テニプリパロディ略してパロプリ劇場
―――スリップスリップ千石次第!―――





第2回―――2


 さてこちらははぐれた佐伯の方。彼は、跡部とは遠く離れた山中を彷徨っていた。
 「困ったなあ・・・。景吾はどこへいったのやら・・・。
  とりあえず今は天正3年だと思うから・・・・・・最悪戦に巻き込まれたかもな。
  うんありえるよな。景吾いかにも運悪そうだし」
 身もフタもなく事実そのとおりなのだが、残念ながらこの状態で佐伯が確認出来るはずはなかった。
 さらにがさがさ音を慣らし、一応道らしきところを歩き・・・
 ぴたりと止まった。
 (人の気配・・・。
  前に1・2・3・・・。背面に1・2・・・・・・いや3。
  囲まれたか)
 ゆっくりと、腰に手を伸ばす。黒のロングコート越しに、腰から下げていたものを確認。
 備えあれば憂いなし。リョーガとの戦闘―――じゃなくって説得に備え持っていた隠し球たる短刀を。
 (どうする? 仕掛ける? 無視する?)
 悩む事なく無視する事にした。
 「―――ってちょっと待て!! せめて1秒は悩め!!」
 「よし。悩んだ。決めた。んじゃ行くぞ。じゃあな」
 「結局無視かよ!?」
 木から飛び下り現れたのは、ふわふわ茶髪に布巾を被った少年だった。動きやすく着崩したその恰好は、どう見ても野盗といったところか。
 そんな彼がずがずが歩いてくるのを、佐伯は手を振り軽くあしらい、
 「だってお前ら弱いじゃん」
 「決めつけんなよ!!」
 「いやいや俺程度に気配察知された挙句軽いからかいですぐ出てきた時点で末期だろ」
 「そこまで言うか!? だったらその言葉、証明してもらおうか!!」
 怒声を合図に、わらわらと残り5人も出てきた。
 見回し、
 「何ため息ついてやがんだよ!?」
 「馬鹿だなあお前らやっぱ。隠れたまま攻撃してくれば少しは隙突けたかもしれないのに」
 「どうやって隠れたまんま攻撃出来んだよ!?」
 「ちょっとは頭使えよ。ここどこだ? 緑生い茂る山の中だろ?
  折れば枝の1本や2本出来るだろうが。それ投げる事すら考えつかないのか?」
 「ンなのただの子ども騙しじゃねえか」
 「そうやって逃げようとしたところに、隠れてた他のヤツが直接攻撃し掛ければ一発じゃないか。
  人いるんだからちゃんと使えよ」
 「ぐ・・・。
  とりあえずかかれぇ!!」
 という事でかかってきた。太っているのから背の高いのから金髪のから剃髪のからその他特徴の乏しいのまで。そして先程から話してる茶髪の。皆一様に、あまり上品ではない恰好だった。
 突進してきた太ってるのにワンタッチで脱いだコートをかける。闘牛のノリだ。
 突然の目隠しに焦るそいつの背後に回り蹴り一発。向かいから来ていた背の高いのにぶつかった。
 左右から刀を構え駆け込んでくる剃髪と特徴なし。ぎりぎりまで引き付けジャンプ。木の枝にぶら下がり体を引き寄せれば、下で互いに斬り合っていた。
 「―――っと」
 ぼっ! ぼふっ!
