テニプリパロディ略してパロプリ劇場
―――スリップスリップ千石次第!―――





第1回―――1


 それは、跡部が学校帰り、樺地と別れた直後の事だった。
 ♪ぷい〜ひゃらら〜(否キ○キタおやじ)
 「ああ? ラーメン屋台? なんでこんなトコに・・・・・・?」
 首を傾げるのも仕方ない。人通りがそこまで多くもない高級住宅街たるここに、店を出して果たして客は来るのやら・・・・・・
 「よっ、景吾久しぶりv」
 「てめぇか佐伯!! 何違和感0でラーメン食ってやがる!?」
 箸を片手にのれんを掻き分けてきた男―――悲しい事に知り合いの佐伯に、跡部は即行で突っ込みを入れていた。
25世紀という未来でプロの殺し屋をやっている(正確にはやってい『た』)彼が、なぜこの21世紀で平然とラーメンをすすっているのだろう・・・?
 「いやあ、お前待ってたんだけどさ、今やっぱ寒いじゃん。寒いな〜って思ってたら丁度屋台が」
 「それで食ってた、ってか」
 「そうそう。だからお代よろしく」
 「ああ!? 何で俺が払うんだよ!?」
 「お前を待ってての行為だ。お前がさっさと来れば俺も寒さに震えてのれんを掻き分ける必要性もなかった。即ちお前のための出費だ」
 「・・・・・・なあ。それ、モロに犯罪者の理論だぞ?」
 「問題ないだろ? 実際元犯罪者なんだから」
 「もういい・・・・・・」
 これ以上張り合っていても情けないだけなので、跡部はバッグから財布を取り出した。
 「毎度〜」
 店主に渡す。のれんをこちらも掻き分けカウンター越しに手を伸ばし、
 「・・・あ、ちょっと待て鼻が」
 寒くて感覚の麻痺していた鼻にほんわか漂う湯気の攻撃。垂れ防止にすすっていると、横手から声をかけられた。
 「ほら景吾、コレ使えよ」
 「あ、ああ・・・。ありがとよ」
 佐伯が微笑みと共にそれを差し出してくる。顔を背けたまま手を出し受け取り、
 べちゃっ!!
 「なんで台拭きなんだよ!? せめて備え付けのナプキン出せよ!!」
 「ああっ!! せっかくの俺の行為がというかラーメンが!!」
 「話あんだろ!? さっさと行くぞ!!」



―――第1回 2

2006.1.10