かつて、この世界には人間と魔族という2つの高等種族が共存していた。
 2種族の間には争いなど一切無く―――いや、争いはあったが、それは人間間・魔族間にて起こるものと同じであり、決して種族差によるものではなかった。
 そんな、夢の世界の終わりを告げたのは、1人の魔族の暴走。
 暴走した高位魔族は森を荒野に、山を平原に、街を廃墟に変え、
 人々を、魔族達を、破滅させていった。
 世界崩壊の危機は、その魔族を封印する事でかろうじて免れた。だが、これを機に人間と魔族の間には最早埋める事の出来ない溝が作られ、
 ―――そして、2種族は暴走した魔族の強大なる力が作り出した時空の切れ目を互いの隔たりとし、2度と共に歩む事はなかった。







 現在、2種族間にある繋がりはただ1つ。

 <契約>

 それにより、人間は魔族を使役することが出来、そして魔族は人間から力を得る事が出来る。
 魔族の得る人間の力とは即ち生気。生きるための力を奪う彼らを人々は―――







 ――――――『悪魔』、と呼ぶようになった。







快なる戒  戒たる



1.佐伯と千石の場合

2.不二と跡部の場合

3.過去の話 〜千石独り語り〜

4.‘天国への扉[ヘヴンズドア]’

5.閑談 −跡部と佐伯・千石と不二の場合−

6.想い秘めて  
前編 後編

7.想い壊れてその先で 
  

8.もうひとつの『真実』







2003.12.212004.7.11