 左手に持ったままだったコートを振る。斜め下から飛んできたものを絡め取った。
 「手裏剣―――忍びか」
 「アタリ」
 飛んできた方向で、金髪がにやりと笑っている。突っ込んでこないコイツと茶髪は、味方4人を犠牲にしてこちらの力量を窺っていたらしい。
 (まあいいけどな。
  俺も遠慮する筋合いはないって事で)
 反動をつけ前に飛ぶ。さらに手裏剣が2本飛んできた―――が、銃の乱射ですらそこまで命中率は高くないのだ。移動中の相手をこの程度で仕留められるワケがない。
 そのまま地面を転がり移動。そろそろ手裏剣は尽きたらしい。忍びというといっぱいぶんぶこ投げてきそうなイメージだが、実際問題として手裏剣はそんなに大量には持っていられない。金属製である以上、それ相応に重いのだ。
21世紀で例えれば、パワーアンクルをつけて生活するもの。通常ならともかくそれで激しい活動などしようがない。
 身を屈め金髪へと駆け寄る。金髪が焦りの表情を―――
 ―――もちろん浮かべなかった。
 笑ったままの金髪は無視しそのまま駆け抜ける。ようやっとこちらの狙いを察したか、金髪は焦って身を捻った。
 (が、遅い)
 後ろから金髪を拘束。佐伯は彼を、迷わず茶髪の投げる手裏剣の盾にした!
 「必殺・生きた盾!!」
 「おいテメーそりゃ人としてしちゃいけねえ防御だろ!?」
 「しかも『必ず殺され』んの俺か!?」
 「特に気にするな! 俺は気にしないぞ!?」
 『俺らはするわ!!』
 2人の突っ込み―――悲鳴がハモった。
 「さあどうした? 狙えそして殺せ仲間を」
 「ぐ・・・!」
 「テメーマジで汚ねえ・・・!!」
 呻く。もちろん攻撃はしてこなかった。
 どちらももう戦闘意欲はないらしい。気は抜かないまま解放しようとし―――
 「―――っ!!」
 後ろから突如爆発的に膨らむ殺気。金髪を突き飛ばし、反動で身を捻り飛び退る佐伯の足元に、やはり1本の手裏剣が突き立った。
 茶髪の放ったものではない。新手らしい―――が、そいつもまた、仲間を犠牲にする事に対し何も覚えないらしい。
 そのまま後ろを向く。現れたのは、黒髪オールバックで眼光の鋭い男だった。
 「貴様、どこの者だ? 甲賀の者か?」
 「つまりお前らは甲賀じゃない、か」
 「質問しているのは俺だ」
 見た目の冷静さと裏腹に、随分短気な性格らしい。殺気が増大した。
 真正面からそれを受け、
 佐伯は軽く首を傾げた。
 「そうだなあ・・・。
  誰でもない。影―――そう、影のような者。お前達のようにな」
 「ほお・・・。俺たちを知っているのか」
 「いや全く。
  ただ手裏剣なんてモン使うの忍び位だろ? って思っただけだ」
 首を振って即答する。相手の顔が面白いように引き攣った。
 「俺は木手永四郎。お前の推測どおり、『殺し屋』と呼ばれる忍びをやっている」
 「俺は佐伯虎次郎。ま、一応分類ではただの旅人かな? ついでに呼ばれるまでもなく実際の殺し屋だ」
 「ハッタリを」
 「本当さ。だから本名を名乗った。
  ―――ここで倒しちまえば、何の問題もないだろ?」
 「ほざけ。
  だが、お前の言い分を借りれば、
  ――――――影は2つもいらん。倒させてもらう」
 「出来れば遠慮したいけどね。光の当たり具合によって影なんていくつでも出来るんだから」
 こちらを無視し豪速で駆け寄ってくる木手とやら。逆手で抜き取り胴体全体をカバーするよう立てた短刀が、激しい火花を散らした。
 峰に添えておいた右拳に痛みが走る。抉り込む感触。刃があれば実際抉り込んでいたかもしれない。
 構えながら後ろに飛んでいてよかった。ついでにコイツ以外のヤツが気ぃ利かずでよかった。
 後ろに飛ぶ事で衝撃を緩和しついでに距離を開け、その間何の攻撃も受けなかった佐伯は改めて木手と対峙した。
 「防いだか。
  さすがに、大口を叩くだけのことはあるな」
