7.捨て駒3 −切原−


 適当に大きな街を抜ける総勢8名。なかなかに多くなってきた集団は、内容の不明さも相まってかなり人目を引いた。『悪者』の目も。
 「いっただきぃ!」
 「あっ!」
 後ろから走ってきた黒髪の少年が、追い抜きざま英二の持っていた鞄を引ったくった。
 引ったくって―――
 すっ。
 「うおあっ!?」
 どべしゃっ!
 がんがんばきごきげし・・・・・・・・・・・・。
 佐伯がさりげな〜く出した足に引っかかり、転んだところを跡部・千石・リョーガ・リョーマ・ケビンによって足蹴に(文字通り)された。
 「な、何なんだよお前ら・・・・・・」
 息も絶え絶え言う少年の前にしゃがみ込み、
 佐伯はにっこりと笑った。
 「選べ。このままリンチ続行。馬車で街じゅう引き回し。時計塔に逆さ吊り。簀巻きにして川投入。素っ裸荒縄縛りで広場乱入。俺に雇われタダ働き」
 「・・・・・・頑張って働かせてもらいます」
 「よしよし。素直ないい子だなあ。長生きするぞ」
 「選択間違えねえ時点で確かに長生きしそうだな」
 「イヤ。コイツに関わった時点で短命決定だろ」
 「ま、頑張れ誰だか知んないけど」



―――8.観月