シーン2 オレンジ議談

 リョーガといえばオレンジ。初登場時からアンタ一体いくつ食ってんだと問いたくなるくらいよく食べよく弄んでいます。皮ごと食べたりラケットで打ってみたり。なのでそんなオレンジネタ3連発です。


  T―――

リョーガ:「ようチビ助。久しぶりだな」
リョーマ:「アンタ誰?」
リョーガ:「っておいおい。忘れちまったってのかよ。お兄様の顔を。悲しいねえ」
 青学一同の前に姿を現したリョーガ。わざとらしく首を振り、持っていたオレンジを皮ごとかじった。
 それを見て・・・・・・
一同:『っああああああああああ!!!!!!!』
リョーガ:「・・・・・・あ?」
英二:「お前それちゃんと洗ったのかよ!?」
海堂:「皮っていったらワックスついててそのまま食うと危ねえんだぞ!?」
リョーガ:「ンな事ねえよ!! これはウチで作った普通のオレンジだ!!」
乾:「ただの家庭で作られたものならば国を出る際検疫で引っかかりはしなかったのか?」
リョーマ:「っていうかそれ以前の問題でさ、
      ―――前々から言おうと思ってたんだけど、ウチで作ってたオレンジ、親父がしょっちゅうワケわかんないイタズラしてたから皮ごと食わない方がいいよ? 時々腹下したりとかしなかった?」
リョーガ:「ゔ・・・・・・!?」
リョーマ:「・・・・・・ああ思い出した。その微妙な馬鹿さ加減、アンタリョーガか」
リョーガ:「そういうトコで思い出すんじゃねえ!!!」






  U―――

 夜のプールサイドにて。一人佇んでいたリョーマの元へ、『何か』が飛んできた。
リョーマ:「あ・・・・・・」
 とっさにラケットで受け止める。テニスボールほどではないが見慣れたそれは、ラケットの上でぼすんと鈍い音を立てて跳ね―――
 ―――なかった。


 どべしゃっ。


リョーマ:「・・・・・・・・・・・・」
 無言になるリョーマ。顔中にオレンジの汁を滴らせる彼に、2階デッキから声がかかった。
リョーガ:「はーっはっはっはっはっは!!! 引っかかってやんのオレンジ爆弾!! ばーかばーか!!」
リョーマ:「アンタ絶対殺す・・・!!」






  V―――

 改めて。
 2階デッキでリョーマと話をするリョーガ。自分の思い出話などという、素でやれば照れる事に打ち興じてみる。テニスボールとオレンジを交互に跳ね上げながら、柵の上を歩いてみたりしつつ。
 歩いてみて・・・
リョーガ:「八百長ってのもいいぜ? 世界を裏側から見てるみたいでうどわっ!?」


 どんがらがっしゃーん!!!


 ・・・・・・当然の如く落ちた。



 消えたリョーガを見て、呟く。
リョーマ:「だからさあ・・・
      世界裏側から見るとかそういうのの前に、まず自分の事見てみなよリョーガ・・・」


―――

 ・・・・・・ところでUとV、リョーガにそれぞれサエと千石さんが入ってたような気がするのは・・・まあ気のせいという事で。そしてリョーマに跡部が入っていたのも以下同文。なお『オレンジ爆弾』は一度皮を剥いて中を分解してから改めて皮で包み込んだ感じですか?

2005.2.2