 「あら? 手下6人倒してやったのは無視?」
 「コイツら程度が役に立たないのは始めからわかっていた」
 「役に立たないなら最初から出さない事を勧めるよ。通りかかったのが俺じゃなかったら、実際殺されてたんじゃないか?」
 「つまりお前の自称も嘘だという事か」
 殺し屋なのに殺さない。殺さないなら殺し屋ではない。
 わかりやすい理論に、佐伯は小さく笑みを浮かべた。
 「生憎と、『元』なモンでね。
  だからちょっと腕なまってるかも」
 笑って、
 今度は佐伯が突っ込んだ。先程の木手と同じ手で。
 「何!?」
 木手が驚きの声を上げる。まさか1度で見抜かれ真似までされるとは思ってもみなかったらしい。
 目の錯覚を利用したトリック。タネが解ければ簡単なものだ。頭より先に下半身を動かしていたという事。
 足元に枯葉の積もるここでは足音でバレるかもしれないが、だからこそ最後まで台詞を続けたのだろう。尤も、実際向こうの足音を消したのはこちらの軽口だが。
 屈みこんで懐まで近付き、
 叫ぶ。
 「忍法・木の葉隠れの術!!」
 『なっ―――!?』
 木手+ギャラリー6名の声が広がる。足元に積もる木の葉に注目する彼らを見ながら、
 佐伯は伸び上がり様爪先で木手の顎を蹴り上げた。
 がちん! と激しい音を響かせ口を閉じた木手。そのまま脳震盪を起こし後ろに倒れこむ。
 「よし」
 『って木の葉使えよ!!』
 肯く佐伯に、今度はギャラリーのみから声が上がった。
 振り向き、
 心底馬鹿にしたようにため息をつく。
 「はあ? お前ら何言ってんだ?」
 「だから―――!!」
 「『木の葉隠れ』だから木の葉使え? 何甘っちょろい事言ってんだ? 忍びの本分わかってんのか?」
 「忍びの本分・・・?」
 「忍びは本来、相手の情報を掻き集めたり敵を混乱させたりして味方に有利になるよう動く補佐役だ。即ち一番重要なのは情報を得る力・見極める力・利用する力。まとめて『頭脳』。
  戦闘能力は二の次とは言わないけど、戦うだけしか能がないんなら武者になった方がよっぽど有用だろ」
 理論整然と言われ、一同肩を落として項垂れた。
 その中で―――茶髪だけが手を上げる。
 「んで。
  それはそれとして木の葉使わねえ理由はどこ行ったんだよ?」
 「馬っ鹿だな〜お前。あんなのハッタリに決まってるだろ?」
 「はい・・・?」
 「モロバレの技名言ってそのまま使ったらただのアホだろ。どこぞの俺様じゃないんだから俺はそんな事はしたくない。
  でもってあの程度嘘だって気付けなくて、とても情報操作担当の忍びなんてやってけないだろお前ら。職業変えた方がいいぞ?」
 「・・・・・・・・・・・・。
  あくまで責められんのは俺らなのか・・・? さらっと騙してくれやがったテメーはお咎め0か・・・?」
 「せっかく本物の忍術見れるとか期待しちまった俺らって何なんだよ・・・・・・?」
 「だから『馬鹿』だって。
  ――――――本物の忍術?」
 「疑問点があんならそこだけ訊け!! よけーなモンつけんじゃねえ!!」
 「いや前がメインだから。
  けどお前らいくらダメダメ揃いでも馬鹿の集いでもまがりなりにも忍びなんだろ? まさかこの時代にコスプレマニアなんていないだろうし、だったらそんな野暮ったい野盗の恰好なんてしないでちゃんと忍びファッションするだろうし」
 「は、はあ・・・? こすぷれまにゃ・・・?」
 「つーかだから前置詞多い!! 俺らは普通に忍びだ!! そりゃ確かに甲賀のヤツらみてえに派手な術使えねえし、おかげで殿様たちにも全然気に入られねえで今実質野盗だけどよ!!」
 「いや殿様たちに気に入られないのはお前らの頭が足りないからだろ。俺なら雇用初日にクビにしてるぞ?」
 『ほっとけ!!』
 再三にわたる合唱は無視し、佐伯は短刀を納めコートを回収した。ついた木の葉をぱたぱたと落とし、
 「甲賀をライバル視してる忍び・・・?
