「好きだよ、景吾」
「俺も・・・愛してる、佐伯」
それは、長い長い幼馴染という関係を越え得たもの。この幸せを逃さないように、壊さないように、2人はゆっくりしっかりと互いを抱き締めあった。
「じゃあな、佐伯」
「朝練遅れんなよ、景吾」
だから何をするわけでもないけれど、それでも一時でも長く一緒にいたくて。
早朝4時、家からハイヤーを呼び跡部は帰路へとついた。
それが、2人が会った最期だった。
ようやく手にした幸せ。噛み締めるよう跡部は微笑み目をつぶり、
そして―――
キキーーーーーー!!!
がしゃん!!
――――――――――――彼は、つぶった目を二度と開くことはなかった。
同じドアの前で
当たり前の話ですが、本編をお読みになった後AnotherStoryをどうぞ。