:「デュース!!」
観客A:「凄い!! 完全に互角だ!!」
観客B:「シーソーゲームだな!!」
観客C:「どっちが勝つんだ!? 目が離せないな!!」
不二:「う〜ん強いなあシュバイツさん。ついていくのがやっとだよ」
リョーマ:「不二先輩、台詞棒読みっス・・・・・・」
手塚:「時間稼ぎにはなっているが・・・
    ―――さすが血こそ繋がっていないとはいえ佐伯の弟。相手を逆上させるテクニックにかけてはひけを取らないな」
リョーマ:「ついでに目的の見失いっぷりもね・・・」
 2人がため息をつく先では、対戦相手のアルベルト・シュバイツ君が吠え猛り桜吹雪氏が葉巻を折っていた。
アルベルト:「真面目にやれえええええええ!!!!!!!!!!」





 ・・・・・・余談として、桃が脱出報告に向かった時点で、2人はゲームカウント0−0で
30回目のデュースを迎えていた。


―――10

 前回の補足のようですが、不二のやる時間稼ぎ。詳細を見るとこんなものだったようです。

2006.5.5