  ―――まさかお前ら、伊賀か・・・?」
 「何で俺たちの事知ってやがる?」
 「かまかけにはあっさり乗らない方がいいぞ?」
 「〜〜〜っ!!」
 つまり彼らは伊賀の者らしい。悔しそうに歯軋りする様から見ても、嘘ではないようだ。
 「んで、お前らは伊賀だけど能無し揃いだから職にあぶれた、と」
 「ンなに平たくまとめんなよな!? 腕だけだったら俺らだって甲賀より上なんだよ!!」
 「なのに派手さがねえからアピール不足で・・・!!」
 「・・・・・・。
  忍びって、いつから大道芸になったんだ?」
 「なってねえ!!」
 悩んだついでに別の事も考える。伊賀といえば歴史上有名な忍びの流派の1つ。それがなぜ野盗まがいの事をしているのやら・・・。
 (伊賀なら天正にも充分活躍してたはずだ。
  まだ出来たてか・・・? あるいは衰退した・・・? それとも・・・)
 「なあ、いきなり訊くけど今って何年だ?」
 「はあ? マジでいきなりだな。
  天正元年だろ?」
 「元年? 3年じゃなくって?」
 「何すっとぼけた事言ってんだ? 元年に決まってんだろーが」
 「ちなみにお前らがいるって事は、ここ伊賀だよな?」
 「当たり前じゃねーか」
 「・・・・・・・・・・・・」
 とってもマズい事が判明した。
 (やばいな・・・。落ちる年代間違えた・・・)
 あの時元移動機故障により、どうやら自分は目標としていた天正3年―――
1575年より2年前に来てしまったらしい。
 (さってどうする・・・? リョーガが現れるのは2年後、景吾がいるのは完全不明。探す? 待つ?
  何にせよ―――
  ―――情報網は必須、か・・・)
 「なあお前ら、忍術教えてやろうか?」
 にぱりと笑って佐伯が指を立てた。
 「は?」
 「つーか使ってねーじゃねえかテメーも」
 「そんな事はないさ。ほら、
  ―――忍法・木の葉隠れの術!!」
 ざあっ!!
 「ンなモンどーせまたハッタリ―――!!」
 笑いかけた茶髪の言葉が消える。いつの間にか後ろに回っていた佐伯に、首筋へと短刀を突きつけられ。
 「お前、いつの間に・・・」
 「お前が言った通りさ。ただのハッタリだ。木の葉蹴り上げて目眩ましに使って、その間に移動した。
  ただしさっき俺も言った通り、忍びは頭脳勝負。嘘ハッタリかまかけは常識だ。1回目で使わなかったのは、俺は忍術なんて使えないと認識させるためだ。木の葉に惑わされないよう視線を固定させたのはさすがだな。けど、
  ―――だから逆に気付かなかっただろ? 木の葉と一緒に俺が飛び上がってた事は」
 短刀を納め、佐伯は改めて茶髪に向き直った。ついでに周りを見回し、
 「俺が教えてやるよ。嘘の上手な使い方」
 「・・・・・・・・・・・・狙いは?」
 すぐには乗ってこない。そこまで世間知らずではないようだ。
 「そうだなあ・・・。
  これもさっき言ったけど、俺は旅人でね。泊まれる場所と食事、まずはその程度かな?」
 「この後さらに条件出してくるってか?」
 「それで『忍術』覚えられて殿様方にも気に入られるとなれば安いモンだろ? もちろんさすがに超常現象みたいな事は無理だけど、使い方次第ではお前らの言う『甲賀のヤツらみたいな派手な術』も出来るようになるんじゃないか?
