10.“姫” −不二・・・?−


 仲間集めを終え(?)、一行は、いよいよ魔王の待ち受ける城へと到達した!!
 到達し・・・・・・
 「あー!! ちょっとサエ!! 君何人なんか連れてきちゃってるワケ!?」
 「ははははははは!!! 持ち寄る道具が自由なら人だって自由に決まってるだろ!?」
 「傀儡で操ったの!? そーいうのやっちゃ駄目だって決められてたじゃないか!!」
 「だから俺はしっかりレポートを出した!! ≪傀儡にわざわざ術なんて使わずとも口八丁手八丁でいくらでも出来る≫と!! 即座に突っ返されたけど!!」
 「当たり前でしょ!?」
 「とりあえずコイツらに関しては自分の意志でついてきたヤツらだ!! 何の問題もない!!」
 「くっ・・・!!」
 「よって俺の勝ちだよ周ちゃん!!」
 「まだまだあ!! だったらそこらへんも合わせて君倒すからね!!」
 「ははん。出来るならやってごらんよ。≪不二周助は何の罪もない一般人を実験台に使い傷つけた≫、ってしっかり報告するからな。
  除名は確定。ムショ行きか・・・・・・最悪事態揉み消しのために殺されるかもな」
 「そ、そんなの怖くないもん!!」
 「あ、そうか? 幸村が『あんまり他人は巻き込むなよ? 揉み消すのが大変だろ?』って言ってたけど?」
 「ぐ・・・!」
 「俺の勝ちでいいよな? 周ちゃん(にっこり)」
 「く〜や〜し〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!」





 「・・・・・・結局何なんだ? アイツら」
 相手を見下し「は〜っはっはっは!!!」と高笑いを上げる佐伯。がっくり崩れ落ちた、『周ちゃん』と呼ばれる“姫”だったはずの少年。
 理解不能の成り行きに眉を顰める一同。その中で、千石が苦笑いした。
 「会話どおりっしょ。つまり俺らはサエくんに担がれた、と」
 『は・・・・・・?』
 呆ける彼らから目を背け、“姫”を指差す。
 「だってお姫様、どう見たって捕らえられてないよ?」
 『・・・・・・・・・・・・』
 否定しようのない事実。強いて言えば佐伯が捕らえていたのかもしれない。それはそれで可な気がする。
 「何だこりゃ・・・・・・」
 巻き込まれた全員を代表して跡部が呟く。他の者は・・・
 ・・・・・・呟く気力も失われ、姫に続いてがっくり崩れ落ちていた。



―――エピローグ.佐伯