あるところに、世界の全てを支配する神様がいました。
神様は、とある人間の少女に恋をしていました。
ある日、地上へ下り立った神様は、
驚く少女に、こう言いました。





「僕は全知全能の神なんだ。君の望み、何でも叶えてあげるよ」





少女はその時、『友達』から苛められていました。
辛く苦しい毎日。だから、
「『友達』なんていなくなればいいのに」
笑いながら、そう返しました。
次の日から、少女は苛められなくなりました。
そして、
次の日からその『友達』達を見かけた人はいませんでした。










喜ぶ少女に、神様はさらに何でも叶えてあげると言いました。
少女の両親は不仲で、少女の前で毎日毎日ケンカしていました。
「お父さんとお母さん、どうにかならないかなあ?」
今度も、軽い気持ちで返しました。





その日の夜、少女の両親は互いをナイフで刺し合って死にました。
少女は祖母へと預けられる事になりました。










次の日も訪れた神様に、
「私もっとお金持ちになりたいな」
少女はそう言いました。





少しして、少女の面倒を見ている祖母が突然心臓発作で倒れました。
急いで病院に運ばれましたが、間に合わず祖母は帰らぬ人となりました。
少女は、祖母の遺産と保険金を手に入れお金持ちになりました。










何でも望みを叶えてもらっている少女。勢いは留まる事を知りませんでした。
「ねえ、私好きな人がいるの。あなたなら彼を振り向かせる事なんて簡単なんでしょ?」
期待を篭めた眼差しで訊いてくる少女に、





「うん。簡単だよ。任せてよ」





神様は、そう返す事しか出来ませんでした。










神様は少女の望みを叶えました。
心の壊れた想い人を抱き締め喜ぶ少女を前に、





「もっと言ってよ。君の望みを叶える事が、僕の幸せなんだから」





神様は、笑ってそう言いました。










さらに少女は神様に幾つも望みを叶えてもらいました。
そして、





―――一つ叶えてもらうごとに、少女の中に神様への不信感が芽生えていきました。










「さあ、今日の望みは何?」





問う神様に、





「ねえ、今までの事はあなたが全部やったの?」
「? もちろんそうだよ?」
「苛めっ子が行方不明になったのも、父さんと母さんが殺しあったのも、お祖母ちゃんが突然死んだのも、彼が操り人形みたいになっちゃったのもみんなあなたがやったの!?」
「当り前じゃないか。だって君がそう望んだんだから。
言ったでしょ? 君の望みを叶える事が僕の幸せなんだって」





それは本当に嬉しそうな笑顔で。
少女の中での不信感は、この瞬間恐怖へと変わりました。





「ねえ、今日の望みは?」





無邪気に問う神様へ、





「・・・・・・・・・・・・消えて」
「え・・・・・・?」
「消えてって言ってんのよ!! 私の前に二度と現れないで!!」





少女は、泣き叫んで辺りにあったものを投げつけました。
「ねえ! 何を怒ってるの!? ねえ!」
「うるさい!! あなたの事なんかもう見たくもない!! 今すぐ私の前からいなくなって!!」





神様には何が何だかわかりませんでした。
それでも、





「・・・・・・わかったよ」





少女が何を望んでいるのかはよくわかりました。
その願いを叶えるため、










「バイバイ」










一言と、一粒の涙を遺し、










神様は消えていきました。
























































神様と共に、

世界もまた、崩れ始めました。

世界の全てを支配する神様は、世界の運命をもまた支配していたから。

神様は、世界そのものだったから。























































世界をその胸に抱いて消滅しながら、










「ねえ、次の望みは何?」










神様は、微笑んでそう尋ねました。望みを聞く者の存在しない世界へ向け・・・・・・。























































ありふれた話








レツゴ高校生編   −豪と烈−

テニプリ『天才〜』編   −不二とリョーマ− −続・不二とリョーマ− −続? リョーマと不二−

テニプリ編   −千石と跡部− −佐伯と跡部− −千石と佐伯− −跡部と手塚− −手塚と跡部− −佐伯と不二− −英二とリョーマ− ー裕太と不二そして佐伯・跡部ー New!

電童編   −北斗とスバル−

キノの旅編   −キノとエルメス− −陸とシズ−

伝勇伝編   −ライナとフェリス− −シオンとライナ−

魔探偵ロキ編   −鳴神とロキ−

魔術士オーフェン編   −コギーとオーフェン−

絢爛舞踏祭ーザ・マーズ・デイブレイクー編   −ヤガミとグラム−

















 ―――はい。シリアス風味なOPはどこへ行ったんでしょうこの話。そして5行程度で終わる予定の一発ギャグオンパレード話がなぜここまで長くなったんだろう・・・?
 全体的に書きすぎです。全
18話って・・・。OPのオリジも合わせれば19話・・・? 1日でUpした本数としてはついにテニプリ『Survive〜』の17話を抜いてTopです。だからどうしたといった感じですが。
 なおこれだけあって唯一のオアシスが電童だけって・・・・・・。そういった理由でなのか丁度中間近辺の
11話目にあります。ターニングポイントで皆様疲れを癒して後半戦頑張って下さいといった感じのノリですな。
 そして今回初登場が多いぞ! ロキは鳴×ロキが好きです(断言)。ダメダメ夫としっかりものの奥さんといった感じで。オーフェンは特に推奨
CPはありませんが好きなシリーズは無謀編か・・・。オーフェンとマギー3姉妹(+キース)の毎度の絡みがまた・・・。あと絢爛舞踏祭ならヤガミ×グラム(リバ可)かグラム×ベスか。とりあえず3人が大好きです。そして・・・・・・毎度恒例ヒロイン(?)は好きではなかったり(ベス除く)。繭良にしろラシィにしろエノラにしろ・・・。あ〜なんで毎回こう同じ流れになっていくんだろう・・・・・・。

2004.11.1314