  俺が出したいのは交換条件だ。それ相応の事やってくれたらお前らに難易度の高い術教えてやる」
 「断ったら?」
 「甲賀のヤツにチクる。『伊賀のヤツらがお前らを潰そうと現在特訓中だ。何でも外部から不思議な術を使う者を招いたらしい』って」
 「信じるかよンな話」
 「『情報操作は忍びの基礎』。
  見せてやろうか? 俺の実力」
 「・・・・・・・・・・・・。
  わかった。いいぜ」
 「素直で結構」
 「おい! 木手の了解取んなくていーのかよ!?」
 「問題ありゃ後で追い出すだろ。ここで受けなけりゃ俺ら殺されるぞ」
 「ああ? 何でだよ?」
 「言ってただろ本物の『殺し屋』だって。
  お前ら甲賀に殺されんのとコイツに殺されんのと言う事聞くの、どれがいーんだ?」
 『・・・・・・・・・・・・』
 黙りこくる一同を見、最後に茶髪を見る。意外と頭の回転は悪くない。学習能力があると言うべきか。
 (利用するには、ぴったり・・・か)





 そして反対0で佐伯は彼らの世話になる事になった。
 いまだ気絶したままの木手は田仁志という太ったのが担ぎ、彼らの隠れ家へ向かう。
 完全に道のない場所―――足跡を残さないよう歩いているようだ。先程の動きといい、本当に戦闘技術だけなら彼らは一流のようだ―――を歩きつつ、佐伯は先頭を行く茶髪の甲斐に尋ねた。
 「なあ、アイツ―――木手だけお前らと毛並み違う感じだったけど、実際違うのか?」
 「ああ。木手もお前と同じ旅人みたいなモンだ。ふぬけた伊賀に変わって本当の忍びというのを教えてやるって事でな」
 (『殺し屋』が、なあ・・・)
 どうりで戦闘技術だけに特化してると思ったら。
 「ちなみに訊くけどさ。
  ―――木手、って実名か?」
 一応同じ殺し屋として、本名は普通名乗らないものだ。自分も役柄に応じて『コウ』だの『サエ』だのいろいろ変えている。
 名乗るとしたら、余程の知り合いか、あるいは確実に殺す相手にだけか。
 質問の意味を察したらしい。甲斐が前を向いたまま肯いた。
 「木手は本名だ。まあ・・・正確なトコは知りようがねえけどな。あくまでアイツがそう言ってるだけで。
  仕事ん時は別の名前名乗ってたな。確か・・・
  服部半蔵・・・だったか」
 「・・・・・・・・・・・・」
 服部半蔵。言い伝えられる忍者の中で知名度はトップクラスだろう。まさかこんなところで野盗もどきをやっているのに遭遇するとは・・・。
 佐伯の中でがらがらと何かが崩れていく。歴史を辿る中で一番面白いのが忍者だというのに。今回それの活躍する戦国時代だというから自分だってちゃんと学んできたというのに・・・!!
 (もしかして後の言い伝えになるのが、ここで俺の教えた事だったりしたら・・・
  ・・・・・・・・・・・・やだなあすっごく)





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 さて天正3年に戻ってこちらはとある城の中。事の張本人リョーガは、執行部からパクった電卓をぱちぽちと叩いていた。
 「お・れ・は・こ・こ・に・い・る・ぞっ・・・と。
  これでよし。佐伯もその内これ辿ってここに来て〜・・・くひひゃははvv
  さすがに言い過ぎたとか謝るんだろ〜なあvv でもって心の広〜い俺が許してやったりすると感激して泣きついてきたり〜〜〜vvv あ〜楽しみ〜〜〜vvvvvv」
 こんな風に笑うリョーガではあったが・・・
 そんな彼とは全く関係ないところで起こった事件のせいで、佐伯がとても現れそうにない事は・・・
 ―――もちろん知る由もなかった。
 「あ〜佐伯〜vv 早く来てくれ〜〜〜vvv」



―――第2回 3

2006